市街地再開発促進区域とは何か[都市計画法の解説]

こんにちは!!建築士のやまけんです。

今回は、促進区域のうち「市街地再開発促進区域」の解説です。

昨日の「高度利用地区」と同様に馴染みがないかもしれませんが、知っていて損はないですし、宅建士の試験に出るかも?なので、お時間がある方は是非ご覧ください。

なお、「高度利用地区」に知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▶︎高度利用地区とは?建築基準法との関係[都市計画法の解説](ブログ内リンク)

「促進区域」の定義とは

市街地再開発促進区域は、用途地域や高度利用地区などに分類される「地域地区」ではなく、都市計画法第10条の2の「促進区域」の分類となっています。

都市計画法では、次の4つの区域について”都市計画”で定めることが可能になっています。

法第10条の2 種類 根拠法
第1項第一号 市街地再開発促進区域 都市再開発法第7条第1項
第1項第二号 土地区画整理事業促進区域 大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する特別措置法第5条第1項
第1項第三号 住宅街区整備促進区域 大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する特別措置法第24条第1項
第1項第四号 拠点業務市街地整備土地区画整理促進区域 地方拠点都市地域の整備及び住宅地の供給の促進に関する法律第19条第1項

今回解説するのは、第一号の「市街地再開発促進区域」になります。
(Urban redevelopment promotion areas provided for in paragraph (1), Article 7 of the Urban Renewal Act;)

では、都市再開発法における定義を確認してみましょう

都市再開発法における定義

(市街地再開発促進区域に関する都市計画)
第7条 次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域で、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められるものについては、都市計画に市街地再開発促進区域を定めることができる。
一 第3条各号に掲げる条件
二 当該土地の区域が第3条の2第二号イ又はロに該当しないこと。

法律だけですと非常にわかりにくいですよね・・・”計画的”がポイントなんでしょうけどねー
なお、第3条各号とは、第一種市街地再開発事業で、第3条の2第二号は第二種市街地再開発事業の要件です。

そこで「都市計画運用指針」を読んで見ると分かりやすく記述されています。

[都市計画運用指針 1.市街地再開発促進区域]
市街地再開発促進区域は、市街地再開発事業の施行区域の条件に該当する土地の区域で、民間の再開発への機運が盛り上ってはいるが直ちに事業に着手するには至らない地域について、再開発に対する助成・指導及び建築行為等の規制を行いおおむね5 年以内に第一種市街地再開発事業、開発行為、都市計画適合建築物の建設等に着手することを期待することにより、区域内における再開発を促進することを目的としている。

この内容ですと、なんとなく分かりますよね。

ポイントしては、概ね5年以内に事業着手されることを期待して区域を定めるものということです。
そして、第一種市街地市街地再開発事業、開発行為、都市計画に適合した建築物の建築を期待して定めるものということです。

なお、第二種市街地再開発事業は期待されていません。笑
これについては、法令により除外されています。

また、市街地再開発事業は国等からの財政支援を受けることができるので、助成等によって市街地の環境改善を図ろうとすることが読み取れます。

促進区域の都市計画決定者は?

「促進区域」の都市計画決定は、都市計画法第15条の規定により「市町村」となります。

なお、促進区域と合わせて都市計画決定される市街地再開発事業については、施行区域の面積が3haを超える場合には、都道府県が都市計画決定になります。

都市計画で定める内容は?

都市計画法で定める内容と都市再開発法で規定されるものがあります。

・都市計画法で規定されるもの
①促進区域の種類、②名称、③位置、④区域、⑤区域の面積
・都市再開発法で規定されるもの
①公共施設の配置、②公共施設の規模、③単位整備区

単位整備区については、「都市計画運用指針」において次のように規定されています。
参考までに重要なポイントを下線で引いておきます。

要は、再開発を行う造成の最小範囲を区画したものです。区域内に単位整備区が複数ある場合もありますし、複数ある場合もあるということです。

[都市計画運用指針 単位整備区]
1) 再開発法第7条第2項の単位整備区は、都市計画上当該地区にふさわしい容積、建築面積、高さ、配列及び用途構成を備えた土地の高度利用に資する形態の建築物の建築し得る位置及び形状を備えているとともに、当該建築物を主として土地 所有者等の創意工夫により自主的に建築することができる大きさの区域とすることが望ましい。
2) 単位整備区の位置及び配列は、適正な配置及び規模の道路、公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるよう定めることが望ましい。
3) 単位整備区内の建築敷地の造成と併せて一体として造成すべき公共施設の用に供する土地も区域に含めることが望ましい。
4) 単位整備区内にある公共施設の敷地の割合が、容積率、当該公共施設の機能等を勘案して、各単位整備区の間に著しい不均衡が生じないように定めることが望 ましい。

促進区域における5年ルールとは?

5年ルールとは、簡単に言うと、促進区域の指定(都市計画法第20条第1項)後、5年以内に事業化がなされていない場合は、所有権又は借地権を有する者に代わって市町村が第一種市街地再開発事業を施行するというものです。

[都市再開発法第7条の2第2項]
市町村は、市街地再開発促進区域に関する都市計画に係る都市計画法第20条第1項の告示の日から起算して5年以内に、当該市街地再開発促進区域内の宅地について同法第29条第1項の許可がされておらず、又は第7条の9第1項、第11条第1項若しくは第2項若しくは第50条の2第1項の規定による認可に係る第一種市街地再開発事業の施行地区若しくは第129条の3の規定による認定を受けた第129条の2第一項の再開発事業の同条第5項第一号の再開発事業区域に含まれていない単位整備区については、施行の障害となる事由がない限り、第一種市街地再開発事業を施行するものとする。

 

(建築の制限)
促進区域が指定されると、第一種市街地再開発事業に関する都市計画係る都市決定の告示又は事業計画認可された区域を除き、都市再生開発法第7条の4の規定により小規模建築物が制限され、都道府県知事(市の場合は市長)の許可を受けなければなりません。

全国の指定状況

平成29年3月31日現在で、全国53都市、75.9haが指定されています。
※都市計画現況調査(国土交通省)

都市計画に必要な図書は?

普通に生活している限り、間違いなく使うことはないでしょう・・・笑
行政の方以外作成しないと思いますが・・・都市計画の図書は次のように決まっています。
なお、今回は、市街地再開発促進区域の図書についてです。

法律は、都市計画法第14条と都市計画法施行規則第9条に規定されています。

図書の種類 記載する内容 縮尺
総括図 促進区域の概ねの区域 1/25,000以上(地形図)
計画図 促進区域の区域 1/2,500以上
(平面図)
計画書 促進区域の種類、名称、位置、区域、区域の面積、公共施設の配置、公共施設の規模、単位整備区、都市計画変更の理由

おわりに

今回は、市街地再開発促進区域という、ほぼマニアしか知らないような都市計画を記事にしてみました。

多分、この記事を読んで、そうなんだーって終わるだけかもしれませんが、こういった制度があるおかげで市街地再開発が促進されて、市街地の環境改善が図られ、街区が整い綺麗な街並みになったり、便利な商業施設が出来たりと、普段の私たちの生活に関係してくる部分でもあります。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました(^^)