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建築や都市計画に関する情報を発信しているブロガー(@yama_architec)です。
今回、この記事で解説する『マンション建替法(マン建て法)』は、不動産取引における重要事項説明事項(その他の法令上の制限)の対象となっており、調査した上で、当該該当する場合は買主に対し説明する法令となっています。宅建業法施行令第3条第1項第17の2号に規定されています。
ポイントは次の用語です。これに該当する場合は重要事項説明が必要となります。
- 要除却認定マンションの建替えにあたり特定行政庁より容積率緩和の特例を受けた新築マンション
重要事項説明の対象となる内容
マンション建替法第105条第1項が重要事項説明の対象となっています。
この第105条第1項は、法第102条第1項に基づく認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションについて特定行政庁の許可により容積率を緩和(一定の敷地面積の確保・市街地の環境の整備改善に資するもの)できる旨が規定されています。
通常、マンションの売買であれば、特定行政庁より容積率緩和の認定を受けたかどうかは売主が把握している事項のため、調査に難航することはないですが、仮に売主も分からない場合には、築年数の古いマンションを一度建替ている場合は留意が必要です。なお、容積率の緩和ですので、都市計画で定められた容積率を超えて建築することが認められています。
【マンション建替法第105条第1項(容積率の特例)抜粋】
その敷地面積が政令※1で定める規模以上であるマンションのうち、要除却認定マンション※2に係るマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建ぺい率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可※3したものの容積率は、その許可の範囲内において、建築基準法第52条第1項から第9項まで又は第57条の2第6項の規定による限度を超えるものとすることができる。
※1政令で定める敷地面積とは
- 一種低層・二種低層・田園住居・用途地域指定なし:1,000㎡
- 一種中高層・二種中高層・一種住居_二種住居・準住居・準工業・工業・工業専用:500㎡
- 近隣商業・商業:300㎡
※2要除却認定マンションとは?
法第102条に規定されている耐震性が不足したマンション(建築物の耐震改修の促進に関する法律第22条第2項及び第25条第2項)をいいます。
なお、令和2年の法改正(施行は公布後1年6ヶ月以内を予定)により新たに「外壁の剥落等により危害を生ずるおそれがあるマンション」や「バリアフリー性能が確保されていないマンション」なども対象となる予定です。
※出典:国土交通省 ▶️詳しくはこちら(国土交通省HP)
※3許可基準など
東京都などでは、容積率緩和を行うための基準等を定めていますので国のリンクページを参考にしてみてください。▶️https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr5_000008.html