【敷地面積の算定方法】敷地に隣接して、2項道路や都市計画道路、水路がある場合などの算定方法を分かりやすく解説

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。

役所での行政経験を生かして、建築や都市計画に関する情報を発信している趣味ブロガーです。圧倒的なマニアック性を売りにしていますが、生活に困るとアフィリ系に走ることがあります。その時はご了承くださいw

では、今回の記事です。

『敷地面積』の算定方法をまとめました。

では、はじめにいつもように法律の定義から説明しましょう♪




敷地とは?

『敷地』を知るには、建築基準法施行令第1条、及び第2条をチェックすることになります。

【建築基準法施行令第1条第一号(用語の定義)】
第一条 この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう。

この施行令第1条第一号が敷地の用語の定義となります。

読んで頂くと、”用途上不可分の関係にある”とありますよね。これは、土地の所有権によるものではなく、建築物の用途や使用形態が機能上関係しているかで判断されるものです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

では、次に敷地面積の算定方法です。

【建築基準法施行令第2条第1項第一号(面積、高さ等の算定方法)】
第二条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 敷地面積 敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法第42条第2項、第3項又は第5項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。

敷地面積は、”水平投影面積(すいへいとうえいめんせき)”によります。つまり、傾斜地であっても、真上からみたときの面積が敷地面積となるというのが原則です。

なお、よくある勘違いで、登記事項証明書に記載の面積とイコールでなければならないという方がいますが、そんなことはありません。

建築確認申請においては登記事項に記載の面積は審査対象外です。ただし、自治体が条例により建築確認申請に登記事項を添付するようにしていた場合はそれに従います(多分、ないと思うけど)。

では、次の建築基準法第42条第2項道路の接道している場合の算定方法です。建築基準法施行令第2条に規定されています。

敷地面積の算定方法①:2項道路に接道している場合

上記のように、建築基準法上の第42条第2項に接道する場合、セットバック部分は永久的に道路に供されることになるため、敷地面積に算入することができません

また、2方向が法42条第2項道路の接道している場合、自治体の条例により角地の建築制限(すみ切り)がかかることになります。

この場合、敷地面積に算入することが可能です。ただし、注意点があり、角地の建築制限(すみ切り)部分を道路として市町村に売り渡しや寄付することになる場合は、敷地面積に算入することはできません。※ゆとりの道路や狭隘道路拡幅整備事業などといったりします。

敷地面積の算定方法②:都市計画道路の接道している場合

上記のように、都市計画道路の接続している場合は、建築基準法第42条第1項第四号に基づき、現況道路境界線から計画道路境界線までは、敷地面積に算入することができません。なお、この法第42条第1項第四号については、特定行政庁による指定が必須です。

つまり、特定行政庁に指定されている場合、都市計画道路の事業認可がされているということです。

指定されていない場合は、事業認可されていない都市計画決定されているのみ、または、事業認可されているが、全ての用地買収が完了し暫定的に道路として供用されているなど、指定する必要性がないケースが考えられます。

事業認可されているかどうは、都道府県報で確認することができますが、調べるのが大変だと思うので、都道府県または市町村の道路部局(街路事業担当)に確認するようにしましょう。

敷地面積の算定方法③:敷地内に公共水路がある場合

敷地内に公共水路がある場合は、原則として水路部分は敷地面積に算入することはできません。または水路管理者より占用許可を取得していたとしても、敷地面積に算入することはできません。

ただし、水路管理者より半永久的に使用することが認められる(建築確認申請上の敷地に含めても良いとする許可)場合は、敷地面積に算入することが可能です。

>>>詳しくはこちらの記事に書ていますので参考にしてみてください。

これについてはあくまでも私がいた特定行政庁での取り扱いなので、自治体によっては多少異なるケースがあるかもしれませんので、条例や規則、建築指導課に確認するようにしてみてください。

敷地面積の算定方法④:敷地内に公図上の道がある場合

公図上の道(建築基準法上の道路ではない道)がある場合、その道部分は、敷地面積に算入することはできません

>>>詳しくはこちらの記事に書ていますので参考にしてみてください。

その道を普段から自分しか使っていなくて、これまで敷地で使ってしまったということであれば、早期に解決を図った方が良いと思われますので、市町村から道の払い下げを受けましょう。

まとめ

今回は、敷地面積の算定方法について、①法第42条第2項道路、②都市計画道路、③水路、④道のケースを説明しました。特に①についてはよく使用するケースだと思いますので注意してみてください。

こちらの書籍が参考になるので活用してみてください。

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最後に、、、

敷地面積は、容積率・建蔽率、さらには斜線制限にも関係する重要な規定ですので、敷地面積は簡単な規定だからと適当にしないで、基本を押さえてみてはいかがでしょうか。

なお、敷地面積の確定は境界確定を行い、地籍図として登記することではじめて登記事項と正確にリンクします。しかしながら、建築確認申請では、そこまでの正確性を求めていないので、従来の古い登記が修正されないまま将来に受け継ぐ恐れがありますから、私としては不動産売買におけるトラブルの要因となるので注意して欲しいなーと思っています。

ということで以上となります。参考となっていれば幸いです。

 






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など