最新記事はこちら▶︎▶︎▶︎

【容積率緩和】備蓄倉庫(防災倉庫)の容積率緩和は使いやすい?、一戸建て住宅も適用可能?

この記事では、建築基準法施行令第2条に規定されている建築物の容積率算定の床面積から除くことができる「備蓄倉庫・防災備蓄倉庫」についての解説です。どのようなケースで容積率緩和が認められるのか、緩和される床面積などを解説しています。

また、通常の「倉庫や物置」との違いも含めて解説します。

どうもこんにちは! 建築士のやまけんです。

YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産取引に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

建築基準法や都市計画法といった都市づくりに欠かせない法律は、複雑かつ難解なので理解に苦しみますよね。そのような方のために、法律を上手に活用してビジネスや生活に活用してもらいたいと思いつくったブログです。

良かったらブックマーク登録して毎日、遊びに来てくれるとブログ運営の励みになります♪




「備蓄倉庫」の定義

*防災備蓄倉庫

答えは、法・政令・省令には掲載されておらず、「技術的助言」で示されています。

「備蓄倉庫」:防災倉庫で次に掲げるもの

・非常用食糧を備蓄する用途
・応急救助物資等を備蓄する用途
・利用者に見えやすい位置(扉など)に防災専用倉庫である旨の表示
・壁で囲われた専用

※出典:[建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(技術的助言)国住指第2315号・国住街第1 1 3号 平成24年9月27日

防災備蓄倉庫に保管する物品に関しては、次のものが対象となっています。

☑︎非常用食糧は、長期保存が可能な非常食や飲料水などの保管専用であること。
☑︎応急救助物資等は、毛布やテント、救急品などの保管専用であること。

ありえないと思いますが、玩具や家具などを保管したら「専ら防災」に該当しなくなるので注意が必要です。(でもですよ、完了検査時は物品のチェックを行わないので、”専ら防災用”なのに、防災用以外に私的利用をしてしまったら容積率OUTかもです・・これが性善説です。笑)

また、備蓄倉庫は、”防災専用倉庫である旨”が分かるように扉などに、大きめ(←どこにも記載していないですが、私が携わった案件を見ていると、大きめのフォントです)のフォントで示すことが必要です。(Amazonでこのようなものが売っています)

created by Rinker
ノーブランド品
¥2,000 (2022/11/30 04:42:00時点 Amazon調べ-詳細)

最後が一番重要なポイントかもしれないのですが、”壁で囲われた専用室”であることが求められるので、例えば、パーテンションで”ここ”のスペースが備蓄倉庫部分ですよっといった表示をしても、対象とはならないということです。

あくまでも、明確に間仕切り壁で区画することが求めれるので、設計時は注意が必要となります。
(ですので、棟別の備蓄倉庫も壁で囲われた専用室ですので、緩和の対象になると考えられます)

容積率の緩和の限度

緩和の限度は、施行令第2条第3項第二号により、「50分の1」と規定されてます。

例えば、事務所の延べ面積が500㎡、備蓄倉庫部分が20㎡ですが、この場合は備蓄倉庫部分20㎡から10㎡を除くことが可能です。

容積率算定から除く床面積の計算例
500㎡(事務所延べ面積)÷50分の1=10㎡(限度)
↪︎10㎡(限度)<20㎡(備蓄倉庫)・・・限度を超えているため、10㎡を容積率算定の床面積から除くことができる面積

一戸建て住宅の場合ですと100㎡〜150㎡が床面積の平均ですから、緩和可能な床面積は、2㎡〜3㎡となるので、戸建住宅だとインセンティブとしては弱いですよね。
とはいえ、緩和できないよりも緩和した方が良いに決まってますので、使えるものは使いましょう。

てか、そもそも一戸建て住宅で「備蓄倉庫」の容積率緩和を行うこと自体いいのか?という点ですが、

施行令や技術的助言には一戸建て住宅を否定する文言が無いので、特定行政庁が別途取り扱いを定め無い限りは、適用可能と考えるの妥当です。

一戸建て住宅で防災備蓄倉庫として緩和を行い、あとから容積率違反となるのはリスクも高いですから、はじめから「倉庫」として設計した方が無難なような気もします。

建主さんにとってメリットがあるようなら容積率緩和を使うくらいでいいと思います。
*建築物の取り扱い説明書の中で倉庫の取り扱いを説明するようにしないと、後々問題があるように思います。

どのような建築物での緩和が想定されるのか

容積率を使い切る場合が容積率緩和を使う場合だと想定すると、高容積率のマンション(共同住宅)やオフィスビルかなと思われるところです。

こういった用途・規模であれば、多くの人が利用する施設であるケースが多いので、施設利用者のほか、近隣住民等の一時避難の受け入れ、BCP(業務継続)の観点から積極的に「備蓄倉庫」を設けるべきだと思うので、建築士から建築主に「防災倉庫」の設置を提案していくことも”有り”かなと思われるところです。

なお、建築士の方であれば分かっているので、紹介するのもどうかなとは思いますが、「備蓄倉庫」以外にも、「自動車車庫」、「蓄電池」、「自家発電設備」、「宅配ボックス」も容積率緩和の対象となっています。

関連記事のリンク先を掲載しておくのであわせてご覧ください。

おわりに

今回は、「備蓄倉庫」の容積率緩和について解説を行いましたが、ここまでを読めば、多くの方は防災備蓄倉庫の「50分の1」はあまりメリット感は小さいと印象を受けるように思います。

あくまでも、「防災倉庫」の普及を図る観点から国の姿勢を示したものくらいに考えておけばいいと思います。

なお、規模が大きくなると、備蓄倉庫としての使用に関して法的な担保が必要となりますが、定期報告が必要な建築物であれば、少なくとも3年に1回は調査して、特定行政庁に報告することなります。

ですので、違法性の高い行為(例えば、業務用パソコンやデスクなどの防災対応に直接関係しない物品の保管など)を施設利用者が行うことがないよう、建築物の取り扱い説明の実施や、扉に室の使い方についての注意喚起を記載しておくのが良いと思います。

ということで今回は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。参考となりましたら幸いです。