この記事では、多分ですけど多くの人が憧れているだろう小屋(作業部屋みたいなもの)について、憧れを挫きそうな勢いで現実を話ていきたいと思います。
*わたし自身は小さな小屋大好きです(笑)
そもそも小屋を建築したい気持ちは分かるんですよ・・・分かるんですけど、せめて社会のルールは守るようにしたほうが良いと思ってこの記事を書いてます。
*最悪のケースは刑事告訴される可能性もあります。
こんにちは。建築士のやまけんです!!
こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます。
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産取引に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪
建築基準法や都市計画法といった都市づくりに欠かせない法律は、複雑かつ難解なので理解に苦しみますよね。そのような方のために、法律を上手に活用してビジネスや生活に活用してもらいたいと思いつくったブログです。
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目次
はじめに、『小屋とは?』
小屋といっても、住宅の敷地内に設置する小規模なもの(3坪・10㎡以内)や人里離れた都市計画区域外での小屋建築を想定しています。分かりやすくイメージしてもらうとBESSさんが販売しているログ小屋みたいなものです。
>>BESSさんの小屋を見た男性の人たちは絶対に欲しいぃ!!ってなるはずw
>>BESS公式ホームページhttps://imago.bess.jp/imago-r/
とっても魅力的だし、欲しくなっちゃいますよね〜〜♪
だって、小屋の中に趣味の物を入れたり、小屋の前でBBQなど、想像するだけでとってもワクワクします♪そこで、10㎡(3坪)以内の小屋の法規について説明したいと思います!
なお、敷地内に新築(既存棟への増築ではない)する場合の解説であり、既存の住宅等の建築物に増築するようなケースの解説ではないです。
▷どういったケースかというと次のようなイメージです。
また、建築士ではない方でも自身で建築確認申請したいと考えている方もいるのではないでしょうか??少しだけその確認申請の方法についても触れてみたいと思います。
ちなみ、本当は、BESSさんのログ小屋が購入できる資金があるのであれば、自宅の敷地内に建築する過程などを含めて紹介したいところですが、、、サイト運営等が上手くいけばいつかは買えるかもしれませんww
建築士ではない人が設計又は工事監理してOK?
結論から言うと、木造の建築物で2階以下・100㎡(30坪)以下であれば一級・二級建築士でなくても設計・工事監理することが可能です。
つまり、木造平屋10㎡(3坪)以下も設計・工事監理OKです。
ですから、ご自身で建築確認申請を行う過程で設計が可能ですし、工事監理(工事のチェック)も可能です。
では肝心の建築確認申請についてですが、次の項をご覧ください。
建築確認申請は?
先に出鼻を挫くようなことを言うと、建築士の特例※が使えないので、よほど時間があって、なおかつ勉強する時間がある方以外は正直オススメできないです。
(※)例えば、建築士の設計の場合は、建築確認の際に提出する書類が簡略化されますが、建築士の設計ではない場合、提出書類が多くなるため、かなりの手間と時間がかかるかと思われます。
それでも自分でやってみたいと思う方はチャレンジしてみてください。(絶対におすすめ出来ないですけど・・・)
>>>建築士の特例制度に関する解説記事はこちら
話は戻り、10㎡以内であれば原則として(準)都市計画区域外であれば建築確認申請不要となるので、区域外の方は心配しなくて良いのですが、注意すべきは建築確認申請が必要となる都市計画区域内の場合です。
いわゆる市街地であれば都市計画区域内です。
敷地・構造・防火上の規制は?
木造のログハウス小屋などを設計する際に、特に注意しなければならない4点(敷地、防火、基礎、構造)について説明します。
小屋の場合、木造であることが多いですから、防火上問題があって、隣地で延焼してしまったら責任・賠償に発展しちゃうので注意が必要です。
敷地関係
○住宅(母屋)に附属する小屋(離れ)であれば建築基準法上の不可分の関係にあるので一敷地としてみることができますが、例えば小屋が住宅に附属せず、関係性のない用途(カフェや物販店などに使用)の場合、新たに接道を確保する必要があります。
なお、自治体によっては、敷地分割する際に分筆を求めていることもありますので、その場合には、建築確認申請前に公図(法務局所管)を修正する必要がありますので、土地家屋調査士等に分筆の依頼を行います。
防火関係
○防火地域内は、外壁・軒裏を防火構造にすれば、50㎡以内の平屋の附属建築物に限り、耐火・準耐火建築物にしなくても良いですが(法第61条第一号)、防火構造が求められる時点で、ログハウス小屋は難しいです。防火構造は不可能に近いです。(ログハウス以外の木造在来軸組工法であれば十分に可能)
>>防火地域・準防火地域以外の地域を選択
○市街地の多くは、建築基準法第22条区域となっているため、屋根は不燃にしなければなりません。詳細は過去の記事を参考にしてみてください。(準防火地域内も同じ。ちなみにBESSさんの小屋は屋根が板金なのでOK)
○法第22条区域の場合、延焼のおそれのある部分(平屋だと敷地境界線から3m、道路の中心から3m)の外壁は防火構造とする必要があるため、ログハウスとする場合は、延焼のおそれのある範囲内には配置しないようにしましょう。
なお、準防火地域内の場合は、延焼のおそれのある部分については、軒裏も防火構造とし、外壁の開口部は防火設備が必要となります。(木造在来軸組工法であれば対応可能)
基礎
○小屋の使われ方によりますが、趣味スペース等の居室として使用することが想定されるため、平成12建設省告示第1347号に規定される基礎が必要となります。
○この告示通り設計するのが無難です。(なお地盤調査は施行令第93条を参照)
構造
○木造在来軸組工法であれば、施行令第3章第3節 木造を確認しましょう。
○なお、ログハウスの場合は、通常の木造住宅(在来工法)とは異なり、平成14年国交省告示第411号に規定する構造とする必要があります。また、この規定は施行令第80条の2から規定される告示のため、建築士特例は使えません。
※BESSさんのホームページを確認すると、確認申請にも対応と記載があるので、告示にもちゃんと対応していると考えられます。
建築確認申請の書類は?
○施行規則第1条の3に記載されています。
その他、特定行政庁ごとに施行規則に記載のない書類についても、条例等で追加(例えば公図)添付を確認申請時に求めているので、ご注意ください。
ここまで説明して分かったと思いますが建築士ではない方が建築確認申請を行うというのは、非常に時間がかかりますから難しいです。施行規則とは省令のことで、第1条の3の表に必要な添付書類が記載されています。
図書を準備するのがめっちゃ大変だと思います。まさか手書きで配置図を起こすわけにはいかないと思いますし、一般的に見やすい(確認しやすい)図面をつくるにはCADを使わないとですよね。頑張ってみて、それでも挫折した時は建築士を頼ってみてくださいませ。
まとめ
BESSさんの小屋に憧れて、書いてみた記事になってしまいましたが、結局、建築士以外の方が建築確認申請を行うのは無理みたいな記事になってしまいました・・・
難しいのは、それだけ建築物には人命が関わってくることから、法規では細かく規定されているのではないかと考えられます。
でも、絶対に絶対に建築士じゃなくても出来ないことはないので、頑張れる方はチャレンジしてください!そして自分で申請しました!って教えてくださいませ。
BESSさんの小屋が純粋に「いいなぁー」って思っている方が結構いるはずと考えての記事ですので、読んで頂けて少しでも建築基準法をご理解頂けましたら嬉しい限りです。