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【物置・車庫(ガレージ)】増築は建築確認申請が必要?自宅敷地に増築するケースを分かりやすく解説

自宅の敷地内に小規模な物置や多少規模の大きい倉庫や車庫を増築する場合に、建築確認申請は必要なのか、また、どういったことに気をつけなければならないか、建築基準法における注意事項をまとめています

こんにちは!!やまけんです!

YamakenBlogは、建築基準法や都市計画法、宅建業法など、まちづくりに関連する難解な法律を、元行政職員の私がシンプルでわかりやすく解説しています。
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建築確認申請は必要?

結論から言うと、基本的(原則的)に敷地内に倉庫や車庫(ガーレジ)を増築する行為は、建築確認申請は必要です。ただし、”原則”です。

”原則”としたのは、都市計画区域外である場合や小規模な倉庫の場合には建築確認申請が不要となるケースがあるからです。

*都市計画計画区域外とは、市街地から一定の距離がある山間部や沿岸部の一部で市街化される恐れがないことから、都市計画区域から外れています。調査方法としては、自治体が公表している都市計画情報をもとに検索することが可能です。
【参考記事】>>都市計画区域とは?都市計画区域の基本を解説

なお、小規模な物置・倉庫は次の2つの種類に分かれ、下記の①については建築確認申請が不要となります。(注)申請が不要なだけで技術的な基準への適合は義務となります。違法建築が判明した段階で役所への出頭命令が下されるので注意してください。

  1. 小規模(高さが低い、奥行きが短い)な物置・倉庫
  2. ①以外の物置・倉庫で床面積が10㎡以内のもの

ガレージについても同様に床面積10㎡以下あれば建築確認申請が不要となります。ただし、この10㎡以下は申請不要とする取り扱いについては自治体によって判断が異なるので注意してください。

小規模物置・小規模倉庫のケース

建築確認申請が必要かどうかの判断については、建築基準法自体の法文には掲載されていないので注意が必要です。

建築基準法に基づく国交省から技術的助言(国住指第4544号 平成27年2月27日)と言って、国が法令に基づく運用について各行政庁にその考え方を示すものに記載されています。

役所(行政庁)はこの技術的助言を参酌して運用しているのが現状です。ですので、自治体によって取り扱いが異なることに注意が必要です。

具体的に技術的助言の内容をわかりやすく記載すると、建築確認申請が不要となる建築物については、次の物置が対象となります。*建築確認申請が不要となる理由としては、建築物に該当しないためです。

  1. 土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む)であること。
  2. 外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないもの。

以下、技術的助言の抜粋

技術的助言抜粋:国住指第4544号 平成27年2月27日) 土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含む。)のうち外部から荷物の出し入れを行うことができ、かつ、内部に人が立ち入らないものについては、建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽に類する施設として、建築物に該当しないものとする。したがって、建築確認等の手続きについても不要である。この取扱いについては、当該倉庫が既製のものであるか否か、及びその構造種別にかかわらず、上記に従って判断するものとする。

悩むのが、人が物置の内部に立ち入らない規模ですね。

これに関しては、特定行政庁ごとに取扱いが異なりますので、市町村若しくは都道府県の建築指導を担当する部署に確認することをオススメしますが、基本的には奥行きが1m程度(手の長さ程度)であれば、人が外から荷物を取り出すのは容易ではないかと考えられますので、同時に人が内部に立ち入ることはできないと考えられます。

なお、一般財団法人建築行政情報センター発行(日本建築行政会議編集)の「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」が参考となりますが、著作権の関係で直接的な内容をブログには掲載することができません。すみません。(基本的には面積が数㎡程度、奥行き1m以下など・・・)

この技術的助言に基づき建築物に該当しないからといって、基礎に固定せず、地面にただ置いたり、コンクリートブロックに置くだけは絶対にしない方が良いです。

台風等の際に飛んだり、転倒したりする可能性があります。(人命に関わるかもしれません)
※設置する基礎は、メーカーの既製品であればメーカー仕様を遵守、自分で造作するのであれば、建築士に相談する。(施行令と告示を読んで設計しても良いですけど・・・)

小規模な物置・倉庫や車庫以外の場合(床面積10㎡以内のもの)

建築基準法第6条第2項を読んで床面積10㎡以内だから確認申請不要と考えるかもしれませんが、基本的に違います。

とはいっても、私は特定行政庁を退職しているので、最終的な判断はできないのですが、法律を読む限り・・・確認申請が不要となる増築は、防火地域・準防火地域以外で、建築物に10㎡以内で増築する場合です。建物に増築する場合を指しているのか敷地に対する増築を指しているのかは不明瞭で自治体によって判断が分かれるところです。

実際、わたしはある行政庁で確認申請の審査を担当してきたときは、別棟増築は「敷地内増築」として10㎡以下であっても確認申請は必要と判断していました。

なお、都市計画区域・準都市計画区域はいわゆる4号建築物(2025年4月以降は新3号建築物)の場合、確認申請不要です。
ただし、区域外でも法第6条第1項第4号の都道府県知事が指定する区域の場合には確認申請が必要なので注意を! また、既存建物への増築ですが、住宅が型式認定を受けている場合には、建てたメーカーさんに確認する必要がありますので注意が必要です!!(増築により型式が外れる可能性があります)

以下、法第6条第2項 ※文中の前項とは、確認申請が必要な建築物を規定した項です。

 (建築基準法第6条第2項)
前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては、適用しない。

補足:基礎に関して

延べ面積が10㎡以内の物置・倉庫の場合は、基礎構造の告示(平成12年5月23日建設省告示第1347号)が適用されないため、告示仕様にならった一般的な鉄筋コンクリート造の基礎は不要です。

とはいえ、基礎自体が不要というわけではありません。

メーカーの既製品であればメーカー仕様を遵守、自分で造作するのであれば、建築士に相談することが重要です。私も相談を受けておりますのでご相談ください。

こちらの記事も参考になるはずです。

補足:建築確認申請手続きについて

建築士ではない方が建築確認申請手続きを行うのは至難の技です。

今回説明した内容のほかにも、低層住居専用地域内における外壁後退や準防火・防火地域の外壁の開口部への防火設備の規定、延焼の恐れのある部分の使用など、増築と言っても既存建築物との兼ね合いもあり、建築基準法や都市計画法等に適合しているかどうかの確認が必要となります。

ですので、個人的には建築法規も熟知している外構のプロに相談するのがおすすめです。

私がインターネット上で調べた限りでは、外構工事を専門とする全国規模の事業者で建築確認申請に対応した外構工事のブログでヒットしたのはガーデンプラスさんのみでした。

現地調査や見積もりは無料となっており、かつ全国対応の事業者なので建築確認申請に不安等がある方は頼ってみるのをお勧めします。

【参考記事】>>建築確認・中間検査・完了検査を行わなかった(忘れた)場合の対処法

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カーポートや小規模物置の建築に関してはこちらの記事も参考になるはずです!

現在、床面積10㎡以下の木造ガレージ設計の例を作成してこの記事に掲載する予定です。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など