保安上危険な建築物とは(建築基準法第10条の解説)

今回の記事
この記事では、建築基準法第10条(保安上危険な建築物等に対する措置)を簡単に分かりやすくまとめた記事です。

こんにちは!!やまけんです。

それでは説明していきます。




建築基準法第9条の体系

保安上危険な建築物等に対する措置が規定されている建築基準法第10条は第4項まで定められております。

第1項では、保安上危険な建築物等に対する勧告することができる旨、第2項では、勧告した者に対して措置を取らなかった者に対する措置命令、第3項では、著しく保安上危険・衛生上有害であると認める場合における除却等の命令、第4項では、第9条の準用が定められています。

法第9条 内容 誰に対して 命令等
第1項 [勧告することができる建築物(既存不適格建築物)]
・建築基準法第6条第1項第一号
・階数が5以上で延べ面積が1,000㎡を超える建築物[どのような場合に勧告できるか]
損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、または著しく衛生上有害となる恐れがあると特定行政庁が認める場合
所有者、管理者、占有者

勧告

(除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限等)
※相当の猶予期限を付することが必要

 

第2項 正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると特定行政庁が認める場合 第1項の勧告を受けた者

命令

(除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限等)
※相当の猶予期限を付することが必要

第3項 既存不適格建築物のうち、現に著しく保安上危険、または著しく衛生上有害であると特定行政庁が認める場合 所有者、管理者、占有者 命令

(除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限等)
※相当の猶予期限を付することが必要

第4項 第2項及び第3項の場合における第9条の準用
・法第9条第2項〜第9項、第11項〜第15項
※次回、第9条の解説記事を書くので、記事が完成したらリンクを貼る予定です。

この表でポイントなるのが、『著しく保安上危険』、『著しく衛生上有害』の定義です。
つまり、これらに該当するかどうかで勧告・命令を受けるかどうが決まります。

これについては、国土交通省から発出されている『既存不適格建築物に係る 指導・助言・勧告・是正命令制度 に関するガイドライン』に例示が記載されています。

以下に概要だけ記載しますので、更に詳細を知りたい方はガイドラインを確認してみて下さい。

著しく保安上危険とは

ガイドラインによると『著しく保安上危険』であるかどうかの判断は次のようになっています。

著しく保安上危険
  • 建築物において、劣化や自然災害等が原因で倒壊等する可能性が高い
  • 建築物が倒壊等した場合、通行人等に被害が及ぶ可能性が高い

著しく衛生上有害とは

ガイドラインによると『著しく衛生上有害』であるかどうかの判断は次のようになっています。

著しく衛生上有害
  • 建築物又は設備等の破損等が原因で、通行人等に被害が及ぶ可能性が高い

本記事のまとめ

普段あまり使用する条項ではないので、使う時は建築士を取得するための試験勉強ぐらいかも?ですが、建築士としての予備知識として知っていて損はないですよ。

ちなみに、ここまで読んだ方ならもう分かっていると思いますが、近年話題となっている空き家は一戸建ての住宅ですから、法第10条第1項の建築物に該当しないことになります。

今回の記事は以上となります。参考になれば幸いです。

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