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【用途地域別の居住性】都市計画担当者の個人的に考えていること。

この記事では、建築法規や都市計画行政に携わってきた経験から「用途地域の居住性」を個人的に書います。
ダラダラと書いていて、とても有益な記事とも思えないので、暇な方のみお読みください。

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です^ ^
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どこが最も暮らしやすい!?

こちらは、全国の都市(都市計画区域・準都市計画区域を有する市区町村)の用途地域指定面積割合を表にしたものです。

1位は街に特徴もないしコンセプトもないからとりあえず「一種住居地域」のしときましょってやつ。

2位は平成4年改正で新たに登場した郊外型の優良住宅団地であることを示す「第一種低層住居専用地域」。とはいえ、現代ではオールドタウン化が進み、限界団地と言われる地域もチラホラあります。

3位は、低層住宅地の住環境の良さと日用品等の買い物に困らない最適な住居地域である「第一種中高層住居専用地域」です。

そして、ほぼなんでも建築できる「準工業地域」が第4位となっています。

用途地域名指定面積ランキング指定面積(ha)
第1種低層住居専用地域2位337,169.7
第2種低層住居専用地域12位15,944.8
第1種中高層住居専用地域3位258,984.1
第2種中高層住居専用地域7位101,006.9
第1種住居地域1位424,785.5
第2種住居地域8位89,083.8
準住居地域11位29,272.1
田園住居地域13位0.0
近隣商業地域9位78,283.9
商業地域10位74,829.8
準工業地域4位205,912.2
工業地域6位108,366.9
工業専用地域5位149,427.2
*出典:令和3年都市計画現況調査(国土交通省)

あくまでも、やまけん的視点です。

日常生活にとって必要な施設といえば、生鮮食品・日用品、また、子供がいる方であれば保育所や幼稚園、小中学校などの配置関係が重要になると思います。

加えて、外部要因としては、騒音や振動が少ない方が居住環境としては良いですよね。

また、街の治安も気になると思います。

工業系用途地域

用途地域を逆から順を追ってみていくと、まずは「工業専用地域」が目に入ります。

「工業専用地域」はそもそも住居系の建築の立地が制限されているので検討する土地から除外します。

たまに、工業専用地域内に住宅が立地していますが、あれは既存不適格建築物という現行法には適合していませんが、違法ではあ〜〜りませんよという建築物です。
*居住環境としての将来リスクがめちゃ高いのでおすすめしません。

次に「工業地域」ですが、住居系の立地が可能ですが、危険な化学薬品や火薬系などを扱う工場の立地が可能な上に大型の物流倉庫等の立地が可能なことから、騒音・振動・排気ガス等により居住環境としては適切ではないことが多いです。

とはいえ、工業地域でも工場系の誘導がうまくいかずに住宅団地が造成されてしまうこともありますが、造成団地のとなりに工場が立地することも普通にありえるので、あまり適している土地はいえないです。*一方で、行政が用途地域を変更しないのが悪い!という考えもあります。

また、事務所も建築することができる地域ですから、よく分からないあやしい建築物が周辺に立地する可能性も・・・土地も比較的安いので、民度という面でそれなりのリスクはあります。

じゃあなんで、工業地域に住居系の立地が可能なのかというと、日本は住工混在(町工場)によって経済発展してきた歴史があるからですね。1階が工場で2階が住居という地域は全国に多く残っています。

これは、「準工業地域」にも言えることですが、準工業地域は危険な工場の立地は不可能なものの、なんでも建て良いのが「準工業地域」と言っていいくらいにゆるゆるです。

住宅のとなりに大規模な倉庫や店舗、風営系の施設が立地する可能性があります。

ですので、まとめると当たり前やん!と思うかもですが、「工業系用途地域」は住宅地としては適切ではないことが多いです。

商業系用途地域

では、次に商業系用途地域ですが、商業系用途地域は、「商業地域」「近隣商業地域」の2種類があります。

中心市街地はこのどちらかに設定されていますので、駅前のマンションやアパートに居住されている方は居住地しての充実度を実感していると思います。

一般的に都市機能が集約している地域なので日常生活を営む上では快適ですし、徒歩・自転車での移動の方が良いという方には最適だと思います。

ただし、当然ながら高度利用や商業機能の充実を図っていく地域なので、日照や騒音、治安、風営系の施設に近傍するなどの課題は生じます。とはいえ、職場としての雇用を抱える地域でもあるので、風営系施設が少ない商業地域であれば居住のメリットを感じやすいかと思います。

住居系用途地域

ではでは住居系地域についてです。

住居系の用途地域は全部で8種類あります。

まず、「二種住居地域」「準住居地域」ですが、この2つの大差はほぼありません。

「二種住居地域」と「準住居地域」との違いは二種住居地域では倉庫業が営めないくらいです。

住居系ですので工場の立地可能性はほぼ無いですが、「準工業地域」に近いので、様々な用途の建築物が混在するため一般的には街並みが統一されていない地域ですから、例えば、居住地として「戸建て住宅」を選択するのは、あまりおすすめはできない地域です。

次に「一種住居地域」ですが、一種住居地域は店舗や飲食店などの床面積3,000㎡以下の建築物を建築することができる地域で、風営系施設の立地も制限される地域で比較的住みやすいイメージを頂きやすいです。

ですが、この用途地域は、最も汎用性の高い用途地域で、とりあえずまちづくりの方向性が明確に決まっていないケースに用いられるような地域です。
ですので、中途半端な街並みで住居地域に近いですから、居住地として最適です!とはおすすめすることはできないです。「統一されていない(汚い)街並みやな〜」って思ったら、一種住居か準工業のどちらかですね。

次に「二種中高層」ですが、店舗や飲食店などの床面積1,500㎡以下の建築物を建築することができる地域で、床面積に関係なく工場やホテルなどの立地が制限されています。

一種住居地域よりも居住地としては最適ですが、大規模小売店舗の基準が1,000㎡以上ですので、比較的規模の大きい店舗等が立地する可能性があり、騒音等の課題を生じさせる可能性はあります。とはいえ、事務所の立地も可能ですから職住近接の地域としては最適と捉えてもいいかもしれないです。

また、二種中高層のメリットとしては、畜舎が15㎡以下まで認められていること。つまり、ペットショップや動物病院が建築可能です。ペット飼いの方は二種中高層はおすすめかもしれません。

一方で「一種低層、二種低層、田園住居、一種中高層」は、居住環境の保護が目的なので、住宅環境に影響を及ぼす建物の立地が困難なことから居住地としてのメリットは高いと思います。

しかしながらですよ、働く場所の立地が難しいのと生鮮食品や日用品の買い物については、厳しく制限している地域ですので一種中高層を除いて苦労するはずです。

一方で一種中高層は床面積500㎡以下であれば立地することができますので生鮮食品等の買い物や飲食店には困らない可能性が高く、病院の立地も可能(一種低層・二種低層・田園住居は病院立地不可)なので、一種中高層は事務所が立地できないデメリットを除けば居住地しては最適です。

まとめ

ということでまとめますと、私が個人が居住地としておすすめ用途地域は、「第一種中高層住居専用地域」または「第二種中高層住居専用地域」です。

また、利便性のみを追求するのであれば「商業地域」または「近隣商業地域」をおすすめします。

ということで以上となります。参考となりましたら幸いです。

ダラダラとお付き合いいただきありがとうございました。

>>>用途地域一覧表はこちらから閲覧することができます。






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など