地域地区とは?[都市計画法で規定される地域地区の一覧表]

今回の記事
都市計画法の規定による地域地区(用途地域など)を知るための記事

この記事は、地域地区を広く知ってもらうための記事です。

もっと深く知りたいという要求に対し、対応できている内容か定かでは無いですが・・・笑

ご覧になった方の参考になっていれば幸いと考えております。

挨拶が遅くなりました。こんにちは!まちづくりを仕事にしているやまけんです。

それでは早速、地域地区について解説して参ります。




地域地区とは

地域地区とは、簡単に言うと、マスタープランにおける都市全体の土地利用の方針を実現するための手法の一つです。

マスタープランには、都道府県が定める都市計画区域マスタープラン市町村が定める都市計画マスタープランがありますが、近年では、両マスタープランを一つにしているケースや、言葉が悪いかもですが、都道府県の方を”あっさり”書いて、市町村の方をきめ細やかに書くケースが増えています。

いずれにしても、マスタープランについては、旧市町村やそれよりも小さいエリア単位における地域と都市全体の土地利用の方向性を示すモノです。

例えば、駅前であれば『本市の玄関口となる駅前については、商業等を中心した都市機能の高度な集積を図ります』的な感じでマスタープランの土地利用の方針に記載します。

これにより、商業利用かつ高度利用を促進するために、地域地区である用途地域を商業地域として高度利用地区を指定する理由が成り立ちます。

このようにマスタープランにおける土地利用の方針に基づいて、都市計画手法を駆使して都市をコントロールする方法が国内の都市政策の根幹となっております。

なお、法律における地域地区は次のように規定されています。

[都市計画法第13条第1項第7号(都市計画基準)]
地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居、商業、工業その他の用途を適正に配分することにより、都市機能を維持増進し、かつ、住居の環境を保護し、商業、工業等の利便を増進し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。

地域地区のポイント
  • 都市機能を維持・増進
  • 住居の環境を保護
  • 商業・工業等の利便を増進
  • 良好な景観を形成
  • 風致を維持
  • 公害を防止する等適正な都市環境を保持

