この記事は、「二級建築士」を受験するかどうか悩んでいる方や「二級建築士」の受験勉強に身が入らない方へ向けて、二級建築士さえ持っていれば十分に生計が成り立つことを、説明するものです。
(説明対象者(ターゲット)は、将来、個人で設計事務所を開こうと考えている方です)
こんにちは!! 建築士のやまけんです^ ^
目次
はじめに
二級建築士を受験しておくべきかどうか悩んでいる人って結構いると思うんです。
というのは、いずれ一級建築士を受験するんだから二級建築士は受験する必要はないけど、自分の実力では一級建築士試験に合格できるか分からないし、一級建築士を取得するまでの間の繋ぎとして、取得しておいた方がいいのかなーと悩んでいると思うんです。
という私も、大学卒業後に二級建築士を取得しています。
建築界隈では大学卒業後、2年間の実務経験を経た上で一級建築士を受験する方は多いのかなと思われますが、それはそれで良いと思いますし、私も実務経験を経たあとに一級建築士を取得しているので、一級建築士を目指すことは、悪いことではありません。
それでは、このことを踏まえて、二級建築士で十分な理由を解説していきたいと思います。
二級建築士の設計範囲を知る
まずは、二級建築士の設計範囲を知りましょう。
こちらの表は、二級建築士でなければ設計することができない建築物の規模です。
①については、誰でも設計可能ですが、それ以外の部分については、二級建築士が設計することが可能です。
※出典:建築士法を基に当サイト管理人が作成
この表を見て気づいた方はいると思いますが、一般的な住宅であれば、二級建築士で十分に対応可能となっていることです。
一般的な住宅とは、木造や鉄骨造で延べ面積200㎡未満、2階程度のもののことです。
感覚的にこの程度の規模の建築物が多いと思いません?
(次の項で、どの程度建築されているのかを説明します)
この規模程度の建築物であれば一級建築士である必要はないのです。
でも、「住宅市場ってそこまで大きくないのでは?」という疑問が生じると思います。
そのような方向には、次の項目をご覧ください。
建築基準法第6条第1項各号の建築確認交付件数
一般的な住宅は建築基準法第6条第1項第四号建築物に該当します。
一部、鉄骨造2階建ての住宅などは三号建築物に該当しますが、住宅の場合、圧倒的に四号建築物が多いので、次の表は大変参考になる指標かと思われます。
なお、建築基準法第6条第1項各号の建築物について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▶️用途変更の面積規模が変更!(建築物の用途変更に伴って建築確認申請が必要となる規模が見直し! 100㎡から200㎡超えに)
この表は、建築基準法第6条第1項第一号〜三号と四号の建築確認交付件数の推移(全国)を示したものです。
※出典:国土交通省
こちらの表を見ると分かりますが、四号建築物が建築確認交付件数の約7割以上を占めていることが分かりますよね。さらに、3年間の推移でもその割合は変わっていません。
つまり、建築市場を牽引しているには四号建築物であることが分かります。
とはいえ、四号建築物は三号建築物に比べて建築工事費が低いので、建築市場的には牽引しているとは言えないのでは? という疑問も生じるでしょうから、そういう方向けに市場規模を示す指標をお見せします。
建築着工統計から見る小規模建築物の市場規模
こちらの資料は、平成29年度の構造別の床面積と建築工事費を示したものです。
※全国推計
※出典:国土交通省
平成29年度に建築された総棟数約60万棟に対して、一般的な住宅である「居住専用住宅」は約51万棟と、全体のうち約9割を占めています。
さらに、市場規模(居住専用住宅)としては、四号建築物のほとんどが該当する木造で8兆円/年と鉄筋コンクリート造の約3兆円、鉄骨造の2.6兆円に比べて段違いに大きいことが分かります。
つまり、建築市場としては「居住専用住宅」が大半を占めています。
また、居住専用住宅のうち、木造については、1棟あたり約2,000万円で約42万棟ありますので、二級建築士として仕事をする上でターゲットとする市場としては最適なわけです。
二級建築士で十分な理由
これまでの指標から建築市場では二級建築士で設計可能な規模の建築が圧倒的に多いことが分かりますよね。
鉄筋コンクリート造は建築工事費が高いですが、棟数自体は少ないです。
この鉄筋コンクリート造や鉄骨造の規模を設計できるのは、大概が一級建築士で、なおかつ、市場的には大手のゼネコン・設計事務所であることが多いと思います。
この規模の建築物の設計や工事監理することができれば多くの収入を得ることが可能となるわけですが、個人事務所として、大手のゼネコンや設計事務所との競争に勝つのは、国内や世界から認められた個人ではない限り、勝つのは容易ではないことが想定されますよね。
とはいえ、挑戦することは良いことですので、大手にはできない魅力をユーザーに提供することができれば、二級建築士でも設計可能な範囲内の建築物については勝つことも可能です。
これは経験上言えることですので、根拠が明確にあるわけではないですが、ほぼ合っているはずです。
話は戻り、つまりは、建築市場を牽引している住宅をはじめとする小規模建築物をターゲットにした方が、個人の設計事務所として食べていける(生活できる)可能性が十分に高いわけです。
もちろん競争性はありますが、間違わない方向で努力していけば、他の事務所との競争に勝つことは十分に可能です。
結論
結論として、二級建築士を受験するかどうか悩んでいる場合は、二級建築士を受験して取得するべきです。
そう、「べき論」です。
さらに余計な一言かもしれませんが、一級建築士が仮に取得できなくても、二級建築士があれば、日本国内の建築市場の大半を賄うことが可能です。
一級建築士の勉強をしている時間を、少しでもユーザーにより良い建築物の建築のために思考する時間に使用した方が価値あるものを作り出すことが可能かもしれません。
とはいえ、最終的に一級建築士を取得することは、悲しい話、世間的には取得事務所としての信頼度につながるので頑張りましょう。
では、最後に二級建築士を効率的に取得するために必要な勉強方法を伝えます。
二級建築士を取得するための効率的な勉強方法
方法は二つあります。
1つ目は、資格を取得するための学校に通うことです。
○費用は掛かるが自分で勉強することが苦手な人にはおすすめできます。
○効率的に勉強する時間が取れるので、合格までの最適なロードを歩めます。
2つ目は、自分で勉強する方法です。
○勉強する時間を自分で確保しなければならないが、費用を最小限に抑えられる。
○勉強方法を間違うと不合格となる可能性が高い。
○自主学習が得意な方は、独学で合格可能です。(私も独学です)
二級建築士の勉強方法(学科編)についてはこちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
▶️二級建築士は独学での合格が可能です。[勉強のコツ:学科編]
▶️二級建築士製図試験の勉強のコツと製図道具の揃え方[独学編]
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
二級建築士の受験に悩んでいる方や勉強に身が入らない方への勉強するキッカケになれば幸いです。
また〜♪