都市計画が理想を語って何が悪い。都市計画担当者がんばれ〜

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。

よく、都市計画やまちづくりを語る上で、上記のタイトルにあるような議論がなされることがある。

  • 欧米をはじめとする海外と比べて日本の都市計画は遅れている。
  • 街並みが画一的、全国どの都市も同じ様な風景になってしまった。
  • 用途地域が13種類しかないのは問題だ。

日頃から思うのは、日本の建築物って、看板や建物外観が原色系でキツイので、建物内部の用途が外に主張し過ぎているから、街並みがゴチャゴチャするんですよね、これが無ければあまり問題視されないような気もしますww

簡単な記事ですので気軽に読んでみてください。

それでは、都市計画の枠組みから知っていきましょう。




用途地域は都市計画手法の一つでしかない

研究者の方々はもちろんわかっているでしょうけど、用途地域とは『地域地区』の一つです。

いくつかある都市計画の手法の一つなんです。その都市計画も「都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画※」を実現するための手法の一つでしかないです。
※コンパクトシティを進める制度

地域地区は、用途地域や防火地域・準防火地域などが規定されている都市計画ですが、用途地域は建築物の用途をコントロールするための手法として規定されており、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び田園住居地域が『建築できるもの』その他の用途地域が『建築してはならないもの』として規定されています。

研究者達が言っていることも、もちろん十分理解できます。

何故なら、用途地域の制限を一度読めば分かりますが、用途や規模を細かく制限しているわけではありません。ましてや、建物の外観や構造等を規制するものでもありません。それでも、この用途地域があるおかげで、全てではないですが、住居・商業・工業系の大きく3つに土地利用をコントロールできていると考えられます。

(参考)
第一種住居地域内に建築してはならない建築物として、床面積3,000㎡超の店舗や飲食店が規定されていますが、3,000㎡という数字はかなり大きい施設規模です。30m✖️100m=3,000㎡であることをイメージしてもらえるといいかもしれません。なお、大規模小売店舗立地法における届出対象となる規模が1,000㎡以上ですから、第一種住居地域では、戸建て住宅や規模の大きい店舗が混在することになるため、結構、雑な街が出来上がります。

 

もちろん、このまま用途を地域を適用すればですけどね。逆を言えば応用がかけやすいと言うこと。

 

用途地域一覧表を見てみてください。

 

どうしても規模の大きいエリア単位でしか色塗りはできません。

スポットで用途地域を塗っていては、変更や街並みも煩雑になるので比較的一つの用途地域の指定範囲は大きくなります。ですので、なんとなーく制限した用途や誘導したい用途や機能は分かっているものの、想定していない用途まで排除できる規定とはなっていないため、現行の用途地域では、理想とする土地利用方針に基づた建築物のコントロールを完全できるわけではないという難しい問題でもあります。

 

なので、これ以上細分化するよりも、地域の特徴にあわせて自在に必要な用途を±した方が良いと思いませんか??そのため用意されているのが、特別用途地区です。

特別用途地区を活用

特別用途地区は、用途地域を補完することが可能で、制限と緩和の両方を行うことができます。

例えば、住環境確保の観点から工業地域の住宅の建築を制限したい地域としたい場合には、特別用途地区の指定(建築基準法に基づく条例化は必須)により住宅の立地を制限することが可能です。なお、地区計画でも制限することができますが、制限したい地域が街区単位を超えるような大きい場合には地区計画では馴染まず、特別用途地区が妥当だと考えられます。

ちなみ、制限を緩和する場合(工業専用地域内でホテルの建築をOKにする)には国土交通大臣承認の上、建築基準法条例により緩和することが可能となっています。

 

特別用途地区について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

特別用途地区とは何か?〔都市計画法と建築基準法の関係〕

2019-04-02

いずれにしても都市計画決定ですので、住民説明会や公聴会といった住民意見を取り入れる機会が設けられたり、都市計画審議会を経て決定されるので、そう簡単には変更や決定ができるものではありませんが、理想とされる都市に近づけるためには必要なプロセスでもあります。

都市づくりを進めるには様々な都市計画の手法を活用

都市全体を捉えて、まちごとに異なる理想の都市づくりを進めるには、用途地域や特別用途地区だけではなく、高度利用地区や防火・準防火地域、地区計画などを活用するとともに、道路や上下水道、公園といった必要な都市施設を整備(維持・統廃合等)することが大切です。

とはいえ、建築物の用途をコントロールすることが都市計画マスタープランで示す将来ビジョンに近づける都市をつくりあげるための最重要となると考えられますので、都市内でも一定のエリアごとによりきめ細やかに用途を制限することが重要と思います。

それには、制限だけでなく、誘導も重要なポイントとなると考えられます。

現在では、都市再生特別措置法により、ネットワーク型コンパクトシティの形成を推進する立地適正化計画制度が平成26年に創設され、都市機能や居住を誘導する視点が都市計画に取り入れられていますので、より都市計画しやすくなっていると考えられます。

 

とは言え、それでも日本の場合、土地の個人権利が非常に強いので都市計画を実行しにくいと言われています。総論賛成・各論反対とまではいいませんが、価値観がそれぞれ異なる中で、共通の価値観のもと都市づくりを進めていくというのは非常に高度な仕事であり、簡単に前に進めることは難しいです。

 

結局、”人” になります。

だからこそ、現在ある都市計画の手法等を活用して上手に建築物をコントロールしていくことが大切だと思います。場合によっては、都市計画手法に頼らずに実施する方法だってあると思います。

まとめ

最終的に何を言いたいのかというと、『用途地域』だけでは街づくりは不十分なので、その他にも土地利用をコントロールすることができるいくつかの都市計画手法を駆使して取り組まないといけないということです。

街づくりは常に未完成ですし、時代の変化とともに最適な都市のあり方は変わりゆくものです。その時代にあった理想の都市に向かって最善をつくし、行政と民間が手を取り合うことが重要じゃないかと思います。

たまに現実を見ろという方もいますが都市計画が理想や夢を語らないで誰が語るんですか

総花的で何が悪いと都市計画担当者は言っていいと思います!

最後は精神論かよって思うかもしれませんが、精神が宿らないただの『作業』だけではワクワクしないじゃないですか、作業ではなくて、より良いまちをつくりたいと願うマインドが最も大切なんだと思います。

 

という事で以上です。参考となれば幸いです。