最低限抑えておくべきハザードエリアとは?

今回の記事
・建築する際に最低限抑えておくべきハザードエリアとは?

この記事は、上記についての悩み等を解決する記事となっています。

設計側及び建築主の視点から建築する際に最低限抑えておくべきハザードエリアについて解説する記事です。

一般的にハザードエリアに関しては、災害危険区域や土砂災害特別警戒区域を抑えておけばOKみたいな建築業界の雰囲気がありますが(もしかしたら地域によってはそうではないかもしれないけど)、

実際の災害時においては、これら区域以外にも大変危険な区域がありますので、この記事を読んでいただき、建築主の生命と財産の保護等について注視する意識を持つようにしていただけると、この記事を書いた意味があります。

こんにちは!建築士のやまけんです。

それでは、簡単に説明します。




建築時に最低限抑えておくべきハザードエリア

建築基準法では、『災害危険区域』と『土砂災害特別警戒区域』が法令に記載されているように、直接関係してきます。

災害危険区域とは、その名のとおり洪水や津波、高潮等で災害が発生する恐れがあるエリアについて、住宅等の建築を制限するものです。

また、土砂災害特別警戒区域とは、数年前にあった広島での土砂災害を覚えていますか?

覚えていればですが、あのように、想定を超えるような大雨により土砂崩れが起きた際に生じる土砂の押し出す力や衝撃力、堆積高さなどを詳細な調査により予測しているもので、建築基準法施行令により、この区域内に居室を有する建築物を建築する場合には、建築躯体や門・塀に対して構造的な制限が設けられます。

では、上記以外も含めて、建築時に確認しておくべきハザードエリアについてお伝えします。

これについては、建築基準法や建築基準法に関する解説テキストなどを読んでも詳細な説明はほぼ皆無といっていいです。というのも建築士としては法律により建築基準関係規定については

建築時に必ず確認するべきハザードエリア
  • 災害危険区域
  • 土砂災害特別警戒区域

続いて、最低限確認するべきハザードエリアについてです。

最低限確認するべきハザードエリア

[土砂災害]
・土砂災害警戒区域(指定前の基礎調査が済んでいるものを含む)
・急傾斜地崩壊危険区域
・地すべり防止区域

[河川洪水]
・浸水想定区域
・都市洪水想定区域
・都市浸水想定区域
注)一番上位の浸水想定区域については、最大規模と計画規模があるので両者を確認しましょう。
注)上記の都市洪水(浸水)想定区域については、流域水害対策計画を策定している鶴見川、新川(愛知県)、寝屋川、巴川、境川(愛知県)、猿渡川のみ。

[津波]
・津波浸水想定区域
・津波災害警戒区域
・津波災害特別警戒区域
注)津波については普段馴染みがない方もいらっしゃると思いますのでこちらの関連記事も参考にしてみてください。

津波災害警戒区域(特別警戒区域)における建築の制限は?(津波防災地域づくりに関する法律)

2018-10-22

上記について、急傾斜地崩壊危険区域などは、その個別法に基づき工事着手前に建築の許可が必要となる場合があります。建築基準関係規定ではないですが、上記のハザードエリア内における建築行為についての許可の可否を最低限確認するようにしましょう。

その他、内水ハザードエリアといって、想定雨量を超える雨量があった場合に下水施設から溢水して浸水するエリアやため池ハザードエリアといって、想定雨量を超える雨量があった場合に農業用ため池が決壊して浸水するエリアなども自治体により公表されています。

今回、紹介した最低限確保しておくべきハザードエリアについては、都市計画運用指針における居住誘導区域の設定の考え方(※)において示されたハザードを紹介しているものなので、普段、建築基準法ばかり見ていると、都市計画法等の都市計画の方に視点がいきづらいですから注意しましょう。

(※)ネットワーク型コンパクトシティの形成を図り、市街地をコンパクトにしようとするもので、形成を図るために作成する立地適正化計画の中で、定める区域のうち、居住を誘導する区域のこと。

補足

本来であれば、上記のハザードエリアについては、先ほど紹介した立地適正化計画において、居住誘導区域から除外されることが望ましいのですが、含めないとすると市街地の大半以上が消失してしまうので、各自治体では、ハザードエリアの個々の状況に応じて、含めるかどうかを判断しています。

そのため、建築にあたっては、上記のハザードエリアを確認し、建築主に対してどのようなハザードの種別でどのような被害が想定されているのか説明し、その対策を取るよう助言する必要があると私は考えています。

例えば、洪水の恐れがあるエリアであれば、一階部分を高床式(ピロティ構造)などですかね。

終わりに

それでは、今回の解説記事は以上となります。

ハザードエリアに入っていたことにより浸水被害で建物が使用不能になってしまったというケースは何度も見ていますので、建築主さんが悲しい思いをしないよう、可能な範囲で減災対策を提案するのが望ましいと思われます。強制ではないですが、建築士としての使命の一つと捉えるといいのかも・・・。

なお、ハザードエリアについては、毎年のように変わります。特に土砂災害系の指定は頻繁に行われているので、建築時設計時は指定されていなくても、竣工後に指定されるケースなどは十分にあります。

それでは、また〜