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軒裏の防火構造(PC030RS)が存在しない・・・

この記事では、軒裏防火構造(PC030RS認定品)について調べてみたら「あれ、告示仕様で設計することはないでしょ・・・」→「でも、大臣認定品もないじゃん」という話に行き着いた人向けに、おそらくこんな理由なんじゃない?という結論に行き着いた私が解説しています。

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軒裏の防火構造とは?

軒裏の防火構造が必要となる事例としては、建築基準法第25条の大規模木造や法第62条の防火・準防火地域内での建築があるかと思います。

また、建築基準法とは直接的な関係はありませんが、住宅金融支援機構の省令準耐火構造では軒裏に防火構造を求めていますよね。

軒裏(Roof-Soffit)となるため、「PC030RS(PC:防火構造、030:時間、RS:軒裏)」の認定品以上とする必要がありますが、あるかどうか調べてみると、メーカー品(国土交通大臣認定品)がないんですよね・・・

調べきれてない可能性もありますが、数年前に自治体で建築確認審査を担当していたときですら防火構造の軒裏認定品は無かった記憶・・・なのでほぼ間違いないはず。なんでメーカーさんはPC030認定品をつくらないの!?と不思議に思いません?

↓↓↓大臣認定品の記号・コードに関する参考記事

そのため、軒裏を防火構造とする場合は、軒裏を準耐火構造とするか、軒裏でファイヤーカットするのではなく、外壁を小屋裏まで立ち上げてファイヤーカットする方法が用いられる。
>>>外壁を小屋裏まで立ち上げ方法については、防火避難規定の解説に詳細が書かれています。

じゃあ、そもそもの告示仕様はどのように規定されているのかですが、防火構造の告示は平成12年建設省告示第1359号第2に規定されていまして、そこには次のように書かれています。

軒裏の告示仕様の防火構造

防火構造に関する軒裏告示(H12年建設省告示第1359号)は次のとおり。

  1. 準耐火構造とすること。
  2. 土蔵造
  3. 第1第一号二(2)(ⅴ)から(ⅷ)まで又はホ(3)(ⅱ)(ロ)から(二)までのいずれかに該当する防火被覆が設けられた構造とすること。

つまり、準耐火構造とするか、今はほぼ見かけなくなった土蔵造とするか、又は、第1第二号・・・にする必要があるわけです。この第1第二号・・・ですが、その方法は次のとおりです。

❸の詳細
  • モルタルの上にタイルを張ったもので、その厚さの合計が25㎜以上のもの
  • セメント板又は瓦の上にモルタルを塗ったもので、その厚さの合計が25㎜以上のもの
  • 厚さ12㎜以上の石膏ボードの上に金属板を張ったもの
  • 厚さ25㎜以上のロックウール保温板の上に金属板を張ったもの
  • 塗り厚さが20㎜以上の鉄鋼モルタル又は木ずり漆喰
  • 木毛セメント板又は石膏ボードの上に厚さ15㎜以上モルタル又は漆喰
  • 土塗壁で塗厚さが20㎜以上のもの(下見板を張ったものを含む)

現代の住宅ですと、軒裏の構造は、一般的にケイカル板が使用されることが多いですので、上記には含まれないですよね。

おそらく多くの設計者はケイカル板で大臣認定品を探すと、QF認定品(QF045又はQF030→準耐火構造)しか出てこないことに気づきます。

*ちなみにQF030RSは準耐火建築物の場合は、軒裏でも延焼のおそれのある部分以外に使用可。045は延焼の恐れのある部分(イ−1準耐火建築物の軒裏は060が必要)

準耐火構造にするつもりはないのに、おそらく準耐火構造認定品しか市場にないため、QF045又は030RS(省令準耐火構造用としてQF030RSを使用)としているのではないでしょう。

準耐火構造の告示(軒裏)

準耐火構造の告示を見ると、厚さ12㎜以上の硬質木片セメント板が仕様の一つとして加えられるくらいで内容はほぼ同じです(防火構造の軒裏≒準耐火構造の軒裏)。

下記をご覧ください。

準耐火構造の軒裏(以下のいずれか)
  • 1時間準耐火基準に適合する構造
  • 法第21条第1項の規定による認定を受けた主要構造ぶ又は法第27条第1項の規定による認定を受けた主要構造部の構造
  • 野地板(t=30㎜)及び垂木を木材で造り、外壁・軒桁との隙間に厚さ45㎜以上の木材の面戸板を設け、かつ、垂木と軒桁との取り合い等の部分を、当該取り合い等の部分に垂木欠きを設ける等当該建築物の内部への炎の侵入を有効に防止することができる構造
  • 厚さ12㎜以上の硬質木片セメント板
  • 厚さ12㎜以上の石膏ボードの上に金属板を張ったもの
  • 木毛セメント板又は石膏ボードの上に厚さ15㎜以上モルタル又は漆喰
  • モルタルの上にタイルを張ったもので、その厚さの合計が25㎜以上のもの
  • セメント板又は瓦の上にモルタルを塗ったもので、その厚さの合計が25㎜以上のもの

外壁の延焼・非延焼部分によって構造が異なるのと違い、準耐火構造の軒裏については、延焼・非延焼部分に関わらず防火構造と準耐火構造で大差はなく、防火構造は準耐火構造と同等の性能を有していることが分かりますから、防火構造の告示どおり(例えば石膏ボード+金属板)につくれば準耐火構造となるわけです。

また、技術的基準(建築基準法施行令第107条の2第2号、第108条第2号)においても同様に”加熱開始後30分(準耐火の軒裏で延焼の恐れの部分は45分)間、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないもの”であると規定されており、外壁のように”変形、溶融、破壊その他の損傷”までは求められていない点にも着目するところです。

まとめ

つまり、準耐火構造(1時間準耐火等を除く)と防火構造は告示上はほぼ同様の仕様となるため、大臣認定においても同様に、あえて性能が同じものをつくる必要性が低いです。

そのため、PC030RCをつくるよりもPC030RCを包含できるQF030(又は045)RCをつくった方が理にかなっていると考えられます。(仮に防火構造認定品の軒裏をつくったとしても認定番号が異なるだけで構造は同じ

ということで、PC030RC(防火構造-30分-軒裏)の大臣認定品は存在せず、代替されるQF030(045)RC(準耐火構造-30(45)分-軒裏)が流通しているものと思われます。

という推定のお話でございました。

ですので、軒裏防火構造を求められる場合は、外壁を小屋裏まで立ち上げるか、QF認定品以上のものを使えば結果OK〜

それではまた〜!






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