タイトル写真にある雑誌※1を読んで、改めてホテル・旅館の可能性を考えるキッカケとなったので、わたしの独断と偏見のもと、地方都市における「ホテル・旅館」の可能性について記事にしました。
「おいおい、・・・独断と偏見かよ」って思った方、とりあえず読んでみて^ ^
※1商店建築(2019年7月発行)発行:(株)商店建築社
こんにちは!!建築士のやまけん(@yama_architect)です。
この記事では、個人の見解をもとに「ホテル・旅館」の可能性を探ってみました。
○ホテル・旅館の可能性
目次
ホテル・旅館は何故、今求められているのか
数字して示さなくても、多くの方はお分かりでしょう。
民泊が解放された = ホテル・旅館だけでは将来の観光需要をカバーできない可能性があると言うこと。
国では、2020年における訪日外国人旅行者を4,000万人にしようとしていることからも当然ですよね。
都内や近畿圏ではホテルや旅館の新規開業が進んでいます。
その一方で、地域によって偏りが出ていることも事実です。
当然、需要がある地域のホテルや旅館が賑わうのは間違いありませんから、その需要に沿って、ホテルや旅館の立地が進むはずです。
ですが、地方都市は違うんですよ。大きな観光需要があるところはいいですが、それ以外は、昭和の時代から変化していない地域が多いはずですよ。
そして、そういったホテルや旅館は、観光するための手段になっている可能性があるんですよ。
それって、違うと思うんですよ。
要は、観光するための目的でないといけないんです。
何故だか分かりますか?!
仮に、ホテルや旅館がある地域の魅力が低下した場合、手段となっている場合には宿泊客は減っていきます。これは容易に想像することができると思います。しかしながら、ホテルや旅館が目的となっている場合には、地域の魅力が低下しても、そこのホテルに行きたいと考えていれば、人は行くんですよね。
一方で、そのホテルや旅館が観光の手段となっている場合には、簡単に切り捨てることができます。
手段って、他に良いものがあれば簡単に移るんですよねー笑
ここまで読むと頭が疲れますでしょ。ということで更に頭を使います。
目的となるホテル・旅館とは何か
目的とならないのは、単純に「泊まれる」機能しかないところです。
では、目的となるホテルや旅館は何か?ですが、
それは、そこのホテルや旅館でしか体験できない”コト”があることです。
例えば、笑顔が素敵な人がいる、素敵な人が美味しい朝ごはんを提供してくれるなどゞ・・・つまり、素敵なサービスをしてくれる人がいるということです。
そうすると、また来ようかなって思うんですよ。
みなさんもこれまでの経験の中で、「この人に会いたいから、また来たいなー」って思ったことがありませんか? ほとんどの人はあるとあるはずですよ。
だって、ディズニーランドに何度もリピートするでしょ。
あれは、あそこでしか味わえない体験があるからですよ。
それは、すべて人がつくっています。
ディズニーランドで働いている人が楽しくなさそうに仕事してたら、また行きたいと思う気持ちが減少するでしょ。
ディズニーは圧倒的に他の追随を許さないサービスを提供してくれる。だからこそリピーターが多いんです。
サービスに規模の大小は関係ないですから、別に規模が小さいホテルや旅館でも可能です。
ホテル・旅館の建築が可能な用途地域
ここで小休止です。ホテルや旅館が建築可能な都市計画法で定める用途地域を確認しましょう。
結論から言うと次の用途地域でホテルや旅館を建築することが可能です。
建築物の用途 | 建築可能な用途地域 |
---|---|
ホテル・旅館 | 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域 |
その他、都市計画法に基づく地区計画によっては、建築できない場合もある。
地方では、リピーターになってもらえるかどうかで持続可能か決まる。
うちは良いサービスを提供しているのに、リピーター客が増えない・・・そんな悩みが多いですよね。
○第三者に客観的にチェックしてもらった方いい。
▶️原因は必ずサービスの提供側にある。
○適切に情報発信をしていますか?
▶️20年も前からサイト構成を変えていないとかありえないですね。そのうちGoogleに嫌われますよ。
○SNSを活用していますか?
▶️これによって、リピーターとなってくれそうなお客様に情報が届く可能性があります。
▶️最初からリピーターになる可能性がある人を集めることが大切です。要は、インフルエンサーになれば最強です。あなたのファンがPRしてくれます。
これら3つは、大都市ではほとんど該当しません。
なぜなら、圧倒的に立地メリットが高いからです。要は需要>供給 となっているからです。
※大都市は稼働率が高い状態が続いている状況
地方では、大都市の需要が適用されないので、まちの魅力(温泉観光地であれば温泉という魅力、歴史的な街並みなど)と個々のホテル・旅館の魅力で相対的な観光客数を増やすしかないのです。
ですから、自分のホテルや旅館が勝ち残り持続可能になるためには、リピーター客を増やす事に集中するしかないので、SNSを活用するのは絶対です。
地方では、ホテル・旅館が都市の魅力をつくる
「需要があるかどうか分からないからやらない」
そりゃそうですよね。そう考えた場合には、旅館業はやらない方がいい。
需要はつくるものです。
iPhoneは最初から需要があると思ってつくったと思いますか。
当時はみんなが疑ってましたよね。
ですから、需要はつくってしまえば、あとは独占するだけです・・・笑
では、都市の魅力についてです。
旅行者って平日の昼間はどこで活動します?
そう、滞在先の都市で活動するんですよ。
平日の日中を想像してみてください。
宿泊客数が増えると、ほぼ間違いなくまちが賑わいます。
なぜなら、宿泊者をターゲットにした産業(商店など)が活性化していくからです。
そうすると、自然と地域内の経済活動が循環して、都市が発展(魅力をつくる)するんですよ。
机上論だと言われればそうかもしれません。ですが、行動してみたら変わることが多くあるはずだと考えています。わたしは、近い将来、ホテルや旅館に投資したいと考えています。笑
最後に・参考書籍
本日の記事を書くことになったきっかけの書籍です。
商店建築の2019年7月号ですよ。
それでは、最後までわたしの話を聞いていただきありがとうございました!!