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【都市計画の勉強】都市計画区域の指定基準(詳細解説版)

この記事では、以前書いた記事(https://blog-architect.me/2020/03/10/urban-54/)の詳細版となります。都市計画法における「都市計画区域の指定基準」を解説しています。都市計画区域とはどういった理由で指定されるのか簡単に解説しています。

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都市計画区域の指定基準とは?

都市計画法第5条第1項では次のように規定されています。

市+町村(町村については、政令で定める要件に該当)について、「国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移」を勘案して、一体の都市として総合的に整備・開発・保全する必要がある場合に都道府県が指定するもので、行政区域と関係なく都市圏を構成する市町村において指定されます。

なお、都市計画区域は、”指定することができる”とされており、都市計画法上は指定義務はありません。

第5条 都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。

都市計画法第5条第1項

都市計画運用指針(国作成)においても次のように考え方が示されており、当該指針に基づき(場合によっては参酌)、都市計画区域を指定しています。

都市計画区域は、市町村の行政区域にとらわれず土地利用の状況及び見通し、地形等の自然的条件、通勤、通学等の日常生活圏、主要な交通施設の設置の状況、社会的、経済的な区域一体性等から総合的に判断し、現在及び将来の都市活動に必要な土地や施設が相当程度その中で充足できる範囲を、実質上一体の都市として整備、開発及び保全する必要のある区域として指定するべきである。

都市計画運用指針(一部抜粋)

「政令で定める要件」施行令第2条

都市計画法第5条第1項で規定される「町・村」の指定に関する「政令で定める要件」とは、都市計画法施行令第2条各号に規定されており、全部で5つの要件があります。

1つ目は、人口が1万人以上おり、「商工業その他の都市的業態に従事する者」の数が全就業者数の50%以上。この、「商工業その他の都市的業態に従事する者」とは、都市計画運用指針(国作成)において、「国勢調査における産業分類のうち第2次産業及 び第3次産業とすることが望ましい。」とする記述がなされており、つまり、製造業・建設業やサービス業などに関する産業の従事している者が対象となります。

次に2つ目は、今後、約10年以内に先ほどの一つ目の要件に該当する可能性があること。なお、「当該町村の発展の動向、人口及び産業の将来の見通し等」について、都市計画運用指針において、「当該町村における人口の自然的要因及び社会的要因による変化の見通し、工業、商業その他 の主要産業の業況の変化とこれに伴う土地需要の見通し、道路、鉄道等の新設、改良の予定に加え、例えば、社会・経済に大きな影響を与える産業振興等に係る計画の策定や大規模プロジェクト等の実施などと解することが望ましい。」と記載されています。

3つ目は、中心の市街地を形成している区域内の人口が3千人以上いることが求められています。なお、「中心の市街地を形成している区域内の人口」とは、都市計画運用指針において、「人口密度がヘクタール当たり40人を超える市街地の連担している区域及び当該区域に近接した集落を含めた区域とすることが望ましい。」と記載されており、つまり、国勢調査における人口集中地区が該当します。

4つ目は、多数人が集中する温泉などの観光資源などで、良好な都市環境の形成を図る必要があると判断される場合です。なお、都市計画運用指針では、「例えばテーマパーク、海水浴場等のレクリエーション施設や史跡等の観光資源があることにより、観光客等多数人が集中する場合が考えられる。」とする記載がされています。

最後5つ目は、災害等により市街地の相当数が滅失した場合、市街地の健全な復興を図る必要がある場合とされており、市街地形成において相当数の建築物がある場合が該当します。

(都市計画区域に係る町村の要件)
第2条 法第5条第1項(同条第6項において準用する場合を含む。)の政令で定める要件は、次の各号の一に掲げるものとする。
 当該町村の人口が1万以上であり、かつ、商工業その他の都市的業態に従事する者の数が全就業者数の50%以上であること。
 当該町村の発展の動向、人口及び産業の将来の見通し等からみて、おおむね10年以内に前号に該当することとなると認められること。
 当該町村の中心の市街地を形成している区域内の人口が3千以上であること。
 温泉その他の観光資源があることにより多数人が集中するため、特に、良好な都市環境の形成を図る必要があること。
 火災、震災その他の災害により当該町村の市街地を形成している区域内の相当数の建築物が滅失した場合において、当該町村の市街地の健全な復興を図る必要があること。

