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【敷地分筆・分割とは?】違反建築物とならないために必要な知識! [施行令第1条]

この記事では、敷地分筆と分割をとりあげています。公図(法務局で取得)と建築確認申請・開発行為との関係性などについて簡単に解説しています。

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分筆・分割とは?

はじめに必ず知らなければならないのは「一敷地一建築物」の原則があることです。

一敷地一建築物とは、一つの敷地(ここでいう敷地とは、建築確認申請上の敷地)には一つの建築物しか建築することはできないとする規定です。

建築基準法(施行令)では次のように規定されています。

(用語の定義)
第1条 この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある以上の建築物のある一団の土地をいう。

建築基準法施行令第1条第一号

ここでいう用途上の不可分の関係とは、例えば住宅に附属する倉庫や共同住宅に附属する車庫など、一つ敷地内に複数の関係性のある建築物のことをいいます。逆に用途上可分とは、住宅+住宅や店舗+店舗など、一つの建築物で機能が完結する関係のために1敷地とする必要がないケースをいいます。

▶︎▶︎▶︎詳しくはこちらの記事で書いているのでクリックしてください。

ではでは分筆と分割の違いですが、分筆とは、公図上の土地を分けること(例えば、20番1の土地を20番1と20番2に分ける)をいいます。分筆することで新たに番地が付けられます

一方で分割とは、公図上の土地を分けるのではなく、公図上の土地の一部(例えば、20番1の一部といった使い方)として建築確認申請上の敷地を設定する方法をいいます。

建築基準法上は、敷地について分筆の義務を定めていませんので分割でも違法建築物にはなりません。

それでは例示をもって説明していきます。

敷地分筆と分割の例

ここからは敷地分筆と分割の例から解説していますので参考にしてみてください。なお、具体的な分筆の手続きについては、測量等が必要となる超専門的な手続きが必要となりますので専門家の「土地家屋調査士」さんに依頼しましょう。

分筆の例

分筆の例(用途上可分のケース) ※作成:やまけん

敷地分筆とは、用途上可分の関係(住宅+住宅、店舗+飲食店などの一敷地一建築物である必要性がない場合)の関係がある場合に、公図上の土地を切り分けることをいいます。

建築基準法上はなんら問題はないのですが、敷地分割のケースだと建築主が異なる場合や住宅ローンの権利設定の関係から「分筆」が必要なケースがあります。

「分筆」すると、新たに番地が付けられます。例えば、20番5まで設定されている場合には、次に20番6が設定されます。

建築基準法上は分筆でも分割でもなんら問題ないですが、既存建築物が違法とならないよう注意する必要があります(後述しています)

分割の例

分割の例(用途上可分のケース) ※作成:やまけん

例えば、20番1の土地を分割するケースでは、建築確認申請上は20番1の一部という設定を行います。用途上可分の関係であっても建築主が同じで、土地への権利設定の関係から公図上の土地を分筆する必要性が無い場合には「分割」を設定することがあります。

なお、分割とする場合には、既存建築物が違法建築物とならないよう注意する必要があります。

また、分割線については建築確認申請上の敷地設定でしか分からない(分筆の場合には地積測量図の作成により精度の高い地積図がわかる)ため、精度の高い測量をおこなった上で敷地設定をしない場合には、後々、改築や増築をする場合に悩むこととなるので注意してください。

分筆が必要となるケース

分筆が必要となるケース(開発行為の場合) ※やまけん

上記のケースですが、20番1の土地の面積が開発行為の要件となる面積以上(1,000㎡以上、三大都市圏の場合には、500㎡以上)の場合に分筆が求められる可能性があります。

というのも、例えば、田畑の場合に宅地に造成するケースでは開発行為に該当します。

その場合に、わざと開発行為に該当しない面積に設定し、宅地造成の範囲を分割とするケースでは、単に開発行為逃れと判断されることがあります(行政庁によって判断が異なる)。

というのも開発行為に該当すると都市計画法の技術基準が適用されるため、テキトーな造成工事を行うことができません。技術基準に基づき造成する必要性があることから、それなりにコストがかかります。ですので、あえて、分割することで開発行為を逃れようとする事業者がいます。

ところが、分割では、分割した土地と開発逃れの土地を一体的に利用しないとする担保がないです。そのため、分筆+フェンス等の設置が求められることになります。それが嫌であれば、20番1全体で開発行為を行った方が良いとなります。

・・・わたし自身が特定行政庁に在籍した経験があるので言えることは、開発行為に該当させたくない業者さんがホント多いです。止むを得ないケースもありますが、大抵は開発行為に係る手続き(費用とコスト)を省略させたいが理由です。

分割・分筆で違反建築物となるケース

分割・分筆で違反建築物となるケース ※作成:やまけん

すでに既存建築物がある場合に、その敷地を分割or分筆して、新たに建築物を建築するケースです。この場合、計画建築物が建築されることで既存建築物が違法となることがあります。

例えば、第一種低層住居専用地域の場合、敷地面積の最低限度が設定されているケースや値の低い建蔽率が指定されているケースでは、上図のように敷地面積が減少することで既存建築物が違反となる可能性が高くなります。

既存不適格建築物とは異なるのでご注意ください。

まとめ

敷地の分割と分筆について解説しました。

分割については、分筆の手間(公図上の筆分け手続き:地積測量、境界査定など)が無いですが、その分、責任分界点を明確にしたい場合、事業別に切り分けたい場合などではデメリットの方が大きいです。

分割によるデメリットがないケースでは分割でも良いかもしれませんが、そうではなく何らかのリスクがあるケースでは、「分筆」を選択されることをお勧めします。

ということで以上です。参考になりましたら幸いです。