2020年宅建試験で建築基準法を勉強するポイント(令和元年度試験を復習)

先日、宅建士試験では建築基準法の問題を捨てる方がいるという話を聞きました・・・
捨てなくて大丈夫です。諦める前にこの記事を読んでみてください。

こんにちは!やまけんです。
建築や都市計画に関する業務経験を活かして建築士や宅建士の仕事に役立つ情報を発信しています。

今回の記事では、宅建士試験において、建築基準法どのように勉強すれば良いのか解説していきます。
簡単に解説するので、テキストの勉強と合わせながら、ゆっくり何度も読んでみてください。

それでは解説します。




宅建士試験における建築基準法の出題割合

出題数 建築基準法の出題数 割合
50問 2問 4%

50問中2問しか出題されませんが、都市計画法と並んで実務上は必須の知識となりますので、宅建士試験勉強にあわせて、基礎知識は習得しておけば、就職・転職した後が楽になるはずです。

宅建士試験における建築基準法の出題問題

令和元年度の試験では建築基準法に関する問題が2問(No17、18)出題されました。

出題された問題の概要としては、次表のとおりです。

条文は問題を覚えるのにあまり関係ないので、”問の概要”だけみるようにしてください。

問17

問の概要 法令
特定行政庁による違反建築物に対する使用制限等 建築基準法第9条
災害危険区域の条例制定 建築基準法第39条
防火地域内の看板の構造 建築基準法第64条
共同住宅の住戸に係る非常用照明 建築基準法施行令第126条の4

この問17の問題ですが、1番の問題(特定行政庁による違反建築物に対する使用制限等)については、ちょっとだけ難しいかなと思うものの、2番から4番の問いについては、非常に簡単です。

まず、2番の災害危険区域の条例制定についてですが、津波や河川洪水といった危険性のある区域について住宅建築を制限するのが災害危険区域となります。

災害危険区域は、地方公共団体が指定するもので、国が指定するものではありません。さらに、災害危険区域内については、住宅の建築等を制限するため、条例化が必要となります。条例とは国以外の地方公共団体がせ制定するものと考えておけばOKです。

[建築基準法第39条]
地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
2 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。

 

次に、3番目の防火地域内の規定ですが、防火地域内の看板に関する規制となります。

防火地域内とは、密集した市街地において火災の延焼を最小限に止めるため、建築物の構造等を制限するものとなりますが、看板が簡単に燃えてしまったら大変ですよね?ですから、看板については、不燃材料で造ることが求められます。

なお、法律では屋上に設けるもののほか、高さが3mを超える看板や装飾塔なども対象となります。

[建築基準法第64条]
防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ3mを超えるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない

 

次に、4番目の非常用照明設置に関する問題ですが、多少難しいかもしれません。

寝室なんだから危ないし、非常用照明はあった方が良いのでは思うかもしれませんが、住戸部分や病院の病室、学校等については設置が免除されています。
『え?免除するの?』と思うくらいなので、試験問題と出題されるわけです。

[建築基準法施行令第126条の4(抜粋)]
法別表第1(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が3以上で延べ面積が500㎡を超える建築物の居室、〜(略)〜 並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
三 学校等
四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの

 

ちなみに1番目の違反建築物への対応に関する問題ですが、覚えるポイントとしては、”やりすぎ感がないか”どうかくらいで覚えるといいかも。

例えば、特定行政庁が建築基準法の違反者に対して、猶予期間なく、すぐに撤去命令を出す場合を想定してみてください。いくら違反しているとは言え、弁明の機会も猶予期間もなく撤去命令を出すにはやり過ぎ感がありませんか?そんな程度で建築基準法第9条は覚えると良いですね。

[建築基準法第9条第5項]
特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。

*前5項について
第1項:特定行政庁による違反建築物への是正措置命令
第2項:違反者から特定行政庁への意見書等の提出機会
第3項:違反者から特定行政庁への公開意見聴取の請求
第4項:特定行政庁による違反者への意見聴取

問18

問の概要 法令
第一種低層住居専用地域内の兼用住宅の制限 建築基準法別表第2(い)項
工業地域内の用途制限 建築基準法第48条
建蔽率の緩和 建築基準法第53条
路地状敷地に対する制限の付加に関する条例化 建築基準法第43条

この問18は2番さえ知っておけば簡単に解けた問題です。

出題内容全般に言えることですが、重要事項説明において、すべて必須の項目となります。この規定については、必ず覚える必要があります。

なので、基本としては、テキストを使って覚えましょうと言うしかないです。

とはいえ、用途地域内の制限を全て暗記するには至難だと思います。
ですので、方法としては、過去問をみておくことと、近年改正された用途地域などについては必ず覚えておくようにしましょう。

建蔽率の緩和ですが、複雑そうに思えて実は簡単です。
建蔽率のリミッター解除については過去にも出題されていますから、何回か解くことでマスターすることが可能です。

4番目の問題ですが、条例化されるという点と、近年改正された建築基準法第43条の規定であるという点に注目する内容となっています。

近年改正されたことで、出題されたと思われますが、これまた重要事項の説明においては、必須の知識(43条は必ず覚える!)となりますから、勉強しましょう。

なお、私のnoteでは二級建築士試験向けに近年の改正概要をまとめています。宅建士試験でも応用が十分に可能ですので、絶対に試験に失敗したくないという方は是非ご覧になってください。

それでは、宅建士試験における建築基準法を覚えるポイントについてです。

宅建士試験における建築基準法を覚えるポイント

ポイントは、ありきたりかもしれませんが、過去問で出題された内容と近年改正された内容を把握することです。

これ以外に複雑な建築基準法をクリアする手立てはありません。

なお、具体的には用途地域の制限さえ覚えておけば1問は取れると思った方が良いかもですね。
複雑だし覚えるのが難しいかもしれませんが、一度頭に入れてしまえば、実務上も使用できますので頑張って勉強してみてください。

過去に書いた記事がありますので、こちらの記事を参考にしてみてください。

2020年宅建士試験における建築基準法(2問)の攻略法を建築士が解説

2019-07-14

用途地域の覚え方(宅地建物取引士試験対策)

2019-03-17

それでは、今回の記事は以上となります。

最後までご覧いただきありがとうございました。宅建士を勉強されている方の参考になれば幸いです。

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