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【令和5年5月26日施行】建築基準関係規定が改正!!(盛土規制法関係)

この記事では、先日国土交通省(外部リンク)から盛土規制法の施行期日(令和5年5月26日)が決定したとの発表があったことを受けまして、建築基準関係規定(建築基準法施行令第9条)のうち、宅地造成等規制法関連が改正されることから、その改正内容について触れています。

建築基準関係規定ですから建築確認申請において審査される事項となります。

こんにちは~やまけん(@yama_architect)です^ ^
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何が変わるの!?

改正の概要 *出典:https://www.mlit.go.jp/toshi/web/index.html

建築基準関係規定である「宅地造成等規制法」は馴染みがある文言です。

「宅造」という言葉は一般的に使われているのかなと思いますが、この法律名が「盛土規制法」に変わります。名称が変更され盛土が強調されますが、従来どおり、切土に関しても規制対象となります。

  • 旧:宅地造成等規制法
  • 新:宅地造成及び特定盛土等規制法

熱海で発生した違法盛土による土砂災害が起きたことを受けての盛土に関して規制強化した法律となるため、一時的な土砂の堆積に関しても規制の対象となるのが特徴的です。
*違法盛土も問題ですが、そもそもイエローゾーンであったので、土砂災害の危険性がある地域での住宅建築は命と財産を失うリスクが高いです。(>>>【イエローゾーンでも注意】熱海市伊豆山地区の土砂災害について

今回の本題ですが、建築基準関係規定について、従来の第8条第1項(変更許可:第12条第1項)に加えて、改正法第30条第1項(変更許可:第35条第1項)が追加されます。

建築基準関係規定(宅地造成等規制法)の改正*R5.5.26施行

❶ 法第8条第1項の「宅地造成工事規制区域」が変更
 →法第12条第1項に異動し、「宅地造成等工事規制区域」に変更
  ※第16条第1項は、第12条第1項の変更許可
❷ 法第30条第1項が追加
 →特定盛土等規制区域内での特定盛土等・土砂堆積に関する工事着手前許可
  ※第35条第1項は、第30条第1項の変更許可

※出典:国土交通省https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000085.html

宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の両方ともに都道府県知事(政令指定都市・中核市の区域内は当該市の長)が指定を行う区域となります。

従来は、宅地造成を行うための切土・盛土のみが規制の対象とされていましたが、これに加えて、森林や農地での造成行為、一時的な土砂の堆積なども規制の対象となります。

なお、新宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域は、新たな規制区域となるために、今後(令和5年5月26日の施行日)以降に順次指定されていく予定となっています。

いきなり指定されることはなく、必ず基礎調査(都道府県が実施)の上で指定される予定となっていますので、各自治体の動向・情報(指定権者:都道府県知事、指定都市及び中核市の区域内は当該区域の長)を抑えておく必要があります。

建築確認申請の際には既に宅地造成の許可が完了しているかと思いますので、許可書は宅地の施工業者が許可を取得しているはずのでそこまで悩む機会はないかもしれないのですが、当該区域のところで規制対象となる工事を行う場合には許可が必要となり、建築確認申請時にはその許可書の写しの添付が必要となることを覚えておけば十分にように思われます。

補足❶ 宅地造成等工事規制区域で許可が必要な工事は?

宅地造成工事規制区域及び宅地造成等工事規制区域 *出典:https://www.mlit.go.jp/toshi/web/index.html

ここからは補足ですが、宅地造成等工事規制区域の許可対象を説明していきます。

まず、宅地造成等工事規制区域内の許可ですが、宅地造成等工事規制区域内において宅地造成等を行う工事を行う場合には、工事主(従前は造成主とされていた。)は工事着手前に都道府県知事の許可を受けなければならないとするものです。

工事主も造成主も広義の意味合いは一緒だと思いますので、造成のみを対象とする規制区域ではないために工事主となったのかなと思慮されるところです。

宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関る工事については、工事主は、当該工事に着手する前に、主務省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、宅地造成等に伴う災害の発生のおそれがないと認められるものとして政令で定める工事については、この限りでない。

盛土規制法第12条第1項

宅地造成等・・・宅地造成、特定盛土等、土石の堆積

宅地造成等とは、宅地造成、特定盛土等、土砂の堆積をいいます。

施行令に関しては先月公表されているので抜粋すると、次のようになります。

なお、ここでいう特定盛土等と次に説明する法第30条第1項の許可が必要となる特定盛土等は規模が異なるので注意が必要です。

宅地造成・特定盛土等*施行令第3条

❶ 盛土:高さ1mを超える崖を生じるもの
❷ 切土:高さ2mを超える崖を生じるもの
❸ 盛土/切土:高さ2mを超える崖を生じるもの
❹ ❶及び❸に該当しない場合:高さ2mを超える崖
❺ 面積:500㎡超

土砂の堆積(一定期間の経過後に除却するものが該当)*施行令第4条

❶ 盛土:高さ2mを超える崖を生じるもの
❷ 面積:500㎡超

なお、従前どおり、都市計画法による開発許可(都市計画法第29条)を受けた場合(土砂の堆積をは除く)については、この盛土規制法第12条第1項の許可を受けたものとみなすとされます。従来は、法第8条第1項のただし書きは部分は、改正法第15条第2項に異動しています。

補足❷ 特定盛土等規制工事区域内で許可が必要な工事は?

特定盛土等規制区域 *出典:https://www.mlit.go.jp/toshi/web/index.html

特定盛土等規制工事区域内では、「大規模な崖崩れ又は土砂の流出を生じさせる恐れが大きいものとして政令で定める規模の工事」については、都道府県知事の許可が必要となります。なお、政令で定める規模に該当しない宅地造成等については、事前の届出(改正法第27条)が必要となります。

特定盛土等規制区域内において行われる特定盛土等又は土石の堆積(大規模な崖崩れ又は土砂の流出を生じさせるおそれが大きいものとして政令で定める規模のものに限る。以下この条から第39条まで及び第55条第1項第二号において同じ。)に関する工事については、工事主は、当該工事に着手する前に、主務省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、特定盛土等又は土石の堆積に伴う災害の発生のおそれがないと認められるものとして政令で定める工事については、この限りでない。

盛土規制法第30条第1項

この政令で定める規模というのが次の行為となります。なお、この規模については、宅地造成等工事規制区域内での中間検査(盛土前の地盤面又は切土後の地盤面に排水施設を設置する工事に入る前に検査を受ける必要がある)が必要な規模にも相当することになります。

特定盛土等規制区域内で許可が必要な行為*施行令第23条

❶ 盛土:高さ2mを超える崖を生じるもの
❷ 切土:高さ5mを超える崖を生じるもの
❸ 盛土/切土:高さ5mを超える崖を生じるもの
❹ ❶及び❸に該当しない盛土:高さ5mを超える崖
❺ 面積:3,000㎡超

なお、こちらについても同様に、都市計画法による開発許可(都市計画法第29条)を受けた場合(土砂の堆積をは除く)については、この盛土規制法第30条第1項の許可を受けたものとみなすとされます。

まとめ・施行日・補足情報

施行日は、令和5年5月26日に確定しています。また、従来「宅地防災マニュアル」から「盛土等防災マニュアル」に変更となります。

詳細は国土交通省のホームページ(外部リンク)に掲載されておりますのでリンクを貼っておきます。

>>>https://www.mlit.go.jp/toshi/web/index.html






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。