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なぜ、市街化調整区域の土地を購入してはいけないの?

基本的な考え方として、農業や林業、漁業に従事(勤めている方)又はこれから従事しようとしている方以外は、土地の購入は控えた方が良い地域です。

前提として、住宅用地を探している方が対象で、現在、市街化調整区域に居住されている方を否定している記事ではありませんのでご注意ください!

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。

YamakenBlogでは、建築や都市計画、宅建に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

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市街化調整区域の土地を購入してはいけない3つの理由

あまり厳しくは言いたいくはないのですが、分かりやすくまとめると、理由は3つあります。

  1. 土地を購入しても建築物を建築できない
  2. 運よく購入できた土地でも売却は難しい
  3. 今後、日常生活が恐ろしく不便になる地域

市街化調整区域を市街地と言われる鉄道やバス、タクシーが走行している地域と同じ景色をイメージしていたら大きな間違いです。

市街化調整区域内は美しい農村風景か郊外の緑に溢れた小〜中規模住宅団地です。
(たま〜に見るにも耐えられない地域もありますが、そこは違法建築物が多い場所です)

①購入しても農林漁業等に従事されている方でない限りは、基本的に建築することができない(自治体の許可を受けることができない)ため、農地法による規制が無い場合には太陽光発電設備や青空駐車場程度のみの活用にとどまります。

②そのため土地需要がそもそも低いため買い手が少ないことから、売りたくても売れない土地になります。運よくマッチングがうまく行った場合のみかなと思うところ。

③また、市街化調整区域内については、人口減少が著しい地域のため、これまではある程度人口がまとまっていた地区でも縮退いく運命です。(日本の人口構造上、どうしようもない事象です。)

当然、スーパーや病院といった生活に必要な施設が遠いと感じるはずで、一般的に不便と認識される方が多い地域でもあります。

というのも、市街化調整区域については基本的に次の3つの型が存在しています。

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市街化調整区域の特徴

  • 農林漁村の人口が少ない地域もしくは人口がまばらな地域
  • 線引き(市街化調整区域の指定)前から建築されている地域(指定前駆け込み建築地域など)
  • 大規模住宅開発団地により造成され住宅の建築が可能な地域

上記の3つの地域はいずれも市街地から比較的距離が離れている地域に多く存在します。

市街化調整区域は、調整とあるように基本的に建築物の建築は認められない地域です。

ですので、例外的に建築を認められた特定の用途(農林漁業従事者用など)以外は、建築できませんから、そもそも需要が著しく低い地域です。

現在、人口減少が進んでいる地方で起っている問題として、農林漁業の継承者がいなくなったことにより、市街化調整区域内の土地を売却したい方が増加していることがあげられます。

子ども達が継承しても農林業を行わないため耕作放棄地域が増えてしまっているのが実情かと思います。

これまでは、農地賃貸の基準を一部緩和したりと柔軟な改正を行ってはきていましたが、課題が大きくなってきたため、もう一歩進んだ形で今年度、新たな法律を整備を行っています。

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ここまでお気づきだと思いますが、市街化調整区域の土地のデメリット・メリット以前の問題として、都市が市街地と田畑部、山間部で構成・構築されていることを考慮すれば、都市の保全に必要不可欠な市街化調整区域は守っていかないといけない地域となります。

ですから、住宅建築を前提とした場合、市街化調整区域は、そもそも市街地(市街化区域)と比較するような地域ではないのです。

まとめ

繰り返しですが、市街化調整区域は圧倒的に不便な地域です。

市街地の拡散防止(都市部の人口密度を維持してエッセンシャル機能を維持)と水源涵養機能などを確保するための地域ですから、市街地とは役割が根本的に異なります。

当然、買い手需要はありません。

とはいえ、市街化調整区域が果たす役割は大きいものがあります。

仮に市街化調整区域に住宅や建築物が乱立してしまったらどうでしょうか?

道路や下水施設といった整備に係る予算が増加し将来的な維持管理費も増えますが、大雨の際に水を溜めることができる面積が減少するため都市全体として洪水の可能性が高まります。

ですから、市街化調整区域は都市にとって大切な地域となります。

・・・農業やりたい!という一代ブームが到来すれば別の話ですが・・・

誰もが安い土地を購入したいのは当然の心理ですよね。

ですので、そうした心理を使って、建築可能な調整区域を購入させる業者がいますが、ホント注意してください。

というのも、将来、建て替えは可能な土地なのか?災害リスクはどの程度あるのか(市街地ではないためリスクが高いです)?過去10年間で地価はどのような推移なのか?

このブログを読まれているあなたが描いている今後20年間の生活スタイルと照らし合わせて総合的に判断する必要があるわけです。

今のこのブログを読まれている方で農林漁業等に興味もなく、車での生活を前提として安い土地を求めているのであれば市街化調整区域はダメです。

代替案として、静かな地域を選択したいのであれば法的な建築制限が少ない「都市計画区域外」を選択してみてください。

それでは以上となります。参考になれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など