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【首都圏近郊整備法・近畿圏近郊整備法】重要事項説明に必要な条項を分かりやすく解説

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です^ ^
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この記事では、宅地建物の取引において必ず実施しなければならないとする重要事項説明のうち「首都圏近郊整備法・近畿圏近郊整備法」について分かりやすく解説しています。




重要事項説明の対象となる条項

はじめに、首都圏近郊整備法とは、「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」といいます。また、近畿圏近郊整備法とは、「近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」をいいます。

いずれも、首都圏及び近畿圏の秩序ある発展を目的につくられた大都市圏整備(首都圏・近畿圏等のエリアを限定)のための法律です。詳しくは、国土交通省のホームページにより分かりやすく書いてあるので、こちらをクリック(外部リンク)してください。

ではでは話を戻しまして、重要事項説明の対象となる条項についてです。

法令概要
首都圏近郊整備法第25条第1項造成工場敷地に関する権利の処分の制限
近畿圏近郊整備法第34条第1項造成工場敷地に関する権利の処分の制限
重要事項説明の対象となる条項と概要(宅建業法施行令第3条第1項第9・10号)

いずれも同じ制限となります。

法律では、次のように規定されています。

第19条第2項(*近畿圏近郊整備法:第26条第2項)の公告の日の翌日から起算して10年間は、造成工場敷地の所有権、地上権、質権、使用貸借による権利又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転については、国土交通省令で定めるところにより、当事者が施行者であつた者の長の承認を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合は、この限りでない。
 相続その他の一般承継により当該権利が移転する場合
 滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。)又は企業担保権の実行により当該権利が移転する場合
 土地収用法その他の法律により当該造成工場敷地が収用され、又は使用される場合

首都圏近郊整備法第25条第1項、近畿圏近郊整備法第34条第1項

第19条第2項(*近畿圏近郊整備法:第26条第2項)の公告とは、工業団地造成事業(都市計画決定)が完了公告のことをいいます。完了公告から10年間は、造成工事敷地の所有権等の権利の設定等については、施行者(工業団地造成事業の施行者)の承認を受けなければならないとするものです。

重要事項説明の内容としては、これのみです。

重要事項説明として、まず、①都市計画決定として「工業団地造成事業」の中にエリアであるかどうか、②完了公告から10年間以内かどうかが大切なポイントとなりますので、参考にしてみてください。

なお、承認を受けなくても良い権利設定として、相続、担保権実行としての競売、土地収用などです。

また、工業団地造成事業という都市計画決定がどの程度指定されているかどうかですが、現在(令和2年都市計画現状調査*出典:国土交通省)、全国40都市、53地区、約5千8百haが指定されています。

ここからが重要で、大半が昭和時代に完了しています。ですので、完了公告から10年間以内の地域はほぼありません。”ほぼ”とした理由として、国土交通省が公表している都市計画現況調査に完了年月日が入っていない事業がいくつか(全国で6地区)あるためです。

>>大都市圏に関してこちらの記事が参考になります。



ということで以上となります。参考なりましたら幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。