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【建築基準法別表第1】特殊建築物の概要と解説&「1号建築物」とは?

耐火建築物及び準耐火建築物等としなければならない建築物に関係する法別表第1と1号建築物(特殊建築物)についての解説記事です。法別表第1の読み方などを覚える際に活用してもらえれば幸いです。

こんにちは!!建築士のやまけんです。

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建築基準法別表第1とは?

建築基準法別表第1に掲げられる特殊建築物の概要

今回は、建築基準法の中でも最大のウェイトを占めていると言ってもいい、建築基準法別表第1の解説となります。

建築基準法別表第1とは特殊建築物及び耐火建築物等としなければならない規模等を示した表です。なぜ「別表」というかは、建築基準法の巻末の別紙に示された表だからです。

以前、建築基準法第27条の改正に関する記事を書きましたが、前回の記事では改正の内容に視点を置いていたため、見づらい(読みずらい)部分があったかと思います。

ですので、今回は、法別表第1の視点から耐火・準耐火に関する規定をはじめとする法規定の内容を詳しく解説(紹介)していきます。

>>>耐火建築物等としなければならない法令のルールはこちらの記事に書いています。

建築基準法別表第1の解説

別表第1の構成は、建築士の方であればどなたでも分かるのかと思いますが改めて掲載です。

別表第1 耐火建築物等としなければならない特殊建築物(第6条、第27条、第28条、第35条ー第35条の3、第90条の3関係)

 項(い)(ろ)(は)(に)
 用途(い)欄の用途に供する階(い)欄の床面積の合計
(1)項は客席、
(2)及び(4)項は2階
(*病床有)、
(5)項は3階以上
(い)欄の用途に供する部分の床面積の合計
(1)劇場、映画館、演芸場
観覧場、公会堂、集会場
その他政令で定めるもの

 *政令は未制定

3階以上の階200㎡(屋外観覧席は1,000㎡)以上 ー
(2)病院、診療所(病床有)、
ホテル、旅館、下宿、
共同住宅、寄宿舎
その他政令で定めるもの
*政令 児童福祉施設等
3階以上の階300㎡以上 ー
(3)学校、体育館
その他政令で定めるもの
*政令
博物館、美術館、図書館、
ボーリング場、スキー場、
スケート場、水泳場、スポーツ練習場
3階以上の階2,000㎡以上 ー
(4)百貨店、マーケット、展示場、
キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、
バー、ダンスホール、遊技場
その他政令で定めるもの
*政令
公衆浴場、待合、料理店、飲食店、
物販店舗(床面積10㎡超)
3階以上の階500㎡以上ー 
(5)倉庫
その他政令で定めるもの
*政令未制定
 ー200㎡以上1,500㎡以上
(6)自動車車庫、自動車修理工場
その他政令で定めるもの
*政令

映画スタジオ、テレビスタジオ

3階以上の階ー 150㎡以上
建築基準法別表第1

別表第1が関係する法令

建築基準法別表第1では、耐火建築物等としなければならない特殊建築物(第6条、第27条、第28条、第35条ー第35条の3、第90条の3関係)の用途と規模が表に掲載されているだけで、具体的には、( )書きの法文を読まないと、どういった規定となっているのか分からないようになっています。

ちなみに、建築士や行政職員の中には、暗記されている方もいます(私は暗記していないです)

❶建築基準法第6条第1項第一号(建築物確認申請が必要な規模)

法第6条第1項第一号建築物に該当するものが規定されており、法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものは、”1号建築物”となります。

いわゆる”特建(とっけん)”と呼ばれるものです。

一号建築物になると、用途変更確認申請が必要となるほか、完了検査前の使用制限、さらには、建築士の特例が使えないことによる確認申請図書省略の不可、また、審査期間も7日から35日となるなど、制限される項目が四号建築物に比べて増えることなります。

当然、特殊建築物自体が不特定多数の利用を想定しているのもありますが、その中でも一定規模以上については、多くの人が利用するため、安全性の担保という考えから、一号建築物については、このように審査項目が増えるように規定されています。

なお、従来は床面積100㎡という一つの基準がありましたが、既存ストック活用の観点から改正が行われ、現在では、200㎡となっています。

なお、法律の定義における特殊建築物と法別表第1の特殊建築物は異なるので注意が必要です。

例えば、用語の定義では工場は特殊建築物ですが、法別表第1の特殊建築物では自動車修理工場以外は特殊建築物に該当しなかったりします。

❷建築基準法第21条第1項第三号(大規模木造等建築物の主要構造部)

