異種用途区画の基本を理解する。

・そもそも異種用途区画の条文の箇所がわからない。
・どういった場合に異種用途区画の設置が義務付けられるのか分からない。

上記の疑問に答える記事となっています。特に建築基準法に不慣れな建築士や宅建士を対象として記事を構成していますので、玄人の建築士には物足りないかもしれませんが、改めて基本を理解する際にでも利用して頂ければ幸いです。

こんにちは!建築士のやまけんです。

それでは説明していきます。




異種用途区画を規定する条文

そもそも法律用語に異種用途区画というものがありません。ですから、索引しづらいというのが分かり難さを招いているように思います。

回答としては、建築基準法施行令第112条第17項となります。平成30年の改正以前には、異種用途区画というと2種類あったのですが、一つは廃止され、もう一つこの17項として残されています。過去記事に廃止された異種用途区画について説明していますのでこちらの記事をどうぞ。

[建築基準法施行令第112条第17項]
建築物の一部が法第27条第1項各号、第2項各号又は第3項各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを一時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。

異種という理由は、法第27条に規定する耐火建築物等としなければならない建築物の用途とそれ以外の異なる用途が混在するためです。まぁ、規模が大きくになるにつれて、面積区画や水平区画によって異種用途区画を兼ねる事がほとんどなので、普段はあまり使用しない規定ですね。

ところが小規模建築物になるについて、準耐火建築物や耐火建築物とならないケースが多く、その場合には、『その他建築物』に設置することとなるため、普段から規模の大きい建築物を扱っていれば問題ないですが、そうではない場合は、見逃す事が多い規定だなと思います。

では、次に異種用途区画の対象となる用途について説明します。

異種用途区画が義務付けられる用途

結論から伝えると、建築物の中の用途において、法第27条第1項各号、同条第2項各号、同条第3項各号に該当すれば、準耐火建築物・耐火建築物・その建築物の別を問わず、その対象となる部分とそれ以外の部分とを異種用途区画する必要があります。

詳細は、法別表第1を確認することになるんですが、これが理解しづらいと思うのです。
とはいえ、これが理解できないと、異種用途区画が必要かどうかの判断ができないので、覚えましょう。覚える方法としては実務をこなすのが一番早いです。

詳しくはこちらの記事で、法別表第1を勉強してみてください。

建築基準法別表第1の概要と解説

2019-09-16

では、区画に用いる構造基準について説明します。

区画する壁等の構造

異種用途区画する壁は一時間準耐火構造以上となる壁・床、異種用途区画の開口部は特定防火設備とする必要があります。なお、面積区画や水平区画の場合に適用されるスパンドレル(施行令第112条第15項)は不要となります。

一時間準耐火構造基準

一時間準耐火構造基準とは、平成27年2月23日国土交通省告示第253号「主要構造部を木造とすることができる大規模の建築物の主要構造部の構造方法を定める件」に規定されていますが、どの政令から規定されるかというと、令第129条の2の3第1項第一号ロとなるので、こちらも理解しておくことが必要です。

木造ではない場合は、耐火構造にしてしまうのも手ですね。告示に該当するかどうかを一つずつチェックするよりか、面倒くささがないのですからね。ただし、コストをかけていい場合だけです(笑)
まぁ、通常は国土交通大臣認定品を利用します。

特定防火設備

特定防火設備については、施行令第112条第18項第二号に適合(遮煙性能)する事が求められるので、大臣認定品を利用しないケースは考え難いですが、告示通りの使用とする場合には注意しましょう。

本記事のまとめ

異種用途区画は建築基準法第27条に規定する耐火建築物等としなければならない建築物とそれ以外の用途とを区画するための壁又は床です。また、区画部分の開口部については特定防火設備で区画する必要があります。

最後に補足として、この異種用途区画ですが、令和2年4月1日より緩和されます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

異種用途区画の緩和について[令和2年4月1日施行予定]

2019-03-27