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6階以上の建築物における2以上の直通階段の緩和の解説(建築主事試験)

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です^ ^

YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

この記事は、建築基準法を解説する非常にマニアックな内容となっています。

記事としては、「2以上の直通階段の緩和」に関する内容となっています。
建築主事試験の解説に合わせて建築基準法の理解を深める記事です。




建築主事試験(建築基準適合判定資格者試験)

この記事を書いている理由は、次の建築主事試験の問題です。(建築基準適合判定資格者試験令和2年の問題)一見すると「正しい」と思ってしまうのですが、”屋内”というのがポイントで、正解は”屋外”の避難階段が必要となるため、設問に対する答えとしては間違えとなります。

主要構造部を耐火構造とした地上6階建てのホテルで、6階の宿泊室の床面積の合計を200㎡とし、かつ、6階に避難上有効なバルコニー及び6階から避難階に通ずる直通階段であって屋内の避難階段であるものが設けられているものについては、当該直通階段を1箇所とすることができる

出典:令和2年建築基準適合判定資格者試験問題

それでは6階以上の建築物における2以上の直通階段を解説していきます。

6階以上の建築物における2直基準

建築基準法では、建築基準法施行令第121条第1項第六号イにおいて、6階以上の階に居室を有する場合には2以上の直通階段が必要となります。

ただし、法令の(  )の部分がポイントです。次の4つに該当する場合には、2以上の直通階段の設置が不要となります。

かっこ書きは、次のように規定されています。

(第一号から第四号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が100㎡を超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第123条第2項又は第3項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)

避難上有効なバルコニーについては、法令で明確な基準が定められておらず特定行政庁の指導に従う必要があります。詳細は、リンク先の記事をご覧ください。

  1. 第1項第一号から第四号に用途に供していないこと。
    *第一号:劇場、映画館、集会場等の集客施設
    *第二号:物品販売業を営む店舗
    *第三号:キャバレー等の風営施設
    *第四号:病院、診療所、児童福祉施設等
  2. 居室の床面積の合計が100㎡以下であること。
    *主要構造部が耐火又は準耐火構造の場合には200㎡以下
  3. 避難上有効なバルコニー・屋外通路その他これに類するものが設けられていること。
  4. 避難階又は地上に通ずる直通階段(施行令第123条第2項又は第3項)が設けられていること。
    *施行令第123条第2項:屋外に設ける避難階段
    *施行令第123条第3項:特別避難階段

(2以上の直通階段を設ける場合)
第121条 建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
一 〜 五 (略)
 前各号に掲げる階以外の階で次のイ又はロに該当するもの
 6階以上の階でその階に居室を有するもの(第一号から第四号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が100㎡を超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第123条第2項又は第3項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)
ロ (略)

出典:建築基準法施行令第121条第1項第六号イ

まとめ

6階以上の建築物で6階以上の部分に居室を有する場合には、原則として2以上の直通階段の設置が必要となります。

ただし、ホテルや旅館、事務所などの用途に供して居室の床面積の合計が100㎡以下(耐火構造などの場合には、200㎡以下)で避難上有効なバルコニーを有し、かつ屋外避難階段(又は特別避難階段)を設置している場合には、2以上の直通階段の設置は緩和されます。

ということで以上となります。それでまた〜〜






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。