第一種低層住居専用地域内では、単独での車庫・倉庫は建築できない

たまーに相談があって、どうやっても無理ですねとお客さんに伝えることがあるんですが・・・
「第一種・第二種低層住居専用地域」では、一つの敷地内に単独で「倉庫」や「車庫」を建築することはできません。

今回の記事では、この件について解説します。
なお、建築士の方向けではなく、建築主向け記事となっております。

こんにちは!!建築士をしているYAMAKEN(やまけん)です。

それでは、短い解説になると思いますが、理由を知りたい方はちょっとお付き合いください。




単独で建築計画が起きるケース

「第一種・第二種低層住居専用地域」内というと、基本的には戸建住宅や低層共同住宅、診療所などを建築することができる地域です。

ですが、一戸建て住宅を所有している方だと、敷地内が手狭になってしまったケースとして、隣地を購入(賃貸)できない場合は、近隣に土地を求めることがあります。

その場合に、単独で「倉庫」や「車庫」を建築せざるを得ない状況になることがほとんどです。
要は、自己の敷地の隣地を購入(賃貸)することができない飛び地のケースです。

これに関しては、単独で建築することは不可能です。
上記の施設については、法令により付属建築物以外は建築することができない規定となっています。

なお、建築基準法第48条だだし書きによる建築もありえますが、たった一個人のために例外許可するなんてことは絶対にないですね。だって、法令には、「公益上やむを得ない場合」と規定されていますからね。

間違っても、行政に相談しないようにしてください。(相談したら、何を言ってるんだこの人はとなります・・・恥ずかしいからやめましょう)

単独で建築できない理由

では、何故、建築することができないのか。
根拠は、建築基準法別表第2(い)欄に掲載されています。

(い)
第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
○住宅、兼用住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館、神社、寺院、教会、老人ホーム、保育所、福祉ホーム、公衆浴場(風俗営業施設を除く。)、診療所、巡査派出所、公衆電話所等
○ 上記に附属する建築物

ポイントは、”建築することができる建築物”と規定されていることです。
ここに掲げている用途のもの以外のものは原則として建築することはできません。

*第一種低層住居専用地域内の建築制限について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

あらためて、法別表(い)欄を確認すると、どこにも、倉庫や車庫といった単語は出てこないですよね?

ですので、単独(建築確認申請上の敷地内に単独で建築するケース)では建築することができません。

ちなみに建築基準法に敷地とは、次のように定義されています。

敷地の考え方
一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

 

用途上不可分の考え方について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

 

補足

よく考えてみると理解できますが、第一種低層住居専用地域は、低層住宅のために良好な住宅街区を形成する考えに立っていますから、不特定多数の住環境を害する恐れがある施設(不特定多数の利用を排除できない住宅等に附属しない倉庫や車庫)は、建築を禁止しています。

ですので、第一種低層住居専用地域内では、自分や家族以外が利用しないのであれば、自己の敷地の隣地を買い求める方法しか一戸建て住宅の附属建築物として建築することはできません。

それか、どうしても住宅の近隣に倉庫や車庫が欲しいのであれば、建築することができる用途地域(第二種中高層や一種住居地域など)に引っ越すしかありません。

まとめ

第一種低層住居専用地域内では、単独で「倉庫」や「車庫」を建築することができない規定となっていることを踏まえて、不動産購入時から建築計画を考慮した立地場所の検討を行うことが必要です。

あとから、理想の形を実現することができなかったなんて言わないように注意しましょう!!

なお、車庫については、容積率の算定から一定面積を除くことが可能です。
(これに関しては、次回、記事にする予定です。)

そのため、自己敷地内であれば、容積率不算入とすることができる床面積が規定されているので、自分で建築して違法建築物となる前に、建築士に相談して建築計画から完了までサポートを受けるようにしてください。

それでは、今回は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。