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先日、知り合いの不動産業者から聞いた話(違法造成工事)

こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます。
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宅地嵩上げ時に起きる違法造成

今回の話、先日、知り合いの不動産業を営まれている方から聞いたのですが、近年、全国各地で水害が発生していることもあってか、既存住宅を建て替えるときに、宅地の嵩上げを行うおうとする方が増えているようです。

宅地の嵩上げが行われること自体は、災害リスクを低減するという意味でとてもいいことだと思います!!。

がしかし、その方法が問題です!

嵩上げ方法を違法に行なってしまう事業者がいるのも事実です。
お客さんにコストを低くおさえたいと強く要望を受ければ仕方なく行なっている場合もあるんでしょうけど、何かあったときに責任を問われるのは、建築士や施工業者さんです・・・(泣)

先日、知り合いの不動産業者からこのような(↓↓↓)な現場を見たと教えてもらいました。
(善良な建築士さんや業者さんでしたら、『え゛〜〜〜〜』というと思います。)

知り合いが発見した違法造成の現場

これ、何がヤバイって、、、土圧をかけてはいけないモノにかけてしまっていることです。(φ9㎜のシングルに何ができるねんって話ですw)

建築基準法第19条では、宅地の安全確保として、上記のような場合には、擁壁の設置を求めていますが、上記の場合には、コンクリートブロックは塀であって、土圧を受けて宅地の安全性を確保する擁壁にはなりません(宅地造成等規制法に基づく国土交通大臣認定品を除く)。

擁壁とは、土圧に対して、転倒、滑動、破壊等が生じないモノです。

明らかな構造違反ですよね。

これまで大きなクレームに発展したことがないから、やってしまうことがあるんでしょうが、う〜〜ん、たまたま大きな地震が来なかったり、ちょうど良い水抜きの隙間があったりと、運が良かっただけのような気もします。

そして、このような違法ブロックは数年経つとこんな(↓↓↓)感じになります

お分かりでしょうか。

水分を含んだ土圧によってコンクリートブロック塀は傾くか、はらみ出してきます。
傾いた分、土は動いていることになりますから、その移動した体積分、建築物を支える地盤から失われているわけです。そのためいずれは、建築物本体にも影響が生じます。

さいごに

今回紹介した違法事例ですが、ここまで明らかな違法な擁壁の設置は稀かなとは思います。

実際、わたしも同様の光景を見たことがあります。それに、建築基準法に違法していますし、何より自分の財産の価値を下げる行為になっています。

せっかく、水害リスク対策として宅地の安全対策を行うのですから、しっかりと安全対策を行いましょう!と伝えたいです。

なお、こうした宅地嵩上げは、高さが2m未満になりやすいことと既存住宅地の建て替え時などで行われるため、建築確認や開発行為が不要なケースがほとんどですから、違法とならないためにも、基本的には宅地造成等規制法に基づく国土交通大臣認定品使用することをお勧めします。

ちなみに、仮に、こうした違法擁壁が我が家の隣だったら、見つけ次第、すぐに役所に通報しますw

ということで以上です。また〜〜〜♪

補足:参考書籍

違法造成敷地はもちろんですが、擁壁が必要となる造成宅地については、建築士さんや不動産取引の方にとっては、何かあったら怖いのであまり触りたくないというのが本音だと思います。

わたし自身も擁壁が関係する敷地での建築相談に関してはちょっと・・・となりがちです。

そのような状況で参考になるような本はないかなと思ったらありました。こちらの本では、実際の紛争事例を掲げて予防・対応のポイントを示している点と、宅建業務に精通した弁護士が共同で執筆している点です。事務所に一冊あると実際に使えるお守り的存在になるはずです。

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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など