100万人以上の人口を有する都市計画区域は全国に21都市圏あります。そのうち、人口が増加したのは2都市圏のみという結果となりました。
*統計データ:令和4年都市計画現況調査(国土交通省)
この記事では、国内の100万人以上を有する都市の動向について簡単に解説しています。また、東京都市計画区域(特別区23区)の人口推移についても触れています。
人口が増加した100万人以上の都市圏は、さいたまと福岡広域の2つのみでした。福岡は約2.3万人増加、さいたまで7千人増加。一方で、東京で約8.2万人が減少、南部大阪(堺市が中心)で約2.2万人の減少という結果です。
Urban Planning Area Name | Constituent Municipalities | (A)Population of urban planning area (千人)2021年3月 | (B)Population of urban planning area (千人)2022年3月 | (B)-(A) |
Tokyo | 特別区 | 9,587.0 | 9,505.5 | -81.5 |
Yokohama | 横浜市 | 3,774.0 | 3,768.4 | -5.6 |
Nagoya | 名古屋市 | 3,310.2 | 3,299.4 | -10.8 |
Osaka | 大阪市 | 2,753.0 | 2,744.0 | -9.0 |
Fukuoka wide area | 福岡市他 | 2,481.1 | 2,503.9 | 22.8 |
Nanbu-Osaka | 堺市他 | 2,309.7 | 2,287.8 | -21.9 |
Sapporo area | 札幌市他 | 2,192.9 | 2,189.9 | -3 |
Toubu-Osaka | 東大阪市他 | 1,967.0 | 1,954.4 | -12.6 |
Hokubu-Osaka | 豊中市他 | 1,801.3 | 1,800.7 | -0.6 |
Hanshin | 西宮市他 | 1,759.1 | 1,750.2 | -8.9 |
Kyoto | 京都市他 | 1,609.2 | 1,595.4 | -13.8 |
Hiroshima area | 広島市他 | 1,584.5 | 1,577.6 | -6.9 |
Kawasaki | 川崎市 | 1,539.9 | 1,538.7 | -1.2 |
Kobe | 神戸市 | 1,511.4 | 1,509.0 | -2.4 |
Senen wide area(Sendai) | 仙台市他 | 1,448.7 | 1,443.4 | -5.3 |
South Okayama wide area | 岡山市他 | 1,350.3 | 1,332.0 | -18.3 |
Saitama | さいたま市 | 1,324.9 | 1,332.0 | 7.1 |
Yamato(Nara) | 奈良市他 | 1,278.0 | 1,271.4 | -6.6 |
Owari | 一宮市他 | 1,262.0 | 1,254.6 | -7.4 |
Nishi-Mikawa | 岡崎市他 | 1,136.3 | 1,130.4 | -5.9 |
Kitakyushu wide area | 北九州市他 | 1,016.6 | 1,006.4 | -10.2 |
こちらは増減数を%表示したものです。
岡山や北九州の人口減少率が高い傾向にあります。この増減数の傾向で進めば、次回の統計(令和5年都市計画現況調査:令和5年3月末現在)では、100万人都市圏外となるのはほぼ間違いないです。
ちなみに、人口が増加した福岡広域都市計画区域ですが、都市圏内のどの市町で人口が増加しているのかも確認してみました。
確認すると、人口増加数トップは福岡市で約2.3万人増、続いて、筑紫野市で0.9万人増、福津市0.8万人増という状況です。
その他の市町でも微増もしくは微減となっており、全国的に地方都市の人口減少が進んでいる状況下を踏まえると、都市再生制度を使った駅周辺への大規模投資や移住・スタートアップ支援で賑わっている福岡都市圏が成長しているのは確かのようです。
福岡広域都市計画区域 | 2021.3→2022.3(千人) |
---|---|
福岡市 | +22.9 |
筑紫野市 | +0.9 |
春日市 | -0.5 |
大野城市 | +0.6 |
宗像市 | -0.1 |
太宰府市 | – |
古賀市 | -0.3 |
福津市 | +0.8 |
糸島市 | +0.5 |
那珂川市 | -1.2 |
篠栗町 | -1.2 |
志免町 | +0.1 |
新宮町 | -0.1 |
久山町 | – |
粕屋町 | 0.4 |
続いて、
東京23区の人口が減少したことが不思議に感じた方もるはずです。東京23区の周辺市町で人口が増加していますので、コロナによる郊外移住や住宅価格高騰を受けての人口減少となります。
以前の人口増加率が異常に高かったのでちょっとだけ解説します。
こちらは、東京都市計画区域内と日本国内の過去約10年間の人口の推移表です。
東京都市計画区域では、2010年から2022年の間に約70万人増加しています。一方で国内の都市計画区域では、約53万人減少しています。
東京都市計画区域の人口(千人) | 日本国内全体の都市計画区域の人口(千人) | |
2010.3 | 8,772 | 119,517 |
2011.3 | 8,926 | 119,816 |
2012.3 | 8,964 | 119,798 |
2013.3 | 9,018 | 120,094 |
2014.3 | 9,095 | 120,150 |
2015.3 | 9,160 | 120,103 |
2016.3 | 9,225 | 120,186 |
2017.3 | 9,413 | 121,190 |
2018.3 | 9,429 | 120,106 |
2019.3 | 9,513 | 119,988 |
2020.3 | 9,590 | 119,939 |
2021.3 | 9,587 | 119,624 |
2022.3 | 9,506 | 118,986 |
国内トップの人口密度である東京都市計画区域ですが、この約10年間に約70万人増加していますので、政令指定都市一個分の人口が増加している状況です。とんでもない求心力です。
なお、東京都市計画区域の面積が61,804haですので、1ha(100m*100m)でみると約11.2人増加していることになります。
10年で10人/ha以上増えている状況は相当過密です。とはいえ、コロナや物価高騰の影響を受けて、東京近郊の近郊整備地帯の未利用地を抱える市町の人口増加が顕著になると考えられますので、多少は夜間人口が減るとは思います。
東京都市計画区域の人口推移(緑)、人口密度(青)の推移
ということで以上となります。それではまた〜!
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