さらに、市街化区域については用途地域を定め、市街化調整区域については用途地域を定めてはならないとされています。では、その地域地区について、次項で見てみましょう。

地域地区の一覧表

地域地区とは都市計画法第8条に規定されています。

地域地区の名称 概要 根拠法 当サイトの紹介ページ
第一種低層住居専用地域 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する地域 都市計画法 第一種低層住居専用地域の建築制限について(用途制限のまとめ)
第二種低層住居専用地域 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する地域 都市計画法 第二種低層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護する地域 都市計画法 第一種中高層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)
第二種中高層住居専用地域 主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護する地域 都市計画法 第二種中高層住居専用地域内の用途制限(何が建築できるのか)
第一種住居地域 住居の環境を保護する地域 都市計画法 第一種住居地域の用途制限(何が建築できるのか)
第二種住居地域 主として住居の環境を保護する地域 都市計画法 第二種住居地域の用途制限(何が建築できるのか)
準住居地域 道路の沿線としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域 都市計画法 準住居地域の用途制限(何が建築できるのか)
田園住居地域 農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護する地域 都市計画法 田園住居地域とは? 今後の都市農地のあり方と人口減少下における新たな土地利用
近隣商業地域 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進する地域 都市計画法 商業・近隣商業用途地域の建築制限(用途制限、日影制限・容積率・建蔽率)
商業地域 主として商業その他の業務の利便を増進する地域 都市計画法
準工業地域 主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進する地域 都市計画法
工業地域 主として工業の利便を増進する地域 都市計画法 工業地域・工業専用地域の用途制限(何が建築できるのか)
工業専用地域 工業の利便を増進する地域 都市計画法
特別用途地区 用途地域内の一定の地区における、ふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完する地区 都市計画法 特別用途地区とは何か?〔都市計画法と建築基準法の関係:宅建士試験向け〕
特定用途制限地域 用途地域が定めらていない土地の区域内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域 都市計画法 特定用途制限地域とは?[非線引き地域における都市計画法の手法]
特例容積率適用地区 一定の用途地域内において、容積率の限度からみて未利用地なっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区 都市計画法 特例容積率適用地区とは?[都市計画法の解説:宅建士試験向け]
高層住居誘導地区 住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導する地区 都市計画法 「高層住居誘導地区」とは?[都市計画法・建築基準法の解説]
高度地区 用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区 都市計画法 高度利用地区とは?建築基準法との関係[都市計画法の解説]
高度利用地区 用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、容積率の最高限度等を定める地区 都市計画法
特定街区 市街地の環境改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、建築物の容積率の限度等を定める街区 都市計画法 「特定街区」とは?[都市計画法の解説と建築基準法との関係]
都市再生特別地区 都市再生緊急整備地域のうち、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する区域 都市再生特別措置法 準備中
居住調整地域 立地適正化計画における居住誘導区域外のうち、住宅地化を抑制すべき区域 「立地適正化計画」において定められる「居住調整地域」とは?
特定用途誘導地区 立地適正化計画における都市機能誘導区域において、誘導施設を有する建築物の建築を誘導する区域 「特定用途誘導地区」とは?[都市計画法、建築基準法、都市特別措置法との関係]
防火地域 市街地における火災の危険を防除するため定める地域 都市計画法 「準防火地域」と「防火地域」の基本的な解説
準防火地域 都市計画法
特定防災街区整備地区 密集市街地(老朽化した木造建築物が密集し、かつ道路等の公共施設が整備されていない市街地)における特定防災機能の確保並びに当該区域における土地の合理的かつ健全な利用を図るため地区 密集市街地整備法 準備中
景観地区 市街地の良好な景観の形成を図る地区 景観法 都市の魅力を向上させる「景観地区」![都市計画法・景観法・建築基準法の解説]
風致地区 都市の風致を維持する地区 都市計画法 準備中
駐車場整備地区 商業地域、近隣商業地域等内において、自動車交通が著しく輻輳する地区で道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要があると認められる地区 駐車場法 準備中
臨港地区 港湾を管理運営するための地区 都市計画法 用途地域が適用されない例外がある(港湾法と都市計画法の関係)
歴史的風土特別保存地区 歴史的風土保存計画に基づき、歴史的風土保存区域内において歴史的風土の保存上当該歴史的風土保存区域の枢要な部分を構成している地域 古都保存法 準備中
第一種歴史的風土保存地区 明日香村歴史的風土保存計画に基づき、歴史的風土の保存上枢要な部分を構成していることにより、現状の変更を厳に抑制し、その状態において歴史的風土の維持保存を図るべき地域 明日香村法 準備中
第二種歴史的風土保存地区 著しい現状の変更を抑制し、歴史的風土の維持保存を図るべき地域 準備中
緑地保全地域 無秩序な市街地化の防止又は公害若しくは災害の防止のため適正に保全する必要があるものや、地域住民の健全な生活環境を確保するため適正に保全する必要があるものの緑地 都市緑地法 準備中
特別緑地保全地区 無秩序な市街地化の防止、公害又は災害の防止等のため必要な遮断地帯、緩衝地帯又は避難地帯として適切な位置、規模及び形態を有するものや、神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となつて、又は伝承若しくは風俗慣習と結びついて当該地域において伝統的又は文化的意義を有するも地域など 準備中
緑化地域 良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内において緑化を推進する必要がある区域 準備中
流通業務地区 流通業務市街地として整備することが適当であると認められる区域のうち、当該都市における流通機能の向上及び道路交通の円滑化を図る地区 流通業務市街地整備法 準備中
生産緑地地区
農地等で、公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているもので500㎡以上の規模の区域を有し、用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められる地区
生産緑地法 準備中
伝統的建造物群保存地区 伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存する地区 文化財保護法 準備中
航空機騒音障害防止地区 航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域 特定空港周辺特別措置法法 準備中
航空機騒音防止特別地区 航空機騒音障害防止地区のうち航空機の特に著しい騒音が及ぶこととなる地域 準備中

 

本記事のまとめ

地域地区は、上記のように定めれております。

それなりの数なので、こんなにあるんだと思うかもしれませんが、実際、使用しているのは半分程度が実情です。
(*都市の規模等によって変わります)

現在では、インターネットを介した市町村の都市計画情報を参照することにより、どのような地域地区が設定されているか容易に確認することが可能となっていますから、ひと昔前のように、わざわざ行政の窓口に行ったり、電話で問い合わせる必要が少なくなっております。

ということで、都市計画法における制限の一つである『地域地区』を解説しました。

今回の記事は以上となります。皆様の参考になれば幸いです。

Juliette KoberによるPixabayからの画像