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【都計法解説】市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときとは?

いつもYamakenBlogをご覧いただきありがとうございます。

この記事では、都市計画の実務及び宅建士試験でも出題される都市計画法第15条第4項について、解説しています。いわゆる「市町村と都道府県の都市計画が異なる場合の対応方法」となります。非常にマニアックな記事なので、興味がある方・宅建士試験を勉強される方のみお読みください。

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です^ ^
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建築基準法や都市計画法といった都市づくりに欠かせない法律は、複雑かつ難解なので理解に苦しみますよね。そのような方のために、法律を上手に活用してビジネスや生活に活用してもらいたいと思いつくったブログです。

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市町村の都市計画が都道府県の都市計画に抵触する場合とは?


 市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならない。
 市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先するものとする。

都市計画法第15条第3・4項

そもそも、市町村の都市計画が都道府県の都市計画に抵触する場合って何?と思いますよね。そのような自体に陥っていること自体が稀だとは思います。

上記の都市計画法第15条第3項に規定する「都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならない」とするように「適合」という用語であれば、なんとなく理解しやすいですが「抵触」ですからね。

つまり、矛盾ということ。

実務的には、市町村が都市計画を定める場合、一部の市町村によっては邪魔くさ!と思われている(共感していくれる人がいると嬉しい。笑)都市計画法第19条第4項の規定により都道府県との協議が必要となるので、協議の段階で調整がつくされるので、「抵触」する事例はあり得ないとは思います。

少し話が逸れますが、この第19条第4項の規定。市町村の都市計画を定める場合になぜ、都道府県との協議が必要なのか理解に苦しむ方が多い市町村の担当者が一定数いるはず。

都市計画法第19条第4項では、「都道府県知事は、一の市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る観点又は都道府県が定め、若しくは定めようとする都市計画との適合を図る観点から、前項の協議を行うものとする。」と書かれています。

つまり、①同一都市圏内の市町村の利害調整②都道府県が定める都市計画との整合 の2点の観点から協議を行うこととされています。

実際、市町村が定める都市計画の種類によって都市圏を構成する他市町村への影響度合いは異なるので、全ての都市計画において都道府県との協議が必要かといえば違うような・・・というのがわたしの考え。

例えば、駅前の商業地域の1ha程度の拡大と数百㎡の工業地域拡大とで比べたら影響度合いは大きく異なり、工業地域の数百㎡拡大なんてものは他市町村にとっても都道府県にとってもどうでもいいと言ったらダメですけど、他市町村への影響が高いとは想像できないですよね。そのような都市計画に協議が必要・・・?みたいに思うことはあります。

都道府県が定める都市計画と抵触するケースは?

そもそも都道府県が定める都市計画は何?という話ですが、都道府県が定める都市計画に関しては、次の記事に書いてあるので良かったらお読みください。

都道府県が定める都市計画(政令指定都市>>政令指定都市の都市計画特例についての解説など々)の中で最も需要で都市計画の基盤となる部分を定めているのが「都市計画区域マスタープラン(市町村が定める都市計画マスタープランとは異なる計画)」と呼ばれるものです。

この区域マスタープランでは、都市計画の目標や区域区分の指定の有無、土地利用・都市施設整備・市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針が定められます。

各都市計画の方針が定められ、この方針自体が都市計画のため各市町村の都市計画は、都市計画区域マスタープランに記載されている方針に適合しているものでなければ本来は都市計画決定が出来ないです。

ですので、市町村が定めたい都市計画と都道府県との都市計画の方針とを整合させたいのであれば、都市計画区域マスタープランの修正等が必要となります。

この都市計画区域マスタープランの方針に沿わない都市計画を市町村が定めた場合(=都市計画法第19条第4項協議が不調のケース)については、抵触している状態であることから、市町村の都市計画よりも都道府県の都市計画が優先するということです。

例えばですが、前置きとしてあり得ないケースですけど。笑

都市計画区域マスタープランで「市街地の郊外にある主要ではない駅前の市街地開発を抑制して市街地開発事業を実施しない方針」としているのに、市町村がその郊外の駅前で市街地再開発事業を都市計画決定したら? ばっちり都道府県の都市計画に抵触しますよね。このケースだとどちらかというと不適合であり抵触までとは言いにくい。

その他、これも考え難いですが、都道府県と市町村の同様の都市計画道路が並行して重複しているくらいかと(過去に間違えてやっちまった都市計画で変更修正されずに残っているケースなど)

宅建士試験で出題される

この都道府県の都市計画が優先するという規定ですが、なぜか宅建士試験で出題されるんですよね。

宅建士にとって必要な知識なの?考えてみると微妙ですけど、紙媒体しかなかった昭和40・50・60年代はよくあったのかもしれないかもですね。

覚えておいて損はない程度ですかね。実務的にも市町村の都市計画担当者以外は使用しないです。ということで以上です。

久しぶりの記事更新となりました。こちらの記事が読まれた方の参考となれば幸いです♪






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者(建築主事)、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。