建築基準法第21条第1項は、主要構造部(床、屋根、階段を除く)に木材、プラスチック等の可燃材料を用いた場合の主要構造部に対する防火措置の規定となっています。

同項第一号から第三号に該当する場合には、国土交通大臣が定める構造としなけらばならないとされています。(ただし、その周囲に延焼防止上有効な空地で政令で定める技術的基準に適合するものを有する建築物を除く)

一号から三号は次のように規定されています。
でもって、三号が法別表第1と関係してくる規定となっています。

一 地階を除く階数が4以上である建築物
二 高さが16mを超える建築物
三 別表第一(い)欄(5)項又は(6)項に掲げる用途に供する特殊建築物で、高さが13mを超えるもの

※三号建築物について
(5)項とは、倉庫です。
(6)項とは、自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオです。

上記、(5)項及び(6)項の用途で、高さが13mを超える木造建築物(3〜4階程度)は想定されにくいですが、高さが13mを超える場合には、建築基準法第21条に適合させる必要があります。

❸建築基準法第27条(耐火建築物等しなければならない特殊建築物)

法別表第1に関しては、建築基準法令の中で一番関連し、かつ最重要となる規定です。

建築基準法第27条第1項の規定については、難解となっているため、この記事では紹介しませんが、準耐火建築物、耐火建築物等としなけらばならない建築物を定めています。

ちなみに、前回の改正により、3階以下、床面積200㎡未満の一定用途(商業、医療、宿泊系施設)であれば、耐火建築物等とする必要がなくなりました。

市場的には、小規模建築物(床面積200㎡未満)の既存ストックの有効活用が進んでいたり、今後、地方では経済活動が縮小されていく傾向にあるので、イニシャルコストを抑えることが可能な小規模建築物の活用が望まれるのかもしれません。

❹建築基準法第28条第3項(火器使用室の換気設備の設置)

建築基準法第28条第3項は、換気設備を設置しなければならない居室等の規定となります。

別表第一(い)欄(1)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。

建築基準法第28条第3項

(1)項とは、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場等となり、要は多くの人が利用する居室には、換気設備を設けることとされているものです。人が多いと、空気がすぐに悪くなるので、24時間換気以外に換気設備の設置が義務付けられています。

なお、24時間換気と異なり、実際に換気設備を使うかどうかは使用者の判断になるので、人が多い集会場で「なんか、空気が淀んでる・・・」と思ったら、すぐに換気を回しましょう!笑

さらに、調理室や浴室等で火器を使用する室(施行令第20条の3に定めるのを除く)についても換気設備を設置するよう定めている規定です。

❺建築基準法第35条ー35条の3(特殊建築物等に対する制限)

(建築基準法第35条関係)
法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物は、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラー、貯水槽、その他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、政令で定める技術的基準に従って、避難上及び消火上支障がないようにしなければならないとする規定です。

特殊建築物の避難施設に関して定められており、政令第5章に規定されています。
(廊下幅、直通階段、2直、排煙、非常用照明など)

関連記事
▶️排煙窓と排煙設備の違いと、排煙無窓とは?

▶️非常用照明の設置が必要な建築物は?
▶️建築基準法における「廊下の幅」を解説

(建築基準法第35条の2関係)
内装制限に関して定めており、法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する建築物は、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従って、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならないとする規定です。

いわゆる内装制限で、規模・用途・構造に応じて難燃・準不燃・不燃の別が規定されています。

(建築基準法第35条の3関係)
政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、主要構造部を耐火構造又は不燃材料で造らなければならないとする規定です。ただし、法別表第1(い)欄(1)項に掲げる集会場等の用途については、除かれるとするものです。

おわりに

今回は、法別表第1から読み解く建築基準法について簡単な解説を行いました。

法別表第1については、(い)欄に掲げる用途に該当するかどうかの判断を行う際に使用するとても重要な規定となります。

特殊建築物に該当するかどうかは、建築ができるかどうかのそもそもの判断につながるので、計画する建築物が法別表第1のどれに該当するのか、一番にチェックするようにしましょう!

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。業務の参考になれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など