こんにちは!建築士のやまけん(@yama_architect)です。
市街地開発事業=市街地再開発 と勘違いしてしまうケースもあり、不動産取引においては注意するべき項目(事業)でもあります。そうした誤解がないよう簡単に概略を説明します。
法律での定義
市街地開発事業とは、都市計画法第12条第1項各号に掲げる事業のことをいいます。なお、第2項では、都市計画において定めるべき事項(市街地開発事業の種類、名称、施行区域など)を第3項では、土地区画整理事業における公共施設(道路や公園など)の配置などをだ第4項では個別法に基づく都市計画に定めるべ事項(都市再開発法)を第5項では施行予定者などを定めることとされています。
事業名 | 根拠法 |
---|---|
土地区画整理事業 | 土地区画整理法 |
新住宅市街地開発事業 | 新住宅市街地開発法 |
工業団地造成事業 | 首都圏近郊整備法、近畿圏近郊整備法 |
市街地再開発事業 | 都市再開発法 |
新都市基盤整備事業 | 新都市基盤整備法 |
住宅街区整備事業 | 大都市法 |
防災街区整備事業 | 密集市街地整備法 |
[都市計画法第12条第1項]都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる事業を定めることができる。一 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業二 新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)による新住宅市街地開発事業三 首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和三十三年法律第九十八号)による工業団地造成事業又は近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律(昭和三十九年法律第百四十五号)による工業団地造成事業四 都市再開発法による市街地再開発事業五 新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)による新都市基盤整備事業六 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業
七 密集市街地整備法による防災街区整備事業
このうち、市街地の再開発に関係する事業としては、都市再開発法に基づく市街地再開発事業となります。また、再開発にあわせて小規模な区画整理を導入する場合には、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業となります。よって、市街地開発事業=市街地再開発ではないことが分かると思います。
不動産取引においては、これら事業の区域内であるかどうかの確認と、事業区域内である場合には、個別法に基づく制限を調査する必要があります。なお、これら事業の区域内である場合、都市計画事業の認可(告示)と言って、基本的に地権者等への十分な説明等を行なっていますので、担当部署(法律を所管している部署)へ確認し、どういった事業であるかどうか確認するようにしましょう。
まとめ
市街地開発事業については、都市計画法に基づき事業認可はするものの、その他の事業に関する手続きや施工については、その個別法に基づき行われることになりますので注意が必要となります。
ということで、今回の記事は以上となります。参考になれば幸いです。