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【都市計画区域外の建築】建築工事届出・建築確認申請の注意点を分かりやすく解説

この記事では、次の2点について解説を行っています。

  1. 都市計画区域外での建築工事届出
  2. 都市計画区域外での建築確認申請

都市計画区域外では、建築工事届出と建築確認申請の2ケースありますので、どういった場合に建築工事届出や建築確認申請が必要となるのか解説しています。

こんにちは。やまけんです!!

YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産取引に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

建築基準法や都市計画法、宅建業法といった都市づくりに欠かせない法律は、複雑かつ難解なので理解に苦しみますよね。そのような方のために、法律を上手に活用してビジネスや生活に活用してもらいたいと思いつくったブログです。

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では、早速、法律の趣旨から説明していきます。




建築工事届出が必要となるケース

建築工事届出の規定は、建築基準法第15条の規定されており、そのうち、第1項が届出の規定について記載されています。

〔建築基準法第15条第1項抜粋〕 
建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10㎡以内である場合においては、この限りでない。

建築基準法第15条第1項

この建築基準法第15条第1項を分かりやすくまとめると次のとおりになります。

建築工事届出

建築主が都道府県知事に提出(建築主事経由)
*一般的には工務店や建築設計事務所が代理人として提出
*建築確認申請が伴う場合は、建築確認申請書に添付

建築物除却届出

除却工事を施工する者が都道府県知事に提出(建築主事経由)
*一般的には施工会社が代理人として提出

なお、いずれも床面積が10㎡以下の場合は届出は不要となる。

建築主事は、建築(除却)する場所を管轄している建築主事を置く市又は都道府県(多くは出先事務所)になります。(町や村でも建築主事を置いていれば、そこを経由します)

これがいわゆる「建築工事届出」の規定となり、全国どこで建築しても届出が必要となります。

建築工事届出の様式

届出の様式は省令で定められており、省令第8条に規定されています。

省令では「別記第40号様式」又は「別記第41号様式」を使用することになっておりますが、この省令において第2項及び第3項で届出を行うケースについて規定されています。

第2項
既存の建築物を除却し、引き続き、当該敷地内において建築物を建築しようとする場合においては、建築物を建築しようとする旨の届出及び建築物を除却しようとする旨の届出は、前項の規定にかかわらず、合わせて別記第40号様式による。

建築基準法第15条第2項

→既存建築物を除却して新たに建築するケースは、別記第40号様式(建築工事届)の提出だけでOKです。

→除却だけの場合は、別記第41号様式(除却届)の提出だけでOKです。

第3項
前2項の届出は、当該建築物の計画について法第6条第1項の規定により建築主事の確認を受け、又は法第18条第2項の規定により建築主事に工事の計画を通知しなければならない場合においては、当該確認申請又は通知と同時に(法第6条の2第1項の確認済証の交付を受けた場合においては、遅滞なく)行わなければならない。

建築基準法第15条第3項

→建築確認申請が必要となる場合は、建築確認申請と一緒に届出を提出することになります。

なお、様式については、インターネットで「建築工事届 様式」と検索すればどこかの自治体で公表しているものをダウンロードできるはずです。
*東京都さんが最も分かりやすいです。なお、東京都さんのを使用するときは、宛名だけはちゃんと地元の都道府県名に直すのを忘れないようにしてください。

都市計画区域外の注意点[建築確認申請]

今日の本題はここからなのですが、都市計画区域外での建築=建築工事届出のみ でOKと思っていません?意外といらっしゃるのですが、建築確認申請手続き違反とならないように注意が必要です。

基本的な考え方として建築基準法第6条第1項第四号に該当する建築物の建築は確認申請は不要となります。

▶︎建築基準法第6条第1項の大改正が行われます。詳細はこちらの記事をご覧ください。

ただし、先ほどの省令第8条第3項に関わってくるのですが、建築確認申請と一緒に建築工事届出を行わなければならない建築物は建築基準法第6条第1項各号に該当する建築物となる部分に留意しておく必要があります。

よって、この各号に該当しない建築物(一号から三号に該当しない四号建築物で都市計画区域外など)は、建築工事届出のみが必要になるということです。

これがいわゆる都市計画区域外の4号物件は建築確認申請不要とする考え方です。

法第6条第1項各号の建築物については、次のページをご覧ください。
▶︎用途変更の面積規模が変更!(建築物の用途変更に伴って建築確認申請が必要となる規模が見直し! 100㎡から200㎡超えに)

一号から四号に該当しない建築物は、例えば次のような建築物をイメージするといいです。
○鉄骨造、1階建て、50㎡の物置、都市計画区域外
○木造、2階建て、150㎡の一戸建ての住宅、都市計画区域外

よくある誤解として、一戸建て住宅で2階建て鉄骨造の場合、住宅だから不要だと勘違いしてしまう場合があるんですよね。鉄骨2階建てとなれば、三号建築物となり建築確認申請が必要です。

それから、一般的に都市計画区域外において建築確認申請が不要となる木造2階建ての一戸建て住宅でも注意しなければならないのが、「土砂災害防止法」に基づく「特別警戒区域(いわゆるレッドゾーン)」です。

このエリア内で居室を有する建築物は、建築基準法第6条第1項第四号建築物とみなされることになります。

つまり、一号から三号に該当しない建築物で都市計画区域外であっても、建築工事届出のみではなく、建築確認申請が必要になるということです。

届出を行わない場合の罰則規定

建築基準法第103条第二号の規定により、届出をしなかった者、虚偽の届出をした者は、50万円以下の罰金になりますので注意が必要です。

近年では、住宅ローン審査のため、建築工事届をしっかりと提出して、建築確認申請不要証明をもらうケースが多いでしょうから、届出をしないケースというのは少なくなったように思います。(個人的な主観です)

まとめ

都市計画区域外だからといって建築工事届出を提出しないという考えはOUTです。建築確認申請が不要なのは建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物のみとなります。

建築工事届は役所に必要事項を記入して提出するだけなのでいたって簡単です。

ただし、建築主自ら提出を行うというのは少し難しい部分があるかもしれません・・・そのときには建築士に相談してみましょう。*一般的には工務店や建築設計事務所が代理人として提出を行います。

ちなみに・・・あまり関係しない余談ですが、

工した後、役所の資産税を担当する部局で現地を見にいくようになっていますが、これはおそらく、建築計画概要書(建築確認申請の際に提出)を見て来てるのかなと思うのですが、都市計画区域外はどうしているのか不思議です・・・届出は都道府県知事宛てですから、市町村は分からないんですよね・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆さまのお役に立っていれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など