【用途変更】建築基準法第27条等の規定を準用しない類似の用途相互間の変更

この記事では、用途変更確認申請のうち、建築基準法第27条(耐火建築物等)や第28条(採光)等を適用しなくてよい用途変更についての解説です。

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法第27条等の規定を準用しない類似の用途変更とは?

建物の用途(使い方)を変更することを建築基準法では用途変更といいます。

例えば、事務所から飲食店や、飲食店から共同住宅に変更する場合には用途変更確認申請の他建築基準法第27条(耐火建築物等としなければならない建築物)等の一定の法規定に適合させなければなりません
*厳密には、建築基準法第6条第1項第一号に変更する場合には用途変更確認申請が必要となります。詳細は、こちらの記事▶︎内部リンク(建築物の用途変更確認申請が不要となる類似用途を解説)をご確認ください。

この”一定の法規定”については、類似の用途間については適用させない(準用しない)としています。この規定が建築基準法施行令第137条の19に規定されています。

  • 法第3条第2項:既存不適格建築物

 第3条第2項の規定により第27条、第28条第1項若しくは第3項、第29条、第30条、第35条から第35条の3まで、第36条中第28条第1項若しくは第35条に関する部分、第48条第1項から第14項まで若しくは第51条の規定又は第39条第2項、第40条、第43条第3項、第43条の2、第49条から第50条まで、第68条の2第1項若しくは第68条の9第1項の規定に基づく条例の規定(次条第1項において「第27条等の規定」という。)の適用を受けない建築物の用途を変更する場合においては、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これらの規定を準用する。
 増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替をする場合
二 当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものであつて、かつ、建築物の修繕若しくは模様替をしない場合又はその修繕若しくは模様替が大規模でない場合
 第48条第1項から第14項までの規定に関しては、用途の変更が政令で定める範囲内である場合

建築基準法第87条第3項

用途変更時には、建築基準法第87条第3項第1号、同項第2号及び第3号に掲げる場合を除き、 原則として現行基準に遡及適用させる必要があります。

建築基準法第87条第3項一号は、増築等における規定が適用されるために記載されています。二号は今回の記事です。三号は、用途制限の適用に関してのみの規定で、施行令で定める類似用途間の変更であれば遡及適用不要とするものです。

次の法令が建築基準法第87条第3項第二号 ⇨ 建築基準法施行令第137条の19第1項となります。この第1項に掲げる類似用途間の用途変更であれば建築基準法第27条等の規定を適用(遡及)させる必要がありません。

共同住宅をホテルに変更する場合は、建築基準法第27条等の規定を遡及させる必要がありません。なお、共同住宅からホテルへの変更については建築基準法施行令第137条の18(用途変更建築確認申請)に掲げる類似の用途相互間に該当しないため、建築確認申請は必要となります。

(建築物の用途を変更する場合に法第27条等の規定を準用しない類似の用途等)
第137条の19 法第87条第3項第二号の規定により政令で指定する類似の用途は、当該建築物が前条第8号から第11号まで及び次の各号のいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該各号に掲げる他の用途とする。ただし、法第48条第1項から第14項までの規定の準用に関しては、この限りでない。
 劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場
 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等
 ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎
 博物館、美術館、図書館

建築基準法施行令第137条の19第1項
施行令・項・号類似の用途
*枠内の用途変更は法第27条の遡及不要
137条の18第8号百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
137条の18第9号キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー
137条の18第10号待合、料理店
137条の18第11号映画スタジオ、テレビスタジオ
137条の19第1項第1号劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場
137条の19第1項第2号病院、診療所(病床有)、児童福祉施設等
*建築基準法施行令第19条第1項
137条の19第1項第3号ホテル、旅館、下宿、共同住宅
137条の19第1項第4号博物館、美術館、図書館
類似の用途変更においても建築基準法第27条等が遡及されない類似間の用途

しかしながら、建築基準法第48条第1項から第14項(第一種低層住居専用地域〜工業専用地域)までにおいて類似用途間であれば遡及適用していない規定については、施行令第137条の19第2項に規定されているの注意が必要です。

