昨日、国土交通省が記者発表した内容によると、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を鑑み、対面による説明が困難化している実情等があることから、
と発表がありました。
なお、今回の措置は暫定的ということで、今後の状況を踏まえ、改めて考え方(指針)を通知するという内容となっています。また、今回の措置に限らずITを活用した重要事項説明のあり方について、社会実験の実施及び結果の検証等を行うとのことで、実証について改めて通知するようです。
ITを活用した重要事項説明については、原則としてテレビ会議等のITを利用を想定しているようです。また、建築主側においてIT環境がないなどのやむを得ない事情がある場合には、重要事項説明内容を録画したメディアの送付でもOKとなるようです。
現代にビデオレターをされる方は少ないでしょうから、基本的にはスマホを持っている事を前提として、ZoomやFaceTime機能かな?と想定されるところです。
参考:建築主への重要事項説明について
建築士から建築主への重要事項説明として対象となるのは、建築士事務所の開設者が設計受託契約または工事監理受託契約を建築主と締結するときです。
法律で規定する設計受託契約と工事監理受託とは次の事をいいます。
- 設計受託契約
設計(建築士の責任において設計図書を作成することをいう)の委託を受けることを内容とする契約 - 工事監理受託契約
工事監理(建築士の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう)の委託を受けることを内容とする契約
※建築士法第2条・22条の3の2
[建築士法第24条の7(重要事項の説明等)]
建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、当該建築主に対し、管理建築士その他の当該建築士事務所に属する建築士をして、設計受託契約又は工事監理受託契約の内容及びその履行に関する次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。一 設計受託契約にあつては、作成する設計図書の種類
二 工事監理受託契約にあつては、工事と設計図書との照合の方法及び工事監理の実施の状況に関する報告の方法
三 当該設計又は工事監理に従事することとなる建築士の氏名及びその者の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の別並びにその者が構造設計一級建築士又は設備設計一級建築士である場合にあつては、その旨
四 報酬の額及び支払の時期
五 契約の解除に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項👉 省令:建築士法施行規則第17条の38第一号から六号一 建築士事務所の名称及び所在地並びに当該建築士事務所の一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所の別二 建築士事務所の開設者の氏名(当該建築士事務所の開設者が法人である場合にあつては、当該開設者の名称及びその代表者の氏名)三 設計受託契約又は工事監理受託契約の対象となる建築物の概要四 業務に従事することとなる建築士の登録番号五 業務に従事することとなる建築設備士がいる場合にあつては、その氏名六 設計又は工事監理の一部を委託する場合にあつては、当該委託に係る設計又は工事監理の概要並びに受託者の氏名又は名称及び当該受託者に係る建築士事務所の名称及び所在地七 設計又は工事監理の実施の期間八 第三号から第六号までに掲げるもののほか、設計又は工事監理の種類、内容及び方法
2 管理建築士等は、前項の説明をするときは、当該建築主に対し、一級建築士免許証、二級建築士免許証若しくは木造建築士免許証又は一級建築士免許証明書、二級建築士免許証明書若しくは木造建築士免許証明書を提示しなければならない。
※建築士事務所協会では、公式ホームページにて標準様式を公表しています。
追記:社会実験を実施! 団体を募集中令和2年6月10日〜
令和2年6月10日に発表された内容によると、次のように書かれています。
本制度については、従来、対面による説明を行うことを前提に運用されてきましたが、新型コロナウイルス感染症対策のため、5月1日付通知において、当面の暫定的な措置として、対面ではないIT重説についても、建築士法に基づく重要事項説明として扱うこととしていました。
今般、IT重説について、従来の重要事項説明と建築主へ提供される情報の的確性等の点で同等の水準が確保されると想定される説明に係るルールを整理したうえで、当該ルールに沿った重要事項説明を、まずは検証プロセスについての一定の第三者性が確保された建築士事務所、関連事業者等から構成される関連団体による社会実験という形で試行し、検証することとしました。
※出典 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000833.html
6月30日まで公募しているので、うちの地域で実証してみたいという団体(建築士事務所協会など)は手を挙げてみてはどうでしょうか。
あわせて、契約書類なども電子化するのが業務効率化に結びつくので、次の時代でも生き残りたいという方はご覧になってみてください。