耐久性等関係規定とは、次の法令をいうのです。法律では耐久性等関係規定は、建築基準法施行令第36条第1項に書かれています。
(構造方法に関する技術的基準)第36条
建築基準法施行令第36条第1項
法第20条第1項第一号の政令で定める技術的基準(建築設備に係る技術的基準を除く。)は、耐久性等関係規定(この条から第36条の3まで、第37条、第38条第1項、第5項及び第6項、第39条第1項及び第4項、第41条、第49条、第70条、第72条(第79条の4及び第80条において準用する場合を含む。)、第74条から第76条まで(これらの規定を第79条の4及び第80条において準用する場合を含む。)、第79条(第79条の4において準用する場合を含む。)、第79条の3並びに第80条の2(国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限る。)の規定をいう。以下同じ。)に適合する構造方法を用いることとする。
よく一級建築士の試験で出題される施行令第36条関係ですが、時刻歴応答解析(施行令第81条第1項)や限界耐力計算(施行令第81条第2項第一号ロ)では、耐久性等関係規定への適合義務があります(構造計算による適用除外は無し)。
一級建築士学科試験では、1点でも多くとるために必要となる知識と考えられますし、構造設計の基礎でもあるので、この表を参考にしてもえれば幸いです。
ちなみの保有水平耐力計算における構造規定の適用除外についてはこちらの記事をご覧ください。
>>保有水平耐力計算(ルート3)で適用除外される構造方法を解説(施行令第36条第2項第一号)
施行令 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
第36条 | 構造方法に関する技術的基準 | 時刻歴応答解析 保有水平耐力計算 限界耐力計算 許容応力度等計算 仕様規定 |
第36条の2 | 4階以上(地階を除く)の鉄骨造の建築物等に準ずる建築物 | 法第20条第1項第二号の政令で定める建築物(H19国交告593) |
第36条の3 | 構造設計の原則 | 荷重・地震動に対して構造耐力上安全 水平力に対して釣り合いよく配置 剛性・靱性をもたせる |
第37条 | 構造部材の耐久 | 腐食・腐朽・磨損し難い材料・有効な錆止め、防腐処理、磨損防止 |
第38条第1項 | 基礎(全般) | 荷重・外力を安全に地盤に伝えるとともに、地盤沈下・変形に対して構造耐力上安全なもの |
第38条第5項 | 基礎杭 | 打撃・圧力・振動により設置する基礎杭は、打撃力などの外力に対して構造耐力上安全なもの |
第38条第6項 | 基礎杭(木杭) | 木杭は常水面下にあるようにする |
第39条第1項 | 屋根ふき材等 | 屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁等は風圧・地震動に対して脱落しないようにする |
第39条第4項 | 特定天井 | 特定天井で腐食・腐朽・劣化の恐れのがあるものは、腐食・腐朽・劣化し難い材料・有効な錆止め、防腐・劣化防止 |
第41条 | 木材 | 木材の品質は、節・腐れ・繊維の傾斜・丸身等による耐力上欠点がないもの |
第49条 | 木造外壁防腐措置 | 木造の外壁のうち鉄鋼モルタル塗り等の腐りやすい構造の下地は防水紙等を使用する |
第70条 | 鉄骨造柱の防火被覆 | 3階以上の建築物の柱は30 分の変形・溶融・破壊・損傷しない。H12建告1356号 |
第72条 | コンクリートの材料 | コンクリートの材料(一般的な材料基準) 第79条の4、第80条準用 |
第74条 | コンクリートの強度 | 4週圧縮強度12N/m㎡以上など(S56建告1102号) 第79条の4(SRC造)、第80条準用(無C造) |
第75条 | コンクリートの養生 | コンクリート打設後5日間は、コンクリート温度が2度を下らないようにするなど 第79条の4(SRC造)、第80条準用(無C造) |
第76条 | 型枠・支柱の除去 | コンクリート養生中の型枠取外し規定など(S46建告110) 第79条の4(SRC造)、第80条準用(無C造) |
第79条の3 | 鉄骨のかぶり厚さ | 鉄骨に対するコンクリートの被り厚さ5㎝以上 H13国交告1372号 |
第80条の2 | 構造方法に関する補則 | S58建告1320号(プレストレスとコンクリート造) H12建告2009号(免震建築物) H13国交告1025号(壁式ラーメン鉄筋コンクリート造) H13国交告1026号(壁式鉄筋コンクリート造) H13国交告1540号(枠組壁工法・木質プレハブ工法) H13国交告1641号(薄板軽量形鋼造) H14国交告326号(デッキプレート版) H14国交告410号(アルミニウム合金造) H14国交告411号(丸太組構法) H14国交告463号(システムトラス) H14国交告464号(コンクリート充填鋼管造) H14国交告474号(特定畜舎等建築物) H14国交告666号(膜構造) H14国交告667号(テント倉庫建築物) H15国交告463号(鉄筋コンクリート組積造) H19国交告599号(軽量気泡コンクリートパネル) H28国交告611号(CLTパネル工法) |
この記事はやまけん(@yama_architect)が書きました〜♪
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