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第二種中高層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)

今回は、第二種中高層住居専用地域内の用途制限についての解説です。
住居系用途地域としては、第一種低層住居専用地域→第二種低層住居専用地域→田園住居地域→第一種中高層住居専用地域に次いで制限が厳しい地域となっています。

こんにちは!!建築士のやまけんと申します。

第二種中高層住居専用地域内の用途制限については、”建築してはならない建築物”が列挙されており、列挙されている以外の用途に供する建築物を建築することが可能です。

なお、建築基準法第48条において、”建築してはならない建築物”に列挙されている用途でも、特定行政庁による例外許可規定が設けられており、特定行政庁による裁量のもと建築することが可能です。ただし、よほどの理由が無い限り、例外許可はありえませんからご注意ください。

ではでは、「第二種中高層住居専用地域」において何が建築できるのか、分かるように書いていきます(自己満足だったらごめんなさい。笑)




第二種中高層住居専用地域とは

都市計画法第9条第4項において、次のように規定されています。

主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域

中高層住宅なので、10m(3階超え)超えの住宅並びに中規模飲食店や店舗の立地を図りながら、住宅系用途を中心に良好な住宅街区を形成していく地域です。

なお、第一種中高層住居専用地域と制限される用途が類似していると思いがちですが、違います。
第二種中高層住居専用地域からは住居系用途地域といいながら、中規模商業混在地域であるからです。
詳しくは、次項をご覧ください。

また、第二種中高層住居専用地域は、”建築してはならない建築物”が規定されており、第一種中高層住居専用地域での”建築することができる建築物”とは異なります。
なお、具体的な制限については、建築基準法第48条第4項に規定されています。

第二種中高層住居専用地域内の建築物の制限

建築物の用途制限については、建築基準法第48条第4項ー法別表第2(に)項に規定されています。
繰り返しですが、法律では、”建築してはならない建築物”として整理されています。

[第二種中高層住居専用地域内で建築してはならない建築物
 
*出典:国土交通省

以下は、建築してはならない建築物を列挙しています。

①(ほ)項第二号・第三号、(へ)項第三号〜第五号、(と)項第四号・(り)項第二号・第三号

◾️(ほ)項第二号・第三号
▶️マージャン屋、パチンコ屋、射的場、カラオケボックス等

◾️(へ)項第三号〜第五号
▶️劇場、映画館、演芸場、観覧場、ナイトクラブ等
▶️自動車車庫で床面積が300㎡超え、又は3階以上が自動車車庫
▶️倉庫業を営む倉庫

◾️(と)項第四号・(り)項第二号・第三号
▶️危険物の貯蔵又は処理
▶️キャバレー、個室付浴場業等

②工場

▶️工場は建築不可
☑️ただし、パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋等の食品製造業を営むもので、作業場の床面積の合計が50㎡以下(原動機出力は0.75kw以下)の工場は建築することが可能です。

③ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場

▶️運動施設は建築不可
☑️実はボーリング場って、建築基準法的には娯楽系施設ではなく、運動施設の分類に入るんです。これをわかっている人は極少数だと思います。何故なら案件自体が少ないからです。笑

④ホテル・旅館

▶️旅館業法が適用される宿泊施設は原則として建築不可

⑤自動車教習所

▶️教習所はダメらしい。
おそらく、多くの自動車が行き交うことになるため環境悪化する恐れがあるから(たぶんです。笑)
ですので、ドローン教習所はOKです

⑥畜舎(床面積が15㎡を超えるもの)

▶️昭和の頃は市街地にも馬や鶏などの畜舎が多く残っており、良好な住宅地と分離する必要があったため、第二種中高層住居専用地域までは建築できないようにしたものと考えられます

⑦3階以上の部分を(は)項に掲げる建築物以外の用途に供するもの

▶️第一種中高層住居専用地域内で建築できない用途に供するものは、3階以上に設けてはならないとするものです。第一種中高層住居専用地域内の用途制限については次の関連記事をご覧ください。

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☑️第一種中高層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)

⑧(は)項に掲げる建築物以外の用途が1,500㎡を超えるもの

▶️第一種中高層住居専用地域内で建築できない用途に供するものは、その用途に供する部分の床面積合計が1,500㎡超えとしてはならない。第一種中高層住居専用地域内の用途制限については次の関連記事をご覧ください。

※よくある誤解として、店舗ですが、店舗は第一種中高層住居専用地域内に建築することができるため、第二種中高層住居専用地域では床面積制限がないのでは?と思ってしまうことがあります。
しかしながら、法律上は、「(は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途に供するもの」とあり、つまり、店舗であれば、床面積が500㎡を超えれば、この”(は)項に掲げる建築物以外の建築物の用途”に該当します。よって、1,500㎡を超える店舗は建築不可となります。

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☑️第一種中高層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)

 

補足

ちなみに、第二種中高層住居専用地域から「事務所」を単独で建築することが可能(2階以下、床面積1,500㎡以下)となります。
何度も繰り返しとなりますが、あくまでも”建築してはならない建築物”なので、別表第(に)に掲げられている建築物以外は建築することが可能です。

ご覧いただきましてありがとうございます。皆さまの参考になれば幸いです。
それでは、また〜
*用途地域を解説すると端的になりがちなので、やめようかな・・・






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者(建築主事)、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。