こちらの記事では、
- 建築物の定義とは何か?
- 土地に定着するとはどういった行為をいうのか?
今回は、上記2点について解説しています。
こんにちは!YamakenBlogです。
やまけんブログでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています。
この記事を読んで頂ければ、建築基準法が適用される「建築物」の定義、並びに建築物が土地に定着する意味を理解することができるようになるはずです。
それでは、建築基準法の基本の”基”である、建築物の定義について解説します。
建築物の定義
まずは、法律から読んでいきましょう。!
建築物の定義は、建築基準法の最初の第2条に規定されています。
[建築基準法第2条第一号(用語の定義)]
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨(こ)線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
これだと、分かりずらいので、表にすると以下のとおりとなります。
建築物(土地に定着する工作物のうち①から④のもの) | |
---|---|
① | 屋根+柱、屋根+壁 (これに類する構造のものを含む) |
② | ①に附属する門、塀 |
③ | 観覧のための工作物 |
④ | 高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設 |
①については、屋根+柱または屋根+壁を有し、かつ土地に定着するものは建築物となります。これが最も多い建築物の例です。
②については、理解されていない場合があるんですが、敷地の中に建築物があって、その建築物に附属するかたちで、門または塀がある場合は、その附属する門または塀も建築物となります。
③または④はあまり例としては少ないですが、③については野球場や運動場などで観覧が設けられている工作物、④は鉄道の高架下に設けられている建築物のことです。
補足:コンテナは建築物?
海上輸送等で使用する6ft or 12ftコンテナを倉庫などで利用したいと考えている方もいるかと思います。
コンパクトですし海上輸送用に何層に積み上げられるようににつくられているので、頑丈ですから使いたい需要が一定程度あるようです。
直置きするくらいなら建築物には該当しないと考えがちですが、実際は、倉庫や事務所といった用途に供することになれば建築物になります。
※参考:国土交通省建築指導課長通知(平成16年国住指発第2174号)
土地に定着するとは?
まずご理解いただきたいのが、
固定しなければ建築物ではない! → 誤りです!!
では詳しく説明します。
土地に定着という文言については、過去の判例において、
地面に埋設された基礎などがなくても、容易(随時かつ任意)に動かすことができないものは、土地に定着している
と見なされると判断されています。
例えば、簡単に動かすことができない規模の倉庫(仮に地面に置いただけで固定していないもの)でも、土地に定着しているとなるため、建築物に該当し、建築基準法への適用、さらには建築確認申請が必要になってきます。
つまり、建物と地面(基礎)を固定していなくても、”土地に定着”に当たるということもありえるので、ただ単に置いたから仮設だし建築物には該当しないから解釈して、建築確認申請を出すのやめようと言った考えはとても危険です。
まとめ・補足
今回は、建築物の定義と、土地に定着について解説しました。
一般的には、屋根+柱、屋根+壁で構成される造作物は建築物となります。なお、屋根としての効用がないパーゴラについては建築物に該当しません。
建築物(土地に定着する工作物のうち①から④のもの) | |
---|---|
① | 屋根+柱、屋根+壁 (これに類する構造のものを含む) |
② | ①に附属する門、塀 |
③ | 観覧のための工作物 |
④ | 高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設 |
また、よくある事例として注意いただきたいのは、プレハブ倉庫やコンテナ倉庫です。ただ単に地面に置いたのみでレンタル倉庫を行っている事業者が見られますが、基礎と固定していない建物(プレハブ倉庫など)についても土地に定着していると判断されるため建築物となります。
*法人による法令違反は重大な犯罪となり刑事告発される可能性があります。
参考記事