結論:原則として、上部に屋根としての効用がないパーゴラは建築物ではありません。パーゴラそのものを定義した法令はないため、商品名や呼び名ではなく、実際の上部材が雨露をしのぐ屋根になっているかで判断します。土地に定着し、屋根の効用を持ち、柱または壁があれば建築物です。シェードやポリカ板を後付けする計画も含めて確認します。
こんにちは!やまけんです^ ^ パーゴラは、ツタを絡ませて自然な日陰をつくる姿がやはりきれいだと思います。ただし、最近は「パーゴラ」と書かれた商品に可動シェードや透明屋根を組み合わせる例もあり、名前だけでは法令上の答えを出せません。雨の日にその下をどう使えるのかまで見ておくのがポイントです。
パーゴラは屋根の効用で判断する

法第2条第1号は、土地に定着する工作物のうち「屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)」を建築物と定義しています。パーゴラ自体を名指しした全国一律の除外規定はありません。
ですから、法令上の原則はシンプルです。植物を誘引するための開放的な骨組みで、上部材に雨露をしのぐ屋根としての効用がなければ、建築物ではありません。一方、同じ骨組みでも板や常設シートを載せて屋根の効用を持たせれば、パーゴラという呼び名のままでも建築物です。
- 建築物ではない:上部材の間が十分に開き、雨がそのまま落ちる植物誘引用の骨組み。常設の膜・板・ルーバー等を載せないもの
- 建築物となる:ポリカーボネート板、金属板、常設シート等で雨露をしのぎ、下部を休憩、物品保管、駐輪等に継続使用するもの
- 屋根の効用を個別に判断する:密なルーバー、開閉式シェード、防水性の高い植物被覆、季節によって常設状態が変わるもの
上部材の隙間に全国共通の「何cm以上なら屋根ではない」という数値基準はありません。隙間の寸法だけでなく、部材の重なり、勾配、排水、素材、開閉頻度、設置期間、下部の用途を合わせて判断します。国土交通省が自立型太陽光発電設備について示した技術的助言でも、パネル下を屋内的用途に供さず、架台下の空間を居住・執務・作業・集会等に使わないことを建築物非該当の条件にしています。パーゴラへその助言をそのまま適用するわけではありませんが、形の名称ではなく、屋根の効用と空間利用を見る考え方は共通します。
可動シェードでも自動的に建築物外にはならない
「開閉できるから屋根ではない」とも言い切れません。普段から閉じて雨よけに使う、レールと膜が常設される、閉じた状態で下部を客席や物置として使うなら、実態として屋根の効用があると判断される余地があります。反対に、短時間の日除けだけで、雨天時は収納し、下部を屋内的に使わない計画もあります。ここは商品カタログの呼称ではなく、平面・立面・断面と使用方法で所管特定行政庁に示す論点です。
確認時には、次の資料を揃えると話が早いです。
- 配置図、平面図、立面図、断面図、最高高さ、柱間寸法
- 上部材の幅・間隔・重なり・勾配と、膜や屋根材の有無
- 基礎・アンカー等の固定方法と設置期間
- シェードの開閉方法、通常時・雨天時の状態
- 下部を庭、休憩、客席、駐輪、保管のどれに使うか
- 将来ポリカ板等を追加する予定があるか
建築物に該当した後は確認申請だけで終わらない
建築物に該当すれば、床面積、建蔽率、用途地域、接道、防火地域・準防火地域、法第22条区域、構造安全を確認します。確認申請が必要かどうかは新築・増築の別、区域、規模で決まり、建築物該当性とは別問題です。「10㎡以下だから建築物ではない」わけではありません。
骨組みだけを先に設け、後から屋根材を載せる場合も注意が必要です。屋根を加えた時点で建築物となるなら、その工事を新築または増築として整理し、屋根を載せた状態の風圧力、積雪荷重、柱脚・基礎まで検討します。日除け用に細く設計した部材へ、確認なしで屋根荷重と吹上げ荷重を追加しないでください。
屋根を木現しにできるかも一律ではありません。法第22条区域等の屋根は法第22条・告示等の対象となり、防火地域・準防火地域では建築物全体に求める性能と屋根の仕様を確認します。ガルバリウム鋼板にすれば必ず適法、木材なら必ず違反という単純な話ではなく、下地を含む認定・告示仕様、延焼のおそれのある部分、建築物の区分を照合してください。
一次資料:e-Gov 建築基準法第2条(建築物の定義)/同第6条(建築確認)/同第22条(屋根)/国土交通省・土地に自立して設置する太陽光発電設備の取扱い/横浜市建築基準法取扱基準集
建築物該当性の基本は、次の記事で詳しく解説しています。
建築確認の区分を整理するときは、建築確認の簡易判定ツール、条文から追うときは条文ナビもご利用ください。
まとめ:パーゴラには法令上の独立した定義がありません。だからこそ原則は明確で、屋根としての効用がなければ建築物ではありません。屋根材やシェードを加えて雨露をしのげる状態にするなら、その時点の姿を建築物として検討してください。