 法第87条第3項第3号の規定により政令で定める範囲は、次に定めるものとする。
 次のイからホまでのいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該イからホまでに掲げる用途相互間におけるものであること。
 法別表第2(に)項第3号から第6号までに掲げる用途
 法別表第2(ほ)項第2号若しくは第3号、同表(へ)項第4号若しくは第5号又は同表(と)項第3号(1)から(16)までに掲げる用途
 法別表第2(り)項第2号又は同表(ぬ)項第3号(1)から(20)までに掲げる用途
 法別表第2(る)項第1号(1)から(31)までに掲げる用途(この場合において、同号(1)から(3)まで、(11)及び(12)中「製造」とあるのは、「製造、貯蔵又は処理」とする。)
 法別表第2(を)項第5号若しくは第6号又は同表(わ)項第2号から第6号までに掲げる用途
 法第48条第1項から第14項までの規定に適合しない事由が原動機の出力、機械の台数又は容器等の容量による場合においては、用途変更後のそれらの出力、台数又は容量の合計は、基準時におけるそれらの出力、台数又は容量の合計の1.2倍を超えないこと。
 用途変更後の法第48条第1項から第14項までの規定に適合しない用途に供する建築物の部分の床面積の合計は、基準時におけるその部分の床面積の合計の1.2倍を超えないこと。

建築基準法施行令第137条の19第2項

参考:用途変更時に遡及される法令

例えば、ホテルから共同住宅への用途変更では建築基準法第87条第3項第二号に該当することから、建築基準法第27条の遡及は不要となりますが、ホテルから美術館や、ホテルから集会場などといった用途変更においては法第27条等が遡及されます。

では、遡及される条文ですが、次のものです。

遡及法の概要法の詳細
法第27条耐火建築物等としなければならない特殊建築物耐火建築物及び準耐火建築物等の義務がある特殊建築物の規模等
法第28条第1・3項居室の採光及び換気住宅や学校、病院等の採光、特殊建築物・調理室等の換気
法第29条地階における住宅等の居室住宅や学校、病院等の地下居室の技術的基準
法第30条長屋又は共同住宅の各戸の界壁界壁の遮音
法第35条特殊建築物等の避難及び消化に関する技術的基準特殊建築物等の廊下・階段、出入り口その他の避難施設、排煙設備など
法第35条の2特殊建築物等の内装特殊建築物等の居室等の内装制限
法第35条の3無窓の居室等の主要構造部無窓居室の主要構造部の性能(耐火構造・不燃材料)
法第36条中第28条第1項に関する部分補足的な技術的基準補足的な技術的基準
法第36条中第35条に関する部分補足的な技術的基準補足的な技術的基準
法第48条第1項〜第14項用途地域等第一種低層住居専用地域〜工業専用地域までの用途制限
法第51条卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置迷惑施設の建築
法第39条第2項災害危険区域住宅系建築物の建築禁止等条例
法第40条地方公共団体の条例による制限の付加敷地や構造設備等に関する条例
法第43条第3項敷地等と道路の関係特殊建築物等の制限付加の条例
法第43条の2その敷地が4m未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の付加4m未満道路の接道敷地等の制限付加条例
法第49条特別用途地区特別用途地区の条例
法第49条の2特別用途制限地域特別用途制限地域の条例
法第50条用途地域等における建築物の敷地、構造又は建築設備に対する制限用途地域等の制限付加に関する条例
法第68条の2第1項市町村の条例に基づく制限地区計画に関する条例
法第68条の9第1項都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造都市計画区域外の制限条例
建築基準法第87条第3項

上記には構造耐力規定である法第20条は記載されていませんが、用途変更時においては、構造耐力のチェックは必要不可欠です。別途記事にしてありますので参考にして頂ければ幸いです。

その他

用途変更確認申請における手続きやどういった法規が適用になるなどは結構難解なんですよね。

わたし自身も建築確認審査の中で、審査する側で何が遡及となるのか、既存不適格事項のチェック漏れはないか、増改築の履歴はどうなっているのかなど、通常の確認申請を審査するよりも手間で時間もかかるといった印象でした。

とにかく慣れることも必要ですが、参考となる書籍を購入して実践しながら勉強するのが最も習得しやすい印象です。ということで参考となる書籍を貼っておきますので参考にしてみてくださいませ。

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