【首都圏とは?】首都圏のエリアを正しく理解(首都圏整備法)

この記事
  • 普段何気なく「首都圏」という用語を用いることがありますが、首都圏の捉え方が人や企業においてそれぞれ異なることがあります。1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)という方もいれば、関東地方+山梨県という方います。また、東京都23区と捉えている方もいるでしょう。
  • この記事では、”首都圏とは”何かを正しく説明します

 

こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます。建築や都市計画に関する業務経験を活かして建築士や宅建士などの方々の業務に役立つ情報を日々発信している暇人です♪

『首都圏』の意味を理解したら何に使えるの!?って疑問もあるかもしれませんが、普段の何気ないニュースでも登場するワードですから、この機会に首都圏について考えてみましょ。




法律の根拠

はじめに法的に正しい結論から説明すると、首都圏とは、首都圏整備法(昭和31年法律第83号)において定義されており、法律の定義が規定されている法第2条第1項(ホウ ダイ2ジョウダイ1コウ)に次にように書かれています。

【首都圏整備法第2条第1項(定義)】
この法律で「首都圏」とは、東京都の区域及び政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域をいう。

繰り返すと、東京都の区域及び政令で定める地域となります。政令とは首都圏整備法施行令のことで、次のように書かれています。

【首都圏整備法第1条(東京都の区域の周辺の地域)】
首都圏整備法第2条第1項の政令で定めるその周辺の地域は、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県及び山梨県の区域とする。

つまり、関東地方+山梨県が首都圏整備法に基づく首都圏となります。

人口は4,417万人(全国の約35%)
※平成30年10月1日現在

あれ!?自分が思っていたのと認識が異なった方がいるのではないでしょうか?

関東地方+山梨県ではあまりにも広域過ぎではないかと?(私もそう思います)

群馬や山梨の山奥でも首都圏の中に含まれるというのはなんとも不思議に感じるはずですが、NHKのニュースでは首都圏整備法に基づき首都圏をしっかりと説明しているはずです。ちなみ民放では首都圏の捉え方が異なるはずです(評論家やコメンテーターも正しく使っていないケースがあります)

これが法でいう首都圏なのです。

とはいえ、この首都圏の定義については、あくまでも首都圏整備法に基づく定義です。

首都圏整備法とは、高度経済成長における首都への人口集中による劣悪な都市環境問題を背景に、首都への過度な人口・工場等の産業の集中を抑制し、無秩序が市街地の抑制並びに人口抑制による郊外部での受け皿整備を推進するために制定されたものであり、多くの方がイメージするであろう高層ビルやマンションが広範囲かつ連続して立ち並ぶような市街地の範囲を明示したものではありません

都市計画も同様ですが、都市政策(都市づくり)は、都市全体を見渡しながら自然環境や農林漁業との調和を図ることが必要となるため市街地に恩恵をもたらす郊外の山林や河川を含めて一体的に考えるものです。ですから、山間部や田畑を含む首都圏を世間一般にイメージする首都と同意義とするのは難しいんですよね。

それではここからは『首都圏の範囲』について、自論を含めてながら深掘りしていきます。

首都圏と混同される東京都市圏とは

では、世間一般の多くの方がイメージしている首都圏とは何か。

多くの方がイメージしている首都圏とは、都内+周辺地域(23区以外の神奈川・千葉・埼玉)の日常生活圏と考えられます。その場合、通勤や通学、通院といった都市での生活を営む上で経済的に市街地が結びつく地域と考えられますので、その場合には『東京都市圏』が正しいと考えられます。

東京都市圏を理解するには、東京都市圏交通計画協議会が10年に一度実施しているパーソントリップ調査(1日の人の移動の動きを把握する調査で都市交通政策に用いられるもの)が参考となります。この調査では、東京都市圏の定義を東京、神奈川、千葉、埼玉の全域と茨城県南部地域としています。


※出典:令和元年11月27日(水) 国土交通省関東地方整備局企画部 (東京都市圏交通計画協議会 事務局)記者発表資料

こちらの資料を見ると調査対象地域が拡大しているのが分かるかと思います。

昭和63年の第3回目の調査では、茨城のつくばや土浦などの南部エリア、千葉の銚子から外房のエリア、埼玉の秩父エリアが追加されており、都市圏が拡大していったことがよく分かると思います。

