・建築確認申請って何?
・建築に関する知識はないけど、これから住宅を建築するので、ある程度の知識を得たい。
この記事は、これから一戸建て住宅をはじめとする住宅の建築を予定されていて、Google検索において「建築確認申請とは」で検索しても意味不明という方の悩みを解決していく記事です。
以前、建築確認に関する業務の仕事をしていたので、上記のお悩み解決はお任せください。
読み終えた後は、きっと「建築確認申請」に関する知識を習得していると思います。
はじめに。(ちょっと読んでみてください。)
はじめに伝えたいこと。
建築確認申請は「許認可ではない」あくまでも、「確認」です。
だから、「あなたが家を建てることを行政が許可したわけではない」、これを勘違いしてはいけません。
「家のローンが払えなくて家族と離婚したのは、建築を許可した行政の所為だ!」という人がいるからです。
とういうのは冗談で・・・笑
建築基準関係規定といわれる基準に該当しているかどうかに裁量性は必要ないからです。
裁量性とは、建築基準でいうと個人(審査者)の判断によって基準がブレることです。
詳しくはこちらの記事を見てください。
今から約70年前に許可性ではなくて、紆余曲折あって「確認行為」となっていることを理解したうえで、「建築確認申請」を勉強しましょうね。
話はそこからです。
悩みに対する答え
Q.建築確認申請は建築主が行うの?
A.申請者は建築主名ですが、基本的には建築士が代理申請します。
なお、建築物の建築途中で行う中間検査、建築物の完了時に行う完了検査も同様に建築士が代理申請します。
*自分でやる?無理ですね。建築士に任せましょう。
Q.建築確認申請後は何日程度で確認済証が交付されるの?
A.木造2階建て程度であれば7日間、鉄骨造2階建てあれば35日が目安となっていますが、鉄骨造の住宅については、工業化製品と言って、審査項目が少なくて済むので、木造住宅程度の審査期間と考えておきましょう。
Q.確認済証が交付されないと工事着工してはいけないの?
A.ダメですね。法令違反となります。なお、”建築許可”が下りないと言う方がいますが、正しくは、確認済証の交付です。
あくまでも法令に適合しているかどうの審査であって、誰もあなたの家の建築を全ての法律に照らしあわせて許可したわけではありません。
Q.確認済証の交付後は間取りの変更を行なってはいけないの?
A.法令上は可能です。ただし、現実的に変更が可能かどうかは個々の事例によって異なります。
Q.耐震性がある住宅なのか知りたい。
A.建築基準に適合していれば耐震性はありますが、木造住宅の場合、耐震性のチェックは基本的に建築士に任せている(建築士設計による特例)ので、開口部(窓)が多く筋交い(耐震壁)も少なそうだなと思ったら、耐震壁のバランスが悪い可能性があるので、少しでも心配になったら遠慮なく建築士に相談してみましょう。
Q.メンテナンス費用がどの程度想定されるのか知りたい。
A.長期優良住宅の認定を受けるようにしましょう。または、建築士に相談にして取り扱い説明書の作成をお願いしてみましょう(新たに費用が発生すると考えられますが、住宅を長く使い続けるには重要です)
Q.完了検査を受けないと引越ししてはダメなの?
A.基本的にはダメです。ただし、木造住宅の場合には仮使用OKです。とはいえ、完了検査時に荷物があると邪魔ですし、しっかりとした検査ができないのでやめましょう。
建築確認申請が必要な理由
「建築確認申請」とは、建築物や工作物が建築基準法に適合しているかどうかを行政や民間審査機関にチェックしてもらう行為をいいます。
建築確認申請を行うと、建築基準法(正確には建築基準関係規定)に適合しているかどうかのチェックが行われます。
このチェックによって、耐震性や避難・安全上の観点から、建築物とその敷地が適合しているか審査されるんですが、よくある勘違いとして、民法は審査はされません。(例えば、ありえませんが、他人があなたの敷地を自分の敷地と偽り、確認申請を提出することは可能。)
なお、専門的にいうと、日本全国一律に適用されるのが単体規定(耐震性など)と都市計画区域内に限り適用される集団規定(用途地域や建ぺい率など)があります。
都市計画区域外であれば、集団規定は適用されず、また、四号建築物(木造2階以下など)に該当する住宅の場合には、そもそも建築確認申請が不要です(不要ですが、建築基準に適合させる必要は当然あります。)
では、次に建築物を確認しましょう。
建築物とは
建築物や工作物は建築基準法に定義されるもので「建築物」とは、屋根+壁(柱)があれば建築物となり、「工作物」とは広告版や擁壁などです。
住宅は建築物ですし、物置や倉庫も建築物となります。
なお、工作物ですと、例えば、広告版は4mを超えるものが、擁壁は2mを超えるものが建築確認申請の対象とされています。
「建築物」の定義についてはこちらのページに詳しくまとめていますのでご覧ください。
ちなみに小規模倉庫の場合、一定の基準に該当すれば建築物と扱わないとすることもできますのであわせて確認してみてください。
よく、物置であれば建築物にならないと人から聞いて、そのまま直置き(地面に固定しない)してもOKと考えてしまう方がいますが、「絶対ダメ」です。
床面積が10㎡を超えるようであれば、建築基準法に基づく基礎を設け、そうでなければ、メーカー仕様に基づく基礎を設ける必要があります。
これを守らないで、台風で物置が空高く舞い上がり、隣地の屋根を直撃し、損害を与えたらあなたの所為です。
少しでもリスクを軽減したければ、基礎だけは守りましょう。
建築確認申請の対象建築物
建築確認申請が必要となる規模は都市計画区域(準都市計画区域)の外か内かで大きく変わります。
また、一号建築物、二号建築物、三号建築物、四号建築物とに分かれていることを知りましょう。
一般の方が建築される住宅は、三号建築物か四号建築物に該当します。
三号建築物や四号建築物をご覧になりたい方はこちらの記事もおすすめです。
補足
三号と四号建築物の大きな違いは、審査される項目と審査期間です。
法律上、審査期間は三号で35日、四号で7日となっています。
とはいえ、住宅の場合ですと、審査期間は早いです。指摘なしであれば、1・2日程度で下りるのではないでしょうか。
確認審査に時間を要している場合には、あなたの敷地に問題があると思ってください。
敷地の問題とは、崖や接道です。
崖とは、敷地に接する2mを超えるような斜面をいいます。
この崖に近い距離に住宅を設ける場合には、安全性の確保が必要となります。
詳細は省きますが、安全性の担保とは、擁壁の設置や土質調査による安定計算など、斜面が安定していることを証明することが求められます。
建築士とは良く相談しましょう
建築確認申請の段階において、よくある相談の多くの原因は建築士と上手くいっていないケースです。
このコミュニケーション不足が、あとあとになって不安や怒りとなってしまい、場合によっては、意図としない設計となってしまうこともあるので注意が必要です。
最悪だったなと思って造られた住宅に人生の殆どを過ごすことになりますから、嫌ですよね。
そのためにも、この建築士とは合わないなと思ったら、変えてもらうなり、契約解除するなりして、気持ちよく話せる方に依頼した方が、いつまでも好きでいられる住宅が完成するはずです。
それでは今回は以上となります。
皆さまの参考になれば幸いです。