【独学合格】一級建築士製図試験の試験前と試験中の確認事項

試験中は集中し過ぎて試験の合否に関わる重要なポイントを見落としてしまったり、思うようにエスキスがまとまらなくて慌て過ぎて墓穴を掘るようなことが多々あります。

そのような状況に陥らないためにも、冷静にいることがとても大切です。

今回の記事では、私と同じように独学で製図試験を頑張っている方の参考になればと、試験前日と試験中における対応をまとめています。




私自身について

私自身は運良く独学で製図試験を合格できましたが、運が良かったとしても製図試験については合格するまでに3年かかってしまいました。そのあたりの苦労話は、次の記事に書いてありますのでご覧ください。

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独学の場合、とにかく孤独なので何が正解で何が間違いなのか分からずに根本的な箇所を見落とししてしまうことがあります。

これに加えて、製図試験当時までは自分が勉強してきたことは正しいことだったのか、何か肝心な部分を失念していないかなどとにかく悩むと思います。

試験当日は更に焦ります。9割以上の受験生は専門学校に通っています。

みんな同じような製図道具等を持参し、仲間内で談笑しているところを見ていると、自分は本当に大丈夫なのか、本当に心配になると思います。

けど、大丈夫です。

そんな状況の中でも製図試験をクリアしたのが私です。

3年かかりましたが、私の教訓を聴いておけば試験当時の失敗は限りなく減らすことができると思います。

試験前日に行った方が良いこと

①利用者動線と管理動線の交錯は一発アウトになるので、利用者動線と管理動線を分けるパターンを、これまで自分が描いた図面を見返しながら、確認する。

これめちゃくちゃ重要です。

この記事を読んでいる方であれば当然知っているしクドイとは思いますが、利用者と管理者の交錯は絶対に行ってはいけません。
エスキスを描く前に頭の中に入れておきましょう。そうするとエスキス段階で重大なミスを犯す恐れは少なくなります。冷静になって、俯瞰します。

ちなみに、俯瞰した段階で、ミスに気付いたらどうするか。
時間があれば大きく直すこともできますが、時間が無い場合は、居室名を替えてしまいましょう。

②記述は暗記が基本ですので、質問パターンごとの回答記述をもう一度確認する。

→これをやっておくかどうかで、試験時間における描く作業への投資を増加させることが可能です。「記述は当日に考えれば良いよね〜」くらいに考えていると、当日になって頭が真っ白になって撃沈する可能性があります。

ですから、記述は暗記しておいて、構造や設備のパターンにあわせて回答記述を柔軟に変更できるよう繰り返し読みながら書き写す練習をしましょう。

③ちょっと不安な法令(道路斜線や避難規定等)については、もう一度確認する。

面積区画は特防、竪穴区画は遮煙防火設備、延焼開口部は防火設備、重複距離等の注意

→特に重複距離OUTは本当にOUTに近いです。
もしOUTに気づいたら、避難上有効なバルコニーをつくるしかありません。
形はどうであれば、法令違反にならないことが合格するためのポイントです。明らかに過大だと思っても、そんな思考は無視して、法令違反にならないよう注意します。

前日、余裕があれば、朝一から本番のように描いて、昼過ぎには終わり、最終的に見返した上で、早めに寝る。

→前日に最終チェックすることと、適度に早めに寝ることは重要です。
ちょっと早く起きてしまったら、少し勉強すれば良いだけなので、早めに寝て疲れを取り切るようにします。

⑤道具の手入れ(これまで試験勉強を一緒に頑張ってきた製図板や定規、ペンなどの大切な道具を綺麗にしてあげる)

→試験に合格した後は製図板を触ることはなくなります。合格後は後輩に譲ることが考えられるので手入れしながら心を落ち着かせるとともに道具に不具合がないか確認します。

試験中

①自分が決めたエスキス書き上げリミット時間までにエスキスが終わらなけらば見切り発車しましょう。

その際は、感を頼りに要求室の面積に大きな不足、室の欠如、動線交錯、延べ面積の上限・下限違反にならないことだけは注意します。

→完成させないと採点すらされません。完成させることがとても重要ですから、エスキスが完璧ではなくても、完成させるまでに必要な時間を超えることがないようにエスキスの切り上げ時間をしっかりと確認します。

→エスキスが中途半端になっても、頭に描きながら図面に書き写します。とても頭を使う作業になりますので、ミスがないか頭を起こして俯瞰しながら描くようにしてください。

②もし早めにエスキスがハマっても、自分を疑って漏れがないかチェック。

③図面を描いている最中は、目線が一点に集中しがちなので、線を引く位置を間違えないように背筋を伸ばして書く。そうでないと、上下階で不整合が発生する可能性が高いです。
*俯瞰しましょう(背筋をグーっと伸ばした時に柱の位置が階で違う!となると冷や汗をかくことになるので、背筋は伸ばした方がいいです。笑)

④図面は、書き上げて採点の土俵に上がるので、全て描ききりましょう。

⑤最後は、絶対に合格するという強い思いです(メンタル面ですみません。)。あと何年あるからという思いは諦めを生じさせます。これで終わりにするんだという強い思いが大切です。

本記事のまとめ

最後にお伝えしたいのは、周りに流されないことです。

要求された内容を忠実に守り、かつ建築基準法に違反しないようにする。
たったこれだけで、建築士試験は合格することが可能です。

これが最も難しいのですが、数あるパターンを何十枚と描いていれば柔軟に対応できるようになっているはずです。

ただ描くことが勉強する上で重要なことではなくて、要求に答えるようにするにはどのような配置パターンがあるか考えながら勉強することが大切です。

自分が利用者の立場になってイメージしながら図面を描くことをおすすめします。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

独学者でも絶対に合格できます。頑張ってください!応援しております。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など