【工事の着手とは?】建築基準法における工事着手の考え方を解説

この記事では、工事着手の考え方についての説明です。

法第6条第1項では、「工事着手する前に建築確認を受ける」ことが求められているので、どのような行為が工事着手に該当するのか監理者・設計者としては気になるところですよね。

そこで、国の通知をもとに何をもって工事着手とするのか調べてみました。

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それでは早速ですが解説します。




工事着手のポイント

一般的に、工事着手の解釈としては、建築物の基礎工事(根切りや本杭)に係る工事のことをいうようですが、建築主事や特定行政庁の判断によるところが大きいと思います。

参考になる通知文で、「昭和41年3月17日住指発第83号」がありますが、これは、地耐力試験実施のために土地を掘削するのみでは、建築工事の着手には該当しないとするものであり、いわゆる建築物の設計のための地盤調査は工事の着手には該当しないとしたものです。

○照会内容
 建築物を建築しようとする場合において予定敷地の地耐力を予想して設計し、当該敷地の地盤を掘削して地耐力試験を実施することは、建築工事の着工の時点と看做(*読み:みな)されるかどうか、ご教示願います。

○回答内容
 地耐力試験実施のために土地を掘削するのみでは、未だ建築物基準法にいう建築工事の着手に該当しない。

昭和41年3月17日 住指発第83号

試験杭も同様に工事の着手には該当しないと考えて良いと思われます。

では、仮設工事はどうかと言うと、特定行政庁や日本建築行政会議が示している考え方においては、「現場の整地及びやり方」、「現場の仮囲いの設置」、「現場事務所の建設」は工事の着手には該当しないとすることが一般的となっています。

また、「地鎮祭」も工事の着手に該当しないと考えるのが妥当と言えます。

ですので、建築確認申請の確認がおりる前に、仮設工事に着手していても問題はありません。ただし、近隣住民等からは建築確認看板が掲示されていないことに対する指摘はあるかもしれませんので、そうしたケースにあらかじめ対応しておくことがポイントかと思います。
(例えば、建築確認済番号と日付、建築主事名を抜きにして掲示しておくなど)

過去の判例にみる注意点

しかしながら、過去の判例では、根切工事は、建築物の建築の工事が行われていることが,外部から客観的に認識できるとはいえないとして、法第3条第2項でいう「工事中の建築物」に当たらないとする解釈もあります。

つまり、建築工事に着手していないということ。

『外部から客観的に認識』できるかできないのかが、工事着手に該当するかどうかの判断となりそうです。例えば、建築物の本体部分に関する工事に着手すれば着手と判断されると考えられますが、土留ための擁壁工事などは建築物に着手しているとは言えないということだと思います。

まとめ

基本的には、日本建築行政会議で示している考え方で良いと思われますが、法でいう工事の着手は、一般・世間的にいう”着手”とは異なる場合も過去の判例で示されているので、建築主事・特定行政庁に確認するのが一番望ましいですね。

特に、法令改正がある場合における、既存不適格となる場合には留意しておくべきでしょう。

ということで以上となります。参考となれば幸いです。

補足:長期優良住宅との関係性

近年、認定件数が増加している長期優良住宅ですが、工事着手してしまうと認定を受けることはできませんので、申請時期を誤ったとか、工事着手後でも問題ないと思っていたみたいなことにならないようご注意ください。






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