旧都市計画法・旧市街地建築物法が制定されてから100年が経過して思うこと。

こんにちは。建築士のやまけんです。
今回は、現在の都市計画法・建築基準法の前身である旧都市計画法・旧市街地建築物法が制定されて100年目となることを記念して、勝手な思いを書いています。
(法律の技術的な部分を記述しているわけではないですのでご注意を・・・)

旧都市計画法並びに旧市街地建築物法は大正8年に制定された法律です。

1919年ですから、幕末から約50年経過してつくられた法律です。
江戸時代に建築された住宅が多く残っている時代でしょうから、当時の人からすれば「‥え、なにそれ?」って思ったと思います。

旧都市計画法の目的を読むと、当時の時代背景がよく分かります。

本法ニ於テ都市計画ト称スルハ交通、衛生、保安、防空、経済等ニ関シ永久ニ公共ノ安寧ヲ維持シ又ハ福利ヲ増進スル為ノ重要施設ノ計画ニシテ市若ハ主務大臣ノ指定スル町村ノ区域内ニ於テ又ハ其ノ区域外ニ亙リ施行スヘキモノヲ謂フ

本法において都市計画と称するものは、交通、衛生、保安、防空、経済等に関して永久に公共の安定を維持し、または福祉を増進するための重要な施設の計画について、市もしくは主務大臣の指定する市町村の区域内において、またはその区域外にわたり施行すべきものをいう。

注目すべきポイントは、初めに”交通”が書かれていることです。

その次に、衛生、保安、防空、経済と続きます。
これは、わたしの想定ですが、当時は、増え続ける人口に対応するため、都市間・都市内交通、公衆衛生環境の改善が急務だったのだろうと思われます。

「防空」という言葉が入っているのも当時の時代背景を感じますね。(1940年に追加されています)

ちなみ、現代の都市計画法(昭和43年法律第100号)の目的は次のように規定されています。

[都市計画法第一条]
この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

現代は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的にしており、旧都市計画法との都市づくりの違いは明確ですよね。

では、次に旧市街地建築物法です。旧市街地建築物法は現代の建築基準法の前身ですね。
基本的に単体規定というものがなく、旧都市計画法に従属する集団規定についてのみ、なおかつ、大都市のみに適用されているものでした。

現在の建築基準法は昭和25年に制定されていますが、これにより、建築物単体の構造等の基準を定める単体規定が設けられ、全国一律に適用されるようになりました。
単体規定が定められるようになったのは、戦後の劣悪が建築物を建築させないことが目的の一つであったように思われます。

簡単な歴史としては、このような感じです。
都市計画法の歴史でググればもっと詳しい歴史が出てくると思いますので、興味がある方はどうぞ。

100年経過して今後の都市計画はどうなるのか

昭和45年に新都市計画法が制定されてから約50年が経過しようとしており、高度経済成長に合わせて多くの道路や鉄道、下水道、河川、水道などの都市施設が整備されたことで、良好な都市環境が確保されてきたものと考えられます。

日本では、公衆衛生面が悪いとか、東南アジアにあるようなひどい交通渋滞とかないですよね。
これは、都市計画のおかげです。「感謝しましょう」まぁ、税金払っているんだから当然といえば当然ですけどね。

まぁ、一部の都市施設(高速道路など)の整備を残して、ほぼほぼ成熟したと言っていいと思います。

とはいえ、成熟期に入る前の段階から、今度は、予想よりも人口減少が進んでいることに注目すべきです。
人口が減るということは、不要となる都市施設が発生してくるということです。
つまり、今後は、整備・更新・維持などをバランスよく行って都市環境を充実していかなければなりません。

当然、撤退する地域だって出てくるでしょうし、新たに整備する地域だってあるはずです。

国では、そういった社会情勢の変化に対応して、持続可能な都市運営を図っていくため、コンパクトシティの形成を進めており、都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画制度を推進しているところです。

この立地適正化計画は、市街地部に視点を置いた新たな都市計画といっていいほどの計画です。
第二の都市計画法に近いような気がします。

今後数十年間は、都市計画法という母体は維持しながら、都市再生を進めていくことになると思われます。

それに合わせて、建築基準法も変化していくと思いますよ。
具体的にどうなったいくかは私にも想像できませんけどね。笑

ということで、本日、私が伝えたかったことはこれで以上です。

あまり興味の無い方には苦痛な文書だったかもしれませんが、最後までご覧いただきありがとうございました。これから更に100年先はどのような都市になっているのか楽しみですよね。
今、見えている方の大半は見えれないかもしれませんが、子供や孫にその未来を託しましょう。