上記について理解を深めたい方のための記事です。
なお、イー1準耐火構造の構造方法については、平成27年2月23日国土交通省告示第255号「建築基準法第27条第1項に規定する特殊建築物の主要構造部の構造方法等を定める件」において規定されてます。
>>詳しくはこちらの記事をご覧ください。
それでは、1時間準耐火構造における避難上有効なバルコニーについて解説します。
イ準耐火構造(告示)の解説
そもそも、このイ準耐火構造に係る告示の構成ですが、簡単に要約すると次のとおりです。
- 第1:特殊建築物の主要構造部の構造方法
- 第2:特殊建築物の延焼する恐れがある外壁の開口部に設ける防火設備の構造方法
- 第3:施行令第110条の2第二号による他の外壁の開口部から通常の火災時における火災が到達する恐れがあるもの
第1第1項第一号
▶︎法第27条第1項第二号の建築物は準耐火構造(45分)又はロ準耐火構造
第1第1項第二号
▶︎3階建て(3階部分が共同住宅等)は1時間準耐火基準とし、避難上有効なバルコニーの設置や敷地内通路(3m)を確保 この二号に更にイとロ号が規定されています。
>>第二号については、次項の解説をご覧ください。
第1第1項第三号
▶︎3階建て(3階部分が学校等)は1時間準耐火基準として、避難上有効なバルコニーの設置や敷地内通路(3m)を確保
※敷地内通路(3m)については、ただし書きが適用不可
告示第1第1項第二号イ
告示第1第1項第二号イですが、「避難上有効なバルコニー」という文言が出てきます。
(H27国交告第255号 第1第1項第2号イ)
下宿の各宿泊室、共同住宅の各住戸又は寄宿舎の各寝室(以下「各宿泊室等」という。)に避難上有効なバルコニーその他これに類するものが設けられていること。ただし、各宿泊室等から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の直接外気に開放されたものであり、かつ、各宿泊室等の当該通路に面する開口部に法第2条9号の二ロに規定する防火設備が設けられている場合においては、この限りではない。
各宿泊室等には、避難上有効なバルコニーを設置しなければならない規定となっています。
ただし、例外があり、各宿泊室等からの避難経路が直接外気に開放されており、かつ避難経路との宿泊室等との開口部は防火設備により区画されている場合には、避難上有効なバルコニー等を設ける必要がないです。
告示第1第1項第二号ロ
告示第1第1項第二号ロですが、「避難上有効なバルコニー」という文言が出てきます。
(H27国交告第255号 第1第1項第二号ロ)
建築物の周囲(開口部(居室に設けられたものに限る。)がある外壁に面する部分に限り、道に接する部分を除く。)に幅員が3m以上の通路(敷地の接する道まで達するものに限る。)が設けられていること。ただし、次に掲げる基準に適合しているものについては、この限りではない。⑴各宿泊室等に避難上有効なバルコニーその他これに類するものが設けられていること。
⑵各宿泊室等から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路が、直接外気に開放されたものであり、かつ、各宿泊室等の当該通路に面する開口部に法第2条第九号の二ロに規定する防火設備が設けられていること。
⑶令第129条の2の3第1項第一号ハ⑵に掲げる基準に適合していること。
建築物の周囲に幅員3m以上の通路を設けなければならないとする規定となっています。
ただし、例外があり、⑴から⑶に適合すれば、この基準を満たす必要はないとされています。
その中で、『避難上有効なバルコニー』という文言が出て参ります。
本記事のまとめ
H27国交告255における避難上有効なバルコニーについては、第1第1項第二号に規定されています。
避難上有効なバルコニーの構造方法については、法律において規定されていないため、詳細は、防火避難の規定の解説を読むか主要都市で公表している例を参考するしかありません。実務上は、特定行政庁に取り扱いを確認した上で、詳細設計を行うようになります。
基本的には、防火避難規定の解説で良いとは思います。設計者の方で持っていない方は是非購入するようにしてください。
なお、避難上有効なバルコニーについては、令第114条第2項に関する告示(H26国交告第644号)にも記載されておりますので、次回、記事にしてみたいと思います。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。