特定用途制限地域とは?[非線引き地域における都市計画法の手法]

こんにちは。建築士のやまけんです^^

今回は、宅建士試験向けの解説を含めて、「特定用途制限地域」について解説していきます。

「特定用途制限地域」は都市計画法で定める地域地区の一つになっているんですが、地域地区には他にも、特別用途地区や特例容積率制限地域、特定用途誘導地区、特定街区など、非常に「特」の字が多いんですよね。笑

特例だらけて、それぞれの違いが「よくわからない!!」というのが勉強していて感じるのではないでしょうか。

ズバリ、そのときは、都市計画が目指すべき理由(本質)を知ることで解決することができます。

それでは、今回は、特定用途制限地域の解説をしていきます。

都市計画法における定義

都市計画法第9条第15項に「特定用途制限地域」が定められています。

地域地区の中で「特」の文字が付き、”地区”ではなく”地域”としているのは、この地域地区のみです。
地域としてるのは、地区よりも広いエリアを指しているからだと考えられます。

[都市計画法第9条第15項]
特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。

Special use restriction districts — located in districts containing land without a use designation (excluding urbanization control areas) — are districts designated to outline theuse of special buildings etc. that require restriction to ensure that reasonable land use in line with the characteristics of said district is implemented in order to develop ormaintain a favorable environment

この特定用途制限地域は、非線引き都市計画区域内(用途地域が定められていない区域を除く:白地のところ)または都市計画区域外において、ある特定の建築物等の用途の立地を制限することが可能です。

線引きについて知りたい方は次の記事をご覧ください。

関連記事
▶︎線引きって何?(都市計画法の解説)

では、何故、白地(市街化調整区域を除く)のところに立地制限をする必要があるのか。

白地(市街化調整区域を除く)の立地制限(建築基準法の規定)

この白地地域の立地制限は、特定の法律に基づく制限を行わない限りは、建築基準法で規定する法規制のみが有効に働きます。

建築基準法以外では農用地などの制限がありますが、今回は説明を省略します。
建築基準法では、床面積が1万㎡を超える大規模集客施設のみ立地が制限されています。

つまり、大規模集客施設以外はどの用途・規模でも立地可能となっています。

[建築基準法別表第2 用途地域等内の建築物の制限(第27条、第48条、第68条の3関係)

(か)
用途地域の指定のない区域(都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域を除く。)内に建築してはならない建築物
劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場、ナイトクラブその他これに類する用途で政令で定めるもの又は店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類する用途で政令で定めるものに供する建築物でその用途に供する部分(劇場、映画館、演芸場又は観覧場の用途に供する部分にあつては、客席の部分に限る。)の床面積の合計が1万㎡を超えるもの

この表のとおりですので、床面積が1万㎡以下であっても、立地によって都市環境を悪化させる要因となる施設の立地は十分に可能性があるため、この特定用途制限地域により詳細な用途制限を定めることで都市をコントロールするものです。

特に、この地域を定めることができる非線引き都市や都市計画区域外は、人口規模も小さいところが多いですので、コントロールしておかないと、都市の都市構造を根本から変えてしまったり、他の都市に商業圏で影響を与える可能性があるので、留意する必要があります。

「都市計画運用指針」にも趣旨が記載されているのでご覧ください。※下線の部分が重要ですね。

[都市計画運用指針 3.特定用途制限地域]
特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。) 内において、その良好な環境の形成等を行うために、例えば、建築基準法第48条第13項による立地制限が適用されない床面積が1万m²以下の建築物であっても多数人が集中することにより周辺の公共施設に大きな負荷を発生させるものや、騒音、振動、煤煙等の発生により周辺の良好な居住環境に支障を生じさせる、あるいは良好な居住環境にそぐわないおそれのある建築物などの建築を制限する必要がある場合に定めることが考えられる。

都市計画を決定することができる者は?・何を定めるの?

都市計画を定めることができる者は、都市計画法第15条の規定により「市町村」になります。

都市計画には、「制限すべき特定の建築物等の用途の概要」を定めます。

また、都市計画を定めたのみでは、実効性がなく建築基準法に基づく条例化が必要になります。

建築基準法に基づく条例化とは?

建築基準法第49条の2を確認すると次のように書かれています。

[建築基準法第49条の2]
特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、当該特定用途制限地域に関する都市計画に即し、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で定める。

政令で定める基準とは、「都市計画に定められた用途の概要に即し、当該地域の良好な環境の形成又は保持に貢献する合理的な制限であることが明らかなもの」のほか、指定により既存不適格となる建築物への緩和規定、並びに公益上必要な建築物の特例許可規定を設けなさいとするものです。

よって、都市計画で制限を定めたのみでは法的な実効性を担保することはできなく、担保させるためには建築基準法による条例化が必要であることがわかります。

なお、条例化については特別用途地区も同様の規定となっています。

関連記事
▶︎特別用途地区とは何か?〔都市計画法と建築基準法の関係:宅建士試験向け〕

全国の指定状況は?

平成29年3月31日現在で、全国73都市、321,403haが指定されています。
※平成29年都市計画現況調査(国土交通省)

あるエリアを指定するというよりは、ある市の白地地域全てに物販店舗などの立地を制限するなどの制限をかけたりしているので、広範囲にわたって指定されているんだろうなと考えられるところです。

宅建士試験程度では、用途の意義を理解すれば十分だとは思いますが、自分が住んでいる地域にも指定されているかどうか知りたい方はこちらのページ(国交省ホームページ)をご覧になってください。▶︎http://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/genkyou.html(外部リンク)

 

終わりに

簡単ではありますが、今回は、特定用途制限地域について解説しました。

繰り返しになりますが、ポイントとしては次の通りです。

①白地地域(市街化調整区域を除く)に定める制限であること(緩和規定ではない!!)
②実効性を担保させるには建築基準法による条例化が必要であること

それでは、最後までご覧頂きありがとうございました。

宅建士試験の参考になれば幸いです。