しかしながら、言葉が悪いかもしれませんが、千葉県の外房や茨城の土浦や鹿島などを一般的には首都圏とは捉えない(そういう方がいたらすみません)と思います。

というのも、これら地域は都内から市街地が連続しているわけではなく、田園や山林等により市街地が分断または囲まれ市街地の連続性に欠け、かつ都市が独立していることから、先ほど述べたように、なんとくイメージしている首都圏のエリアよりも広いはずです。

では、どういったエリアが一般的に首都圏と認識されやすいのかですが、圏央道と首都圏整備法に基づく近郊整備地帯を照らし合わせてみるとしっくりくると思います。ここからは参考記事です。

参考:圏央道(首都圏中央連絡自動車道)と近郊整備地帯

圏央道は耳にしたことはありますか? 関西や東北地方から車や高速バスで首都圏に向かった際にはジャンクションを通過するときに目にしたことがあるはずです。

圏央道は、都内から約40~60kmを環状に連絡する全長約300kmの高規格幹線道路で、東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道等の放射状に延びる高速道路や都心郊外の主要都市を連絡し、東京湾アクアライン、東京外かく環状道路などと一体となって首都圏の広域的な幹線道路網の一躍をになっている自動車専用道路です。


※出典:国土交通省関東地方整備局公式ホームページ

この圏央道の位置と首都圏整備法に基づく近郊整備地帯の外側がある程度重なっています。

近郊整備地帯とは、既成市街地※1の近郊のことをいい、都心部から郊外にかけて市街地がある程度連続しているエリアをいいます。
※1 東京都特別区、武蔵野市の全域、及び三鷹市、川口市、横浜市、川崎市の一部の区域
なお、都市開発区域は都内から100km程度離れている宇都宮や水戸、前橋などの都市が含まれています。


※出典:国土交通省ホームページ

既成市街地、近郊整備地帯及び都市開発区域は次のようなものです。

  1. 既成市街地
    諸機能の選択的分散を図りながら既存市街地の整備改善
    ※エリア内の都市は、都市計画法に基づき必ず区域区分(市街化区域と市街化調整区域の別)を必ず指定
  2. 近郊整備地帯
    計画的な市街地の整備と緑地保全
    ※エリア内の都市は、都市計画法に基づき必ず区域区分(市街化区域と市街化調整区域の別)を必ず指定
  3. 都市開発区域
    諸機能の集積を推進し、地域の中心的な役割を担う都市として育成を進めることにより地域の整備を推進

つまり、都市計画区域を指定し、さらに市街化を促進する区域と抑制する区域を必ず定めることとなる既成市街地と近郊整備地帯の都市は経済的かつ物理的に連担しており一体的な都市圏域(つまり首都圏)として都市政策が行われている(首都圏近郊整備計画など)。

ですので、既成市街地+近郊整備地帯のエリアを首都圏と考えるのが最も馴染みやすいと思います。

何よりも首都圏への入り口は圏央道ですし、圏央道とある程度重なる近郊整備地帯は首都圏と言っていいはずです。ちなみに茨城県を入れるのどうかな?と言われそうですがw 利根川で市街地は分断されているものの、交通の面から見て、首都圏に含めない方が違和感があります。

そうなると、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、及び茨城県の各一部が首都圏となります。茨城県南部については首都圏として認識していない方が多くいるはずですから、この記事を機会に改めるようにしましょうw(何度も言いますが、やまけんの自論です。)

なお、近郊整備地帯の都市は、国土交通省のホームページから確認することが可能です。

参考:東京ディズニーリゾートにおける首都圏の考え方

東京ディズニーリゾートでは毎年、首都圏ウィークデーパスポートを発売しており、2019年の該当地域は関東地方+山梨県+静岡県としていました。あくまでも参考です。

本記事のまとめ

首都圏とは首都圏整備法に基づくと関東地方+山梨県となります。

とはいえ、首都が都会的なものであると多くの方がイメージしているため、関東地方+山梨県では、いわゆる田舎も含んでいることから首都圏とは言えないんじゃないかと思ってしまいます。

そこで、都内から市街地が連続し、都市一体で都市政策を行おうとする首都圏整備法に基づく既成市街地+近郊整備地帯が馴染むのではないかという考え方をお伝えしました。また、これら地域は圏央道とも重なる部分があり、近郊整備地帯の都市は首都の入り口と言っていいと思います。

ということで本記事は以上となります。参考となれば幸いです。