【宅地造成工事規制区域とは?】不動産取引時の重要事項説明の解説

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今回、この記事で解説する宅地造成等規制法第8条1項及び第12条第1項は、不動産取引における重要事項説明事項(その他の法令上の制限)として調査する内容となっています。

宅建業法では、宅建業法施行令第3条第1項第17号に規定されています。

では、重要事項説明において何が対象となるのか。その概要について説明します。




宅地造成等規制法とは?

宅地造成等規制法とは、宅地造成※により崖崩れや土砂の流出など災害が発生する恐れがある地域を規制するとにより、そのエリアの宅地造成を許可性にすることで、国民の生命や財産の保護を図っていこうとするものです。日本全国多くの箇所で設定されているので、不動産取引においては必須の調査項目の一つです。

【宅地造成等規制法第1条(目的)】
この法律は、宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため必要な規制を行うことにより、国民の生命及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。

不動産取引においては、宅地造成等規制法第8条第1項及び第12第1項が重要事項説明の対象となります。

宅地造成等規制法第8条第1項第12条第1項とは?

不動産取引において重要事項説明として説明しなければならないとされる宅地造成等規制法第8条第1項及び第12条第1項は、『宅地造成工事規制区域』の中で、一定の基準に該当する宅地造成工事を行う場合には許可が必要となるものです。(第8条が許可・第12条が変更許可)

宅地造成工事規制区域は、都道府県知事(知事・政令指定都市の長・中核市の長・特例市の長)が指定するものでして、宅地造成に伴い災害が生ずる恐れが大きい市街地や市街地となろうとする土地の区域が指定されます・・・※宅地造成等規制法第3条

【宅地造成等規制法第8条(宅地造成に関する工事の許可)】
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、都市計画法第29条第1項〜(略)〜この限りでない。

【宅地造成等規制法第12条(変更の許可等)】
第8条第1項本文の許可を受けた者は、当該許可に係る宅地造成に関する工事の計画の変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
※:宅地造成等規制法施行規則第4条

 

重要事項説明について

重要事項説明においては、取引する土地が『宅地造成工事規制区域』に該当しているかどうかがポイントとなり、仮に規制区域に該当している場合は、次の宅地造成に該当する行為は許可が必要となります。

  • 切土で、高さが2mを超える崖を生ずる工事
  • 盛土で、高さが1mを超える崖を生ずる工事
  • 切土・盛土を同時に行う場合、盛土は1m以下でも切土と合わせて高さが2mを超える崖を生じる工事
  • 切土、盛土で生じる崖の高さに関係なく、宅地造成面積が500㎡を超える工事

    崖:地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のもの

▶️土地取引後において、買主さんが宅地造成を行うことを前提としている場合は、宅地造成等規制法に基づく許可が必要となることが考えられますので、宅地造成等規制法第8条の内容を説明します。

とはいえ、一般的に造成工事を行う場合は開発行為を専門にしている企業に依頼することがほとんどかと思いますので、仲介時の説明としてはそこまで詳細な説明となるようなことは少ないように感じられます。ちなみにですが、宅地造成工事規制区域の場合、その他の規制(土砂災害警戒区域や地すべり防止区域など)が指定されているケースもあるので注意が必要かなと思います。

宅地造成工事規制区域の指定状況

広く全国で指定されています。

取引する場合は、宅地造成等規制法所管課(建築指導課や宅地造成に関係する課)で確認することができますが、都道府県と市においてホームページに公表されていることが多い(境界付近は直接確認が必要なケースが多い)ですので、インターネットで『〇〇市 宅地造成工事規制区域』を検索します。

また、平成31年4月1日の指定状況については国土交通省において公表しているので参考までに掲載して起きます。

▶️宅地造成工事規制区域の指定状況(平成31年4月1日)

 

ということで説明は以上となります。参考となれば幸いです。

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