建ぺい率の緩和規定が改正〔平成30年改正建築基準法→2019年施行〕

「建蔽率が緩和規定が平成30年の建築基準法改正により更に緩和」されました。

なお、2019度の建築士試験や宅建士試験では出題されないですが、2020年度の試験には出題される可能性が高い法改正の内容です。

建蔽率の意味については大抵の方がわかりますと思いますので説明は省略しますが、建蔽率=建築面積÷敷地面積となります。
都市部の市街地においては、建蔽率の確保が重要となってくるので、今回の改正は嬉しい発表だったかもしれませんね。




旧制度における建蔽率の緩和規定

旧制度では次のように緩和規定が定められていました。

①防火地域の耐火建築物について、都市計画で定められた建蔽率に10%を加えた数値を上限。
②連続した開放空間を確保し、市街地の安全性の向上を図るため、特定行政庁は前面道路の境界線から後退した壁面線の指定等が可能。

 

敷地、建築物の条件 緩和内容
①特定行政庁の指定する街区の角にある敷地に存する建築物 10%緩和
②防火地域内における耐火建築物
上記①+② 20%緩和
③都市計画で定める建蔽率80%、かつ、防火地域内ある耐火建築物 適用除外
④巡査派出所、公衆便所など
⑤隣地側に壁面線の指定等がある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの 許可の範囲内

改正後における建蔽率の緩和規定(背景)

国土交通省の資料によると、密集市街地における建替促進に関しては、建蔽率が重要だそうです。
当然といえば当然のことでして、地価が比較的高い密集市街地においては、建蔽率・容積率を確保して、床を増やすことが収益化につながるので、その一つである建蔽率をいかに確保することが大切です。

※出典:平成30年改正建築基準法に関する説明会(第2弾)

建替えが困難となる要因のうち「建蔽率制限」の割合は約20〜40%です。
表をみると、比較的、密集市街地が高い割合を示しているようなので、やはり、建蔽率の緩和は建替えを促進する起因となるようです。
ここの部分に注目して、建蔽率の緩和が新たに追加されました。

改正により追加された緩和の内容

緩和1:①延焼防止性能の高い建築物の建蔽率緩和下線部分が追加) 10%緩和の対象を拡充

・防火地域:耐火建築物及び耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物(※1)
準防火地域:耐火建築物、準耐火建築物及びこれらの建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物(※2)

※1:耐火建築物等
耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。)・・・政令で定める建築物
※2:準耐火建築物等

新:法第53条第3項の規定

[建築基準法第53条第3項] 

前2項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に定める数値に10分の1を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に10分の2を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。

 防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が10分の8とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物又は準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物
 耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして政令で定める建築物(以下この条及び第67条第1項において「耐火建築物等」という。)
 準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第8項及び第67条第1項において「準耐火建築物等」という。)
 街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物

 

政令で定める建築物

○政令で定める建築物とは、建築基準法施行令第135条の20に規定されています。
政令としては、次のようになっています。

[施行令第135条の20(耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物等)]
法第53条第3項第1号イの政令で定める建築物は、次に掲げる要件に該当するものとする。
一 外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備が設けられていること。
二 壁、柱、床その他の建築物の部分及び前号の防火設備が第136条の2第一号ロに規定する技術的基準に適合し、かつ、法第61条に規定する構造方法を用いるもの又は同条の規定による認定を受けたものであること。
2 前項の規定は、法第53条第3項第一号ロの政令で定める建築物については準用する。この場合において、前項第二中「第136条の2第一号ロ」とあるのは、「第136条の2第二号ロ」と読み替えるものとする。

一号が防火設備、二号が延焼防止建築物です。
でもって、第2項が、準用規定となり、準延焼防止建築物となります。

関連記事→延焼防止建築物
▶️「延焼防止建築物」とは何か[改正建築基準法第61条関係](ブログ内リンク)
*詳しくは、この記事で書いていますが、告示までは記載していていないのでご留意ください。

 

準防火地域の場合ですと、建蔽率の指定が60や80%が多いと思いますので、そこで準耐火建築物以上とすれば、70・90%とすることができるので、密集市街地においては有効な緩和規定となると思います。
これで、密集市街地の建替えが促進されれば、市街地での大規模火災が起こる要因を少しでも低減できる可能性はありますね。

角地緩和の確認方法

ちょっと脱線します。

角地の指定による建蔽率緩和を受けることができる土地を探している方、角地緩和が可能かどうかは次のような調査方法でわかります。

① 2面以上の道路に面しているか。
② ①を確認した上で、2面それぞれの道路の幅員を確認する。
③ 建築する自治体のホームページから角度緩和の条件等を調べる。

規則や条例化されているケースがほとんどですので、自治体の規則等を確認して調べるか、役所に直接問い合わせをして「角地緩和の条件を教えてください」と言えば、調べることが可能です。

 

☑️具体的な物件の探し方については・・・
一般の方であれば、地元の不動産屋や大手の「住友不動産販売株式会社」さんや「SUUMO」さんを活用してみると探しやすいかもしれないですね。探して目星をつけて、実際に見に行き→重要事項説明を受け→土地購入 という流れが理想です。

 

緩和2:②全面道路側に壁面線指定を行った場合等の建蔽率緩和

・特定行政庁が前面道路の境界線から後退した壁面線の指定をした場合で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した範囲内において、建築物の建蔽率を緩和
一定の都市計画や地区計画等に関する条例において壁面の位置の制限が定められた場合も同様に措置

壁面線の指定については、こちらの記事をご覧ください。
▶︎「外壁後退」と「壁面線」、「壁面の位置の制限」を同じ意味で使用してはダメ!!(物件調査のポイント)(ブログ内リンク)

壁面線の指定をする行政庁がいるのかなと思うところですが、国としては制度をつくることに意義があるのでしょうから、特定行政庁には指定に向けて、前向きに検討して欲しいところですね。

新:法第53条第4項・第5項

[建築基準法第53条第4項]
 隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は第68条の2第1項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(隣地境界線に面する建築物の壁又はこれに代わる柱の位置及び隣地境界線に面する高さ2mを超える門又は塀の位置を制限するものに限る。)がある場合において、当該壁面線又は壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物(ひさしその他の建築物の部分で政令で定めるものを除く。次項において同じ。)で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、前3項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、前3項の規定による限度を超えるものとすることができる

[建築基準法第53条第5項]
 次の各号のいずれかに該当する建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、第1項から第3項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる
一 特定行政庁が街区における避難上及び消火上必要な機能の確保を図るため必要と認めて前面道路の境界線から後退して壁面線を指定した場合における、当該壁面線を越えない建築物
二〜三 (略)

補足

今回、解説している改正の内容については、令和元年6月25日に施行しています。
施行内容については、こちらの記事をご覧くださいませ。

☑️法施行が2019年6月25日に決定しました!!
▶️改正建築基準法の施行日が決定![令和元年6月25日に施行]

 

それでは短い解説となりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
また〜♪