都市計画道路内では「長期優良住宅」の認定を受けることができない理由

長期優良住宅の認定を受けようと考えていたのに、住宅が都市計画道路内に入っていたため「認定を受けることができない」ケースがあります。

お節介ながら、長期優良住宅の認定を受けようと考えている方は、この記事を読んで、事前に認定が受けられる土地なのかどうかチェックしておくことをおすすめします。

こんにちは!建築士のやまけんです^ ^

はじめに

長期優良住宅は、所管行政庁(建築主事を置く市町村など)から、「長期優良住宅建築等計画」の認定を受けることで、税の特例措置(住宅ローン減税など)の適用が受けられるもので、平成20年に制定された比較的新しい法律です。

長期にわたり良好な状態で使用可能な建築物を普及させることで環境負荷の低減等を目的としています。

詳しくは、国土交通省のホームページに掲載されていますので、こちらをご覧ください。
▶︎https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html

都市計画道路内だと認定を受けることができない理由

では、はじめに、長期優良住宅の認定基準を確認します。

認定基準は、長期優良住宅法第6条第1項に規定されており、そのうち第三号がポイントになります。

[長期優良住宅法の抜粋]
(認定基準等)
第6条 所管行政庁は、前条第1項から第3項までの規定による認定の申請があった場合において、当該申請に係る長期優良住宅建築等計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。
一〜二 (略)
三 建築をしようとする住宅が良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。
四〜六 (略)

この第三号には、「建築をしようとする住宅が良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。」だけ記載されており、その配慮等に関する事項については、法律に規定されていません。

では、どこに記載されているかというと、基本方針になります。

基本方針とは、長期優良住宅法第4条第1項に規定されており、「長期優良住宅の普及の促進に関する基本的な方針」を定めているものです。

それで、認定基準に関する事項は、第2項の第三号に規定されています。

[長期優良住宅法第4条第1項・第2項]
第4条 
国土交通大臣は、長期優良住宅の普及の促進に関する基本的な方針を定めなければならない。

2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 長期優良住宅の普及の促進の意義に関する事項
二 長期優良住宅の普及の促進のための施策に関する基本的事項
三 次条第一項に規定する長期優良住宅建築等計画の第6条第一項の認定に関する基本的事項
四 前三号に掲げるもののほか、長期優良住宅の普及の促進に関する重要事項

この第4条第2項第三号の規定により、基本方針の三号を見ればいいということです。

ここまででも長いと思いますが・・・もう少しの辛抱です。。笑
(建主さんですと法律を読むのも疲れると思います・・・すみません。)

第三号第4に次のように規定されています。

平成21国交告208

[良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上への配慮に係る事項]
 法第6条第1項第三号の「良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること」については、長期優良住宅が将来にわたってまちなみ等の一部を形成することを踏まえ、地域のまちなみ等との調和が図られているかどうかの観点から判断される。
このため、認定を受けて建築をしようとする長期優良住宅が、例えば都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第9項に規定する地区計画等、景観法(平成16年法律第110号)第8条第1項に規定する景観計画、建築基準法(昭和25年法律第201号)第69条に規定する 建築協定、景観法第81条第1項に規定する景観協定、条例による良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に関する制限の内容に適合していない場合、都市計画法第4条第6項に規定する都市計画施設の区域内その他の住宅の建築制限のある区域内にある場合には、認定は行わないことを基本とする。こうした認定に関する事務において地域における居住環境の維持及び向上に関し、関係部局間で十分な連絡調整が図られることにより、地域における居住環境の維持及び向上に配慮された長期優良住宅の普及が促進される。

ここでやっと、「都市計画施設」という文言が出てきます。
都市計画道路は都市計画施設ですので、住宅が都市計画道路の区域内である場合は、認定はできないということなります。

(何故か?)
理由は、都市計画道路上の建築物は、都市計画道路の整備により、いずれは解体・移転されることが想定されるため、長期にわたり存続させることができないためです。

補足:長期未着手の都市計画道路をめぐる課題

 

予算の関係から、計画決定から何十年にもわたり未着手の都市計画道路は全国に数多くありますが、長期未着手であっても、いずれ整備される可能性があることから、長期優良住宅の認定を受けることができません。

また、都市計画道路の見直しにより廃止予定とされた路線であっても、都市施設内であることから廃止の都市計画決定・告示がなされるまでは原則として、認定を受けることができない規定になっています。

長期優良住宅に趣旨からすると、都市計画道路内は認定を受けることができないには当然であるものの、

例えば30や50年以上にもわたり未着手である路線についても同様に認定を受けることができないとする規定については、少々柔軟性に欠いているような気もします。

少し論点がずれてしまいますが、今後、人口減少がますます加速しますし、シェアリングエコノミーの観点から、自動車保有台数も減少していくことも想定されるので、これまで以上に必要な都市計画道路というのは少なくなっていくような気がします。

当然、将来交通量のみで道路の必要性を語るのではなくて、地域として必要な道路については、整備するべきだとは思いますが、

もう少しスピード重視で路線の見直しを進めていけるようにして行った方がいいように感じるところです。

その上で、例えば、廃止予定として方針を定めた都市計画道路内の住宅の場合には、認定をすることができるなどの柔軟な解釈もありかなと思うところです。

終わりに

それでは、今回は、長期優良住宅の認定基準のうち、都市施設について解説しました。

ちなみ、長期優良住宅は、平成30年3月現在で90万戸の認定を受けているようで、近年では毎年10万戸が認定を受けているので、おそらく都市計画道路が要因で認定を受けれないケースも少なからずあるかなと思っています。

道路整備が進められているところはいいですが、半世紀も長期未着手のところは・・・ですね。
長期優良住宅の政策は今後も進められると思いますので、今後は、人口減少にあわせて住宅部局と都市部局の連携が必要になってくるかもしれないですね。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。