【用途地域がまたがる敷地】用途地域や22条区域などにまたがる場合の規制を分かりやすく解説

この記事では、建築基準法第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)を解説しています。建築基準法第91条とは、簡単に言ってしまえは「敷地の5割超」の用途地域等を適用するというものです。

*ただし、一部が除かれているので注意が必要です。是非、最後までお読みください。

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またがる場合のまとめ

建築基準法の中で規定される地域や地区が建築物の敷地をまたがる場合。

どういったルールが敷地全体に適用されて、どのルールが部分的に適用されるのかは、建築基準法第91条と個別の条項を確認する必要があります。

建築基準法第91条では「敷地の過半に属する区域」についてはその過半に属する用途地域等を適用すると書かれていますが、( )かっこ書きのところに注意が必要で、( )かっこ書きの部分では、「除く」と書かれていて、過半に属する地域ではなく部分適用となると規定されています。

[建築基準法第91条]
建築物の敷地がこの法律の規定(第52条、第53条、第54条から第56条の2まで、第57条の2、第57条の3、第67条第1項及び第2項並びに別表第3の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第22条第1項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。

この建築基準法第91条のみを分解すると、次の表の条項を除いて『敷地の過半の属する区域等』が適用されます。
*特例容積率適用地区(建築基準法第57条の2・3)と特定防災街区整備地区(建築基準法第67条)は汎用性が低いことから記載を省略しています。

部分適用の概要留意事項
屋根不燃化の区域
(22条)
建築物の一部でも22条区域に重なる場合は建築物全体に適用
容積率
(52条)
敷地の加重平均
(荷重平均の計算例)
第一種低層住居専用地域:容積率80%,敷地面積200㎡,
商業地域:容積率400%,敷地面積100㎡ 合計敷地面積300㎡
>>>200㎡/300㎡*80%+100㎡/300㎡*400%≒187%
建蔽率
(53条)
敷地の加重平均
注)法第53条第7項(建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合)
敷地内の建築物の全てが耐火建築物であるときはその敷地はすべて防火地域内にあるものとみなして、第3項第一号、第6項第一号の規定を適用
外壁の後退距離
(54条)
建築物の部分
建築物の高さの限度
(55条)
建築物の部分
道路斜線・北側斜線・隣地斜線制限
(56条)
建築物の部分
日影規制
(56条の2)
日影の対象区域外の土地は、日影を生じさせる場合には適用
*令第135条の13を参照
高度地区
(58条)
都市計画に定められた内容に適合させる
防火地域・準防火地域
(61条)
建築物が一部でも重なる場合には防火地域又は準防火地域が適用
なお、建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合には、防火地域が適用

では、ここから補足説明します。

用途地域が2以上にわたる場合は?

よくある相談ケースとして、最も多いのが用途地域に関する規定です。

用途地域の場合には、建築物の敷地の過半に属する地域の制限を受けるようになります。
例えば、敷地面積の合計が200㎡で、一種住居地域が150㎡、商業地域が50㎡の場合には、敷地過半は一種住居地域となるため、「第一種住居地域」の用途地域制限が適用となります。

あくまでも建築確認申請上の敷地設定であることに注意が必要です。

意図的な敷地設定による用途制限回避は、用途制限を逃れていると捉えられる可能性もあるので、敷地を拡大若しくは縮小することにより用途制限を逃れる場合には事前に行政に確認することをおすすめします。

>>>詳細はこちら(現在、執筆中)

また、用途地域境を明確にするためには、行政に確認しなければなりませんので不動産売買時には注意するようにしてください。この行政確認は境界の復元といいます。詳細記事を書いておりますので、参考になれば幸いです。

敷地に市街化調整区域が含まれる場合は?

建築計画する敷地の一部に市街化調整区域が含まれる場合には、都市計画法に基づき立地基準の制限を受けるようになりますので、建築計画の前段階で開発行為を指導する行政の部署に相談しましょう。

なお、これについても市街化区域と市街化調整区域、市街化調整区域と都市計画区域の境を行政に確認しなければなりませんので不動産売買時には注意するようにしてください。

>>>詳細記事はこちら

本記事のまとめ

2以上の地域や区域等が敷地に含まれる場合の建築基準法の規定について解説しました。

原則的(基本的)には、建築基準法第91条を確認する必要がありますが、法令の条項ごとに個別にわたる場合の措置を適用しているケースがあるので、建築計画時には留意して設計する必要があります。

なお、特に用途地域については建築できるかどうかが関係してくることから売買後のトラブル防止のため、売買する敷地の一部でも2以上の用途地域が含まれる場合には、必ず行政に確認するようにしてください。

それでは、今回の記事は以上となります。