【飯田市にスタバは立地する!?】飯田市が答えられないので私が勝手に答えます。

結論としては従来の立地条件上は確率30%ですが、近年のスタバの立地戦略を踏まえると長野県内に限っての確率は100%を超えています。

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飯田市に寄せられた質問と回答

飯田市宛に寄せられた意見書(提言書)によれば、次のような内容でした。

関東から飯田市に移り住んで2年たちます。飯田市の発展のためにぜひ大手カフェチェーン店の誘致をお願いします。他市を見れば、誘致運動が出店につながった例もあります。そうなれば、学生も、ビジネスマンも手軽に利用でき、かなり魅力的だと思います。ぜひ市として働きかけをしていただければと思います。

飯田市公式サイト:https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/160/teigen-22-10.html

この意見を送られた方の気持ちすごく分かります。

5〜6年前の地方都市圏でのスタバ出店が進んでいなかった時代だと、どの地方都市でも、「うちにはスタバが立地しないのかなぁー」、「市長さん誘致してよー」という声をよく聞いたものです。

ちなみに、意見内容を読むと、スタバとはどこにも書いていないですが、大手カフェチェーンと書かれて飯田市には立地していないスタバ以外考えられないので、このサイトではスタバということにしておきます(笑)

カフェについては一般的な生産工場とは異なり、市が土地を提供(斡旋)までして誘致するような規模でも大きな経済効果をもたらすものではないです。
*法令も整備されていない。

このため、市からすれば、自由競争の中で民間企業が立地するかどうか判断するものであること、さらには他にもカフェチェーン店がある中、スタバのみに優位になるような施策を行うことができない実情があります。

それでも市の回答としては精一杯の気持ちが書かれているのかなと思います。

ちなみにこうした回答に対して誠意を持って担当者が回答案を作成しても決裁がまわる段階で、丸く丸くなって言って、何をいっているのかよく分からない文章になることが多い

(私も役所時代は、意味不明過ぎて何度も???した記憶があります。全くもって市民目線ではないことが多く市民が理解できない。)のですが、飯田市さんの回答もその例だと思います。

回答までの道のりが遠いんですよ・・・これ、繰り返しですが担当者のせいじゃなくて、組織が原因です。

↓↓↓下記が回答

飯田市は、地域経済活性化プログラムに基づき、地域内の経済循環(域産域消)を出発点に、地域内外から稼ぐ力を強化し、地域経済を活性化するべく、コロナからの復興(グリーン・リカバリーの視点を含む)、地域全体での「地域産業の未来づくり」に取り組んでいるところです。
また、市では、新規出店の支援として、空き店舗を活用した経費の一部を助成する「まちなか創業空き店舗活用事業補助金」を整備し、様々な業種の出店支援にも取り組んでいます。
ご提言いただいた誘致も参考にさせていただき、カフェや喫茶店のみならずコロナ禍で頑張る事業者、地域を支える産業を支援できるよう、今後も地域経済の活性化に向けて商業振興に取り組んでまいります。
※出典:飯田市公式サイト:https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/160/teigen-22-10.html

意見主さんが言いたいことは、つまるところスタバが立地する可能性はあるのかどうか、また、立地するためにはどうしたらいいのか。です。

スタバの立地条件

スタバの立地条件については、下記記事で詳しく解説していますので、興味があるぜ〜!という方は是非、ご覧ください。

要約すると人口規模としては、存在する確率が50%として17.5万人、確率80%として27.5万人程度の人口が必要となります。

飯田市の人口は約10万人ですので立地する可能性は非常に低い(28-29%程度)という判断とはなるのですが、ここから重要です。

近年のスタバさんの立地状況を見ると都市圏人口として約10〜20万人ほどの地域にも出店を加速させている状況です。

複合型施設として入るケースやロードサイド型として独立して立地するケースもありますし、加えてドミナント戦略といって、1度ある都市に出店すると、同一都市圏内に複数店舗を立地させて、その地域での市場シェアを取りに行っている傾向にあります。(人口がそもそも足りないとドミナントは無理ですけどね。)

いずれも地方都市としての採算条件となる駐車場の確保と、市街地の人口密度、人口規模が重要となっています。

少しーだけ難しい話をすると、店舗毎に商圏の範囲と人口が異なります。

例えば、街中の中華料理店であれば店舗の数百m範囲の昼間の人口の数が店の売上に関係するのはなんとなくイメージしやすいですよね。ラーメン店もそうですが、店舗の周辺には一定の人口が必要となります。

