「人口集中地区の人口密度」と「人口10万人あたりの新型コロナウイルス感染者数」の相関関係について書いていきたいと思います。
どうも〜。建築と都市をこよなく愛するやまけん(@yama_architect)です。
今回はちょっと最近気になったことを記事にしてみました♪
新型コロナウイルス感染者数は都市部であればあるほど多いというイメージを誰もが抱いているとは思うのですが、「それって本当なの?」という疑問がはじまりです。
というのも、みなさんもイメージして欲しいのです。
都市の人口密度が高いということは、ある一定のエリアにおける人の数が多いことになるため、密度が低い都市に比べて人と人の接触機会が多いはずですよね。
そして、その結果として、感染者数が増加することから人口密度と相関するんじゃないかって話・・・
その事実を確認してみたということです。
人口密度と感染者数の相関性
人口密度を確認する上では、大きく3つの方法があります。
一つ目は行政区域の人口密度、市街化区域の人口密度、人口集中地区の人口密度です。
行政区域の場合には、森林や河川などが含まれるため都市の人口密度の指標としては適切ではないです。
また、市街化区域の人口密度の場合にも、居住者が少ない工業系用途地域や未利用地が含まれるため、現状の人口密度を知る指標としてはあまり良い値を得られません。
そのため、人口集中地区内の人口密度を使用します。
人口集中地区(DID地区)とは、都市計画における市街化区域の設定基準とも関係する指標の一つで、「原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域」のことをいいます。
DID地区に関する詳細説明は省略するので詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
>>深掘り記事:【人口集中地区=DID地区とは?】日常生活と密接に関係する指標
日本において人口集中地区の人口密度が高いということは、市街地が発展しており土地の高度利用が行われていることを意味します。
例えば、中核市で比較すると高い地域の代表例として西宮市の場合は11,355人/k㎡、八戸市の場合は3,275人/k㎡と約3〜4倍程度の差があります。
八戸市と西宮市を比べてもらうと分かりやすいと思いますが、田舎(八戸市さん比較に使ってすみません・・・)と大都市くらいに街の風景が異なるはずです。
つまり、人口集中地区の密度が高いということは、それだけ人の往来が多いため接触機会が増加することから、感染者数と相関するはずなんです。
ということで、比較的人口規模が大きい中核市における人口密度(DID地区)と新型コロナウイルス感染者数をリサーチしてみました。
中核市名 | 新型コロナウイルス感染者延べ人数 *令和3年8月2日各市ホームページ掲載時点 |
函館市 | 971 |
旭川市 | 2,132 |
青森市 | 1,083 |
八戸市 | 304 |
盛岡市 | 809 |
秋田市 | 1,024 |
山形市 | 847 |
福島市 | 884 |
郡山市 | 1,343 |
いわき市 | 1,111 |
水戸市 | 1,336 |
宇都宮市 | 3,185 |
前橋市 | 1,476 |
高崎市 | 1,373 |
川越市 | 2,161 |
川口市 | 5,695 |
越谷市 | 2,733 |
船橋市 | 6,953 |
柏市 | 3,829 |
八王子市 | 5,306 |
横須賀市 | 3,212 |
富山市 | 1,281 |
金沢市 | 2,719 |
福井市 | 706 |
長野市 | 1,198 |
岐阜市 | 2,583 |
豊橋市 | 2,590 |
岡崎市 | 2,142 |
豊田市 | 2,574 |
大津市 | 1,944 |
豊中市 | 4,158 |
吹田市 | 3,599 |
高槻市 | 2,835 |
枚方市 | 3,394 |
八尾市 | 3,206 |
寝屋川市 | 2,569 |
東大阪市 | 7,056 |
姫路市 | 3,469 |
尼崎市 | 4,967 |
明石市 | 2,229 |
西宮市 | 4,652 |
奈良市 | 2,677 |
和歌山市 | 1,608 |
松江市 | 302 |
倉敷市 | 2,182 |
呉市 | 550 |
福山市 | 1,206 |
下関市 | 707 |
高松市 | 1,370 |
松山市 | 1,707 |
高知市 | 1,465 |
久留米市 | 2,076 |
長崎市 | 1,639 |
大分市 | 1,939 |
宮崎市 | 1,820 |
鹿児島市 | 1,960 |
横軸(X軸)が「人口10万人あたりの新型コロナウイルス感染者数」となるため、横軸の値が大きいほど感染者数が大きいことなります。
一方で縦軸(Y軸)は「人口集中地区の人口密度」であり、値が大きいほど市街地が発展していることを意味します。
相関してますよね・・・
人口密度が低いほど、感染者数が少なく、人口密度が高いほど感染者数が多いですよね。
ただし、倉敷や旭川、姫路などは人口集中地区の人口密度が低いのに新型コロナ感染者数が多い傾向にあるようです。
人口集中地区の人口密度が低い都市は自家用車分担率も高いため、人との接触機会が減っているはずなのですが、他に要因にあることが考えられるのかなと思います。
自家用車移動が多く人との接触機会も少ないのかなと想定されます。
ですので、市街地の人口密度が高ければ新型コロナウイルス感染者も増加します。(ただし、イコール(=)市街地の人口密度が高いことが悪にはなりません〜〜)
補足
じゃあ、人口密度が低い方がいいのかというとそうではなく、人口密度が低い都市は不便なエリアを多く有しているため一般的には歩いて暮らせる街から程遠いはずです。
極端なこと言うと、人口密度が低い場合、自家用車を所有しないと生きていきないと思います・・・
一方で人口密度が高いと効率的な経済活動を展開できる上に、賃金との相関性もあるため経済的なメリットが大きいです。
ですので、感染者数と相関するから悪とは単純に言えないかなと個人的には思います。
ということで以上となります^ ^ 参考になれば幸いです。