都市計画法施行令第2条

「国土交通省令で定める事項」省令第1条

省令第1条において次のように規定されており、結論としては、都市計画法第11条第1項各号に掲げる施設の配置及び利用されています。

(都市計画区域の指定にあたり勘案すべき事項)

(都市計画区域の指定にあたり勘案すべき事項)
第1条 都市計画法第5条第1項(同条第六項において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める事項は、法第11条第1項各号に掲げる施設の配置及び利用とする。

都市計画法施行規則第1条

都市計画法第11条第1項各号とは、道路や下水道、公園といった都市施設のことを指しています。つまり、都市計画区域の指定とは、市及び政令で要件町・村について、当該市町村の中心市街地を含み、人口や建築物としての土地利用、交通量の他、都市の機能確保に必要な都市施設の現況及び推移などを勘案して指定することとなります。

都市計画区域の指定基準とは(まとめ)

最も分かりやすい考え方としては、冒頭に書いた都市計画運用指針における記述をまとめと次のようになります。

・建築物の土地利用の状況や将来見通し(住宅地等の拡大傾向)
・地形等の自然的条件(拠点間の物理的・心理的距離)
・通勤、通学等の日常生活圏(他拠点から他の中心地に通勤・通学している現況)
・主要な交通施設の設置の状況(道路・鉄道・バスなど)
・社会的、経済的な区域の一体性等から総合的に判断(歴史や経済的つながり)
・現在及び将来の都市活動に必要な土地や(都市機能の)施設が相当程度その中で充足できる範囲を指定(現在と上記項目を踏まえた将来の都市活動性)
>>>これらを、実質上一体の都市として整備、開発及び保全する必要のある区域として指定する。

補足:2以上の都府県にまたがる場合の都市計画区域の指定者は?

都市計画法第5条第4項において次のように規定されており、2以上の都府県にわたる都市計画区域を指定する場合には、都府県知事が指定するのではなく、国土交通大臣が指定します。

 2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、国土交通大臣が、あらかじめ、関係都府県の意見を聴いて指定するものとする。この場合において、関係都府県が意見を述べようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。

都市計画法第5条第4項

その他

都市計画運用指針にも書かれていることなのですが、市町村合併等により都市計画区域と都市圏が一致していないケースが散見されているようです。行政区域の拡大ですから、都市計画区域よりも行政区域の方がエリアとして大きいことが考えられます。

本来、都市計画区域は都市(市街地)と自然との調和・コントロールを目的としたまちづくりのツールで、ようは、どこでも自由に建築できるようにしてしまうと、好き勝手に建築されてしまい、自然が破壊され災害の恐れが高まったり、道路や水道、電気などを含むあらゆるインフラの整備コストや将来の維持管理コストが増加する恐れがあるので土地利用のルールを決めましょうね。というものです。建築基準法と一体的に運用し建築をコントロールすることではじめて効果を発揮します。

この都市計画区域があることで、なんとか都市を維持できているようなもの。日本は明治以降は一応民主主義の社会ですので、区域が存在しないと、国土にとって問題がある行為をする人(悪いことだと認識できない人)により汚いまちが出来てしまいますから現代では必要なルールです。

人って、制限がないとですね…「自分の土地なんだから自由だろ!」と好き勝手に建築してしまうんです(笑)。そして悪いと思わない・・・(中学・高校で勉強しないからそもそも悪いことと認識できない)。だからこそ、地域の歴史を学ぶことと一緒に地域の都市計画の歴史も教えるといいと思うんですけどね(義務化して欲しいと望んでいます)

それだけ、都市計画区域は大事ということでした。ということで以上となります。参考になりましたら幸いです。