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「都市再生整備計画」と「立地適正化計画」の関係性と両者の違い

この記事では、一見違いが分かりずらい都市再生整備計画と立地適正化計画との違いについて分かりやすく解説しています。

こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

都市政策に関わる行政職員なら理解していると思いますので、はじめて聞いた!という方向けに書いています。




都市再生整備計画と立地適正計画の違い

都市再生整備計画も立地適正化計画も同じ法律(都市再生特別措置法)に基づいているのですが、決定的な違いは、都市再生整備計画は立地適正化計画に掲げた誘導施策を実行するための計画であるという点です。

なお、立地適正化計画とはネットワーク型コンパクトシティの形成を推進する計画で、計画の中で居住や都市機能の誘導を図る区域を定めるとともに実施施策を位置づけて、国の補助金を活用しながら市町村の独自施策も行いつつ緩やかにコンパクト化を図っていくものです。
また、ネットワークの部分を担う地域公共交通計画とも連携を図ります。

つまり、立地適正化計画の中で誘導施策の一つとして都市再生整備計画が位置づけられていると思って頂くのが分かりやすいのかなと思います。

なお、現在は、立地適正化計画の作成がなくても都市再生整備計画を作成し補助金の交付を受けることが可能になっていますが、国では令和7年度以降は立地適正化計画の計画作成市町村以外への交付は行わないとしています。
>>https://www.mlit.go.jp/toshi/crd_machi_tk_000012.html

項目都市再生整備計画立地適正化計画
根拠法都市再生特別措置法第46条都市再生特別措置法第81条
作成者市町村(*都市再生推進法人は作成の提案を行うことが可能)市町村
目的等都市の再生に必要な公共公益施設の整備等に関する計画住宅及び都市機能増進施設の立地の適正化を図るための計画
計画対象区域立地適正化計画で定める都市機能誘導区域又は居住誘導区域等都市計画区域内
計画期間原則5年以内概ね20年先(5年毎に見直し)
特徴立地適正化計画の都市機能誘導区域内等を対象に都市再生整備計画を作成し国に提出することで、予算の範囲内で補助金(社会資本整備総合交付金都市再生整備計画事業、都市構造再編集中支援事業)の交付を受けることが可能。都市再生整備計画を含むのコンパクトシティの形成を図る事業についても誘導施策として計画に位置づける。なお、都市再生整備計画と同等の内容を記載し国に提出することで都市再生整備計画の提出があったものとみなす。
都市再生整備計画と

次の図は、国のまちづくりに関する交付金の変遷を示したもの(国土交通省作成)なのですが、都市再生整備計画について分かりやすく示されているので、両者の違いを知る手助けになるはずです。

都市再生整備計画に関する補助金のこれまでの経緯(出典:都市再生整備計画事業制度の再編等について(案)https://www.mlit.go.jp/toshi/crd_machi_tk_000012.html

現在国内の制度上、市街地の再生整備(再開発や公共施設の再編、駅前整備など)を行う場合には、市町村が単独実施するというよりは国の補助金(社会資本整備総合交付金都市再生整備計画事業、都市構造再編集中支援事業)を活用するのが一般的です。

というのも、このように国の支援を受ける法制度体系(システム)になっていることから市街地再生に必要な予算の確保を市町村単独で実施するなんてことは通常考えられないわけです。ですので、必然的に国の法制度に合わせる形となってしまうのが現状です。

とはいえ、立地適正化計画を作成し重点的に取り組む事業について都市再生整備計画を作成するという外から見ると分かりやすい体系になっているのかなと思います。

ということで以上です。結論としては、都市再生整備計画は立地適正化計画を実現(具現化)するための事業手法の一つということです。

それではまた〜〜♪






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など