また、ロードサイド型の店舗であれば道路交通量も関係してきます。

この店舗が超人気店ですと、一般的な店舗よりももう少し商圏人口が大きくなります。店舗の魅力があがれば勢力圏が広がるイメージです。

なお、商圏の人口密度が高ければ高い方がそれだけ来店者数が増加します。

店舗の近隣に3,000人が居住していると、少し大きな範囲に3,000人が居住しているケースでは、どちらが成功確率が高いでしょうか。テナント料や世帯構成、所得によっても異なりますが、一般的には密度が高い方がアプローチが届く人口割合が高いので成功しやすいです。

徒歩で10分のところにあるところよりも徒歩で2〜3分であればちょっと行ってみようかなとなるわけです。もちろんおいしさの水準は一定程度あるとしてです。

ですので、人口密度・人口規模は飲食店や店舗の経営において重要なファクターなわけです。

とはいえ、地方都市では、人口の少ない郊外に立地して比較的規模の大きい駐車場を構えるケースが多いです。

というのも中心市街地の人口密度が低い(市街地が拡散)ために飲食店をオープンしても採算ベースに乗らないためです。このため、地方都市では地価の低い市街地の外れ(田畑との境界付近など)に立地させることがあります。

ただし、これを成立させるには沿道交通量と店舗の魅力(商圏人口の広さ)が重要な要素となります。

スタバさんの場合には個店としての魅力が大きいですよね。

当然、リピーター客も多いという印象です。スタバ好きであれば、車で30分くらいかかってもリピートしようかなと考えている方結構いますよね。

車で30分という距離は都市内での平均時速概ね30〜40kmとしても15〜20kmは離れていることになるので、商圏範囲としては通常の喫茶店と比べると相当広いという印象を受けます。

今回のタイトルにある飯田市の方々も最も近い伊那市のスタバまで来店しているとか・・・
(それだけ現状では、伊那市のスタバの商圏範囲は飯田まで及んでいることになります。)

話を戻しまして、スタバさんでは地方都市での出店が進んでいるので、都市圏の人口として、これまでの約20万人くらいから、概ね10万人程度有していれば立地する可能性は高いのでは?と思われます。
(次回、別途記事にして最新の出店状況をまとめる記事を作成する予定ですので、お楽しみに〜)

では飯田市の都市圏はどのように形成されているのかです。

長野県でのスタバ立地状況

スタバさんに公式サイトを確認すると、記事執筆時点で長野県内の総店舗数は26店舗。

立地状況としては次のようになります。地勢的に見ると立地場所としては伊那市が最南端となります。

長野県におけるスターバックスの立地状況*出典:スターバックスコーヒージャパン

この立地状況ですが、市町村別として見ると都市圏として正確に把握することができないので、都市圏域毎(長野県の場合には10圏域)の都市計画区域(都市内での建築を一定程度コントロールして無秩序な開発を防止して秩序ある都市を形成)内の人口を集計しています。

※都市計画区域内の人口としているのは道路や鉄道といった日常生活に必要なライフラインが整っている地域で比較する必要があるためです。ライフラインが脆弱な地域から市街地まで到達するのに1時間以上もかかる地域の人口は都市内の人口としては適切ではないことから都市計画区域外人口(=行政区域人口ー都市計画区域人口)は評価対象から除いています。

となると、都市計画区域毎の人口と立地店舗数は次のようになります。
1店舗あたりの人口も記載しています。

*都市計画区域人口:令和3年都市計画現況調査(国土交通省),スターバックスコーヒージャパン

この資料から言えば、長野県内のスタバが立地する都市圏内での1店舗あたりの平均人口は、6.3万人です。

集中立地によるカフェ市場シェアをとりにいこうとする戦略により1店舗あたりの商圏人口は減少していることやイオンモールなどの大規模集客施設への立地により周辺人口と人口規模のみによる商圏人口とは異なると考えられますが、人口規模のみを踏まえれば、飯田市を中心とする都市圏(都市圏人口:約11.5万人>約6〜8万人)おいても立地する可能性はありそうかなと考えられます。

また、飯田市の人口集中地区内の密度も長野県内においては比較的高い方で35人/haとなっているので、スタバさんが比較的低廉な価格で中心市街地でまとまった土地(500〜1,000㎡)が確保できれば立地する可能性は高まると想定されます。

それでは以上です。また〜〜♪

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