国土交通大臣認定品の防火構造の仕上げに木板の設置は可能?

今回は、『防火構造(大臣認定)』の仕上げに”木板”の設置が可能かどうかについて記事にしました!
大臣認定品の範囲には木板の仕上げは含まない。

木板張りにすることで外壁のアクセントになり、窯業系や窒素系サイディングだけの若干無機質な感じがなくなり、伝統的な日本家屋の趣が出てくるので、一部でもいいから使用したいと考える人はいるのかなと思います。

しかし、一戸建ての住宅(木造)で延焼の恐れがある部分の外壁は、非常に難しいです。

なぜなら、現代の住宅のほとんどは住宅メーカーで建築されているため、その住宅の大部分は大臣認定品を使用しているはずだからです。

大臣認定品を使用しているとダメなの? って思いますよね。

大臣認定品の多くは、サイディング(窯業系・金属系)による防火構造としているからです。

現に私がこれまでに見てきた外壁のサイディング材は、やはり窯業系・金属系が中心でした。

では、なんで大臣認定品の上に木板はダメなのか。(厳密には、外面が木板以外の大臣認定品の上に木板を設置してはダメなのか)




何故、大臣認定品の上に木板張りはダメなのか

答えは単純です。

「大臣認定を受けた構造方法以外となるから」からです。

大臣認定品とは、防火構造で考えれば、外壁の外面から内壁の内側まで一つの認定品です。

つまり、それ以外の構造方法を加えると、認定外の行為となるからです。その建築物は違反建築物となってしまいます。

けど、防火構造の効果は変わらない?と考えていませんか。

でもね、ルールなんですよ。

木板は確かに炭化するので、ある程度達すれば燃えなくなるかもしれません、けれど、防火構造は30分が限界です。木板である以上延焼する可能性が高いので、想定以上に防火構造の壁に負荷がかかる可能性も捨て切れませんよね。(これは私の個人的見解です)

どうしたら、延焼の恐れがある部分の外壁を木板張りとできるのか

方法は二つです!!

一つ目は、木板張りの仕様となっている大臣認定品を使用する。

二つ目は、告示の仕様で設計する。

私の知る限り、この二つしかありません。

ですので、注文住宅を検討している方は、設計の段階から木板張りとしたいと設計者に伝えなければなりません。(引き渡し後、自分で施工するのは違反建築物となる可能性があります。)

告示(平成12年5月24日建設省告示第1359号)について

告示第1が外壁の構造方法について

告示第2が軒裏の構造方法について 規定されています。

でもでも、下地が木造だと大壁の外側の構造方法は、次の方法しかありません・・・(内側の構造規定もあるので注意が必要)

・塗厚20㎜以上の鉄鋼モルタルor木ずり漆喰
・木毛セメント板or石膏ボードの上に厚さ15㎜以上のモルタル又は漆喰
・土塗壁(厚さ20㎜以上)
・下見板(厚さ12㎜以上)※内側は土塗壁で厚さ30㎜以上
・硬質木片セメント板(厚さ12㎜以上)
・窯業系サイディング(厚さ15㎜以上) ・・・etc

これだけ見ても分かるように、現代の住宅のほとんどでは、外側を木板とするのは難しいですよね。

これは、準耐火構造の外壁でも同様に難しいです。

まとめ

結論から言うと、外壁に木板を使用可能な大臣認定品を使用するのが一番無難だと考えます。

木板を使用したいと考えている(又は建主から相談されている場合)は、大臣認定品を使用しましょう。

現代は、耐火構造の木造も可能になっているくらい、木造の防火性能が向上しているので、性能は問題ないでしょう。

なお、今回の最終判断は、各特定行政庁になりますので、そこだけは注意しましょう。